TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

─── 十年前、杏堂家

パシンッ

杏堂〇〇

ドサッ

私の父は暴力的だった。

気に入らない事があれば私や姉に手を上げ、 癇癪を起こして物を壊したりもした。

中身が子供のまま 図体ばかり大きくなった大人のようであった。

それでも母や祖母が私達を庇わなかったのは、 父がとある会社の社長で、お金があったから。

何でお前はこんな事も出来ないんだ!

杏堂〇〇

…ごめんなさい

私も私で鈍臭い子供だった。

決して逆らったりはしなかったけど、 家事も勉強もろくに出来なかった。

それに対して父は物凄く怒る。 文武両道なんて当たり前だと、毎日の様に言われた。

直ぐそうやって謝って逃げる!

謝るだけじゃなく行動に移せよ!

少し他の餓鬼より成績が良いからって
調子に乗ってるよな?

煩い

まだまだなんだよ!
このままじゃ底辺校に進学する事になる!

煩い

塾にも行かせて一流の家庭教師だって付けているのに!

煩い

お前みたいな出来損ない産まなければ良かったよ!

杏堂〇〇

煩い!!!

私がそう叫んだ途端、 甘い香りが舞って部屋を一瞬にして包んだ。

気付いたら父が目の前に倒れていた。 口からは血が出ていて。

杏堂〇〇

う、うわぁぁあ!!!

〇〇?何、どうしたの?

!?、きゃぁあ!!

私も母もパニックになって、 その後来た祖母が救急車を呼んだけれど間に合わず。

父の死は原因不明。 判ったのは肺がボロボロに劣化していた、それだけ。

あんたが父様を殺したのよ!

これから如何やって生きていく心算!?

杏堂〇〇

ご、ごめんなさ…

謝って済むと思ってるの!?

彼の人にも何時もの様に云われていたでしょう!?

父が死んだのは私が原因だと勝手に決めつけて、 母も姉も祖母も毎日私に罵声を浴びせるようになった。

今となれば私の異能力が急激に発達し、 まあ私がやったに変わりないと判る。

けれどその頃の私は異能力の事も、 ましてや其れを自分が持ってる事も知らない。

何で私がこんな目に遭うのかと 毎日毎日思っていた。

祖母

貴方は悪魔の子なのよ!

あんたと血が繋がってるなんて、吐き気がする

杏堂〇〇

(あぁ、何で私が)

杏堂〇〇

(私じゃない、私じゃないのに)

杏堂〇〇

(そうだ、此奴らが悪いんだ)

杏堂〇〇

(父様に手を上げられても救けもしなかった此奴らが)

私の心を支配したのは明確な殺意。

私はその時初めて異能を自分の意思で使った。

次々と倒れる母達を見てゾクゾクした。 幸福感。之で自由になれるんだって。

杏堂〇〇

あは、あはははっ!!

私が初めて自分の意思で人を殺した日。

双 黒 に 狙 わ れ て ま す

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

516

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚