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小学生の頃。
俺は小さいながらに
自殺を考えていた。
誰も入れないと噂の屋上には
鍵なんか掛かっていなかった
冷たい秋風が吹いている中、
半袖短パンで
屋上の柵に登った。
なつ
そんなことを考えていたら
思わず声に出てしまっていた。
俺が毎日のように見せつけていた
俺の大事な、
大好きな
72のブローチを
屋上において、
俺は自由な道を選んだ。
目を瞑って
小さな手をぎゅっと握り
あとほんの少しで
楽になれる、
少し目を開けて
気づいた
あと少しで
本当の自由が手に入ることに。
でも
俺が想像した
地面と俺の身体自体が当たる音は
鈍い音とは程遠い音だった。
何なら
音なんか聞こえなかった気がした
気づいた時にはもう遅かった。
自殺を失敗した事。
誰かに受け止められた事。
その真実が受け止めきれなかった。
⁇⁇
⁇⁇
なつ
俺がしっかり目を覚ましていた場所は
公園なんかじゃない。
病院だった。
⁇⁇
⁇⁇
なつ
⁇⁇
すち
なつ
なつ
俺はそう一言残して
病院から走り去った。
少しばかり痛む足。
自分の目からは何滴もの雫が落ち
病院の廊下は水滴まみれ。
俺は必死に走り続けた
痛くても
どれだけ辛くても
俺の思いは誰にも届かないって
その年なのにも関わらず
分かりきっていたことだったから。
ごめんね。
お兄ちゃん達、
また迷惑かけちゃったね。
俺やっぱり自由な道を選ぶよ。
ガンッ
なつ
⁇⁇
なつ
なつ
⁇⁇
⁇⁇
なつ
なつ
みこと
らん
なつ
俺の周りには優しい兄ちゃん達が
2人いた。
俺が生まれてすぐに親が他界してても
兄ちゃん達は暗いことなんか
一言も口に出さなかった。
少なくとも
俺の前では。
みこと
らん
みこと
らん
らん
偶然聞いてしまった。
兄ちゃん達の会話を。
俺の方が何倍も不安だよッ‼︎
会話を聞いてて思った。
みこと
らん
俺のせいで、?
兄ちゃん達が不安、?
出てけば良いのかな、
兄ちゃん達が悪いんだから
ガチャッ
らん
なつ
みこと
なつ
バタン