嫌いから……

彼が俺に寄りかかり眠ってから数分経つが未だにどう動こうか考えている

このまま学校に置いていくのは流石にダメ

だからといって家に連れ込むのも関係上いけない

やはり起こして帰した方がいいのだろうが起こすのも心苦しい

だがこのままもたもたしていても彼の事を考えると急いだ方がいい

そうだ病院に行こう

彼はかなり傷を負っているから処置を受けよう

そう思い俺はすぐさまポッケに入っているスマホをみて近くの病院を探そうとした時

時刻が０時を過ぎていることに気づく

流石に０時を過ぎている為病院もやっていないだろう

いよいよ手詰まりだな

やはり起こさないといけないな

俺は彼を自分から離し起こそうとする

彼から涙が流れている

眠りながら流している

それを見ると更に起こす事が出来なくなり

俺は彼を起こす事が出来ず

彼を抱え学校から出た

真夜中だと言うのに所々電気がついているのを見ると見られていないか気になる

俺は彼を抱え自分の上着を彼に被せ冷えないようにしている

今も彼は血液と同時に涙を流している

今も血液が流れていると言う事はかなり深い傷だ

家に救急箱はあるか

自分がどこまで処置を出来るか考えながら帰路を辿った

家に着くと外よりはまだ暖かい

俺は一先ず彼をソファーに寝かせ暖房を付けた

付けたばかりの暖房はすぐさま暑くなり最近の技術は凄いなと痛感する

俺は救急箱を探すがない

確かここら辺にしまったであろう場所を幾つか探しても無い

既に０時を過ぎているため中々に瞼が重い

気を抜くとすぐ意識が消えそうだ

だが仮にでも教え子を放置する

ましてや大怪我している人を放置するのも中々に心苦しい為急ぎめで買いに行く事にした

病院はやっていないからコンビニで彼に使う分と家に置いとく用を買った

こういう時24時間営業のコンビニは助かる

そしてその店員の反応でわかったのだが服に血が着いていた

しかもかなりの量の血

店員は俺が怪我をしていると思い処置をしようとし断るのに時間がかかった

誰かとぶつかった

反射的にその主を見ると若そうな子供がいた

彼はすみませんと言い走って行った

髪色が特徴的だったな

おそらく金髪

暗くあまり見えないが目も黄色だった

外人か？

あれ

落ちている生徒手帳を拾い

そのままの流れで中を開いてしまった

そこには苺森 黄

人の名前は色々な読み方がある為読みは解らない

一様近くに交番があるからそこに届けよう

あの後交番に行き手帳は届けたが果たして持ち主に戻るだろうか

そして何気になんと読むのか気になる…

苺と言う漢字にまだ他の読み方…

いちご…ばい…こけ…もう…まい…

まい？

まいしん？

それともまいもり？

なんにせよ珍しい名前だなぁ…

誰かとぶつかった

えっまたぶつかった？

またしても瞬発的にぶつかった主を見る

違う人だ

髪色は何色だ…？

金髪ではないのはわかるがすぐに走って行った為よく見る事が出来なかった

明るい髪系の子によくぶつかるな

なんか今日は災難な日だな…

何となく下を見たが手帳は落ちていない

そうして俺は呑気に家に帰った

好評でしたら続くかもしれません