この作品はいかがでしたか?
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突然の事だった。
君が大事な話だと言うから、少しは身構えていたものの、そんな最悪な内容だとは思っていなかった。
"別れる"。
オレは何度もその言葉を頭の中で反芻した。
嫌だ、と言うよりもどうして?って言う気持ちの方が強くて。
オレは俯いたまま彼に問う。
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彼は口を開かない。
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バッと顔を上げる。
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そこには、今にも泣きそうな、助けてって言いたそうな顔をした刀也さんがいた。
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急に刀也さんが大きな声を出して此方を睨んだ。
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肩を震わせて、自分を制するように拳を握る彼。
今まで1度も見たことの無い、憎しみが込められた顔をしていた。
彼の、いつもの優しくて暖かくて、ずっとオレを見守ってくれる翡翠色の瞳は生気を失っていた。
真っ黒で、光がなくて、
そこから溢れるたくさんの涙に、オレは理解が出来なかった。
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聞きたくない。
オレの脳が命令する。
耳を塞げ、この言葉は聞いてはいけない。
聞いたら全てが終わってしまう。
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耳を塞いだ。
それでも微かに聞こえる刀也さんの声。
何を言っているのかまでは聞き取れないが、今は彼の声をも耳に通したくない。
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しまった。
オレは今、最愛の刀也さんに向かって、確実に、彼に聞こえる声で、
うるさい、だまれ、と言ってしまった。
手を離し、刀也さんの方を見る。
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必死に刀也さんの腕に掴むオレを押しのけ、ドアにむかう。
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彼はそう言い残し、外に出て行った。
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あまりにも唐突すぎる。
さっきまであんなに好きだと伝えあっていたのに、
なんでこうなった?
どこで間違えた?
オレはいつ、彼に嫌われた?
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流石に無理がある
オレと刀也さんが別れる?
さっきまでキスをしていたのに?
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行かないで、なんて言ってみるけれど、オレは出て行った刀也さんを追いかける気力など殊更ない。
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プツン、と音がして、オレの意識はそこで途切れた。
思えば、この話を持ち出したのはあまりにも急過ぎたのかもしれない。
キスをして、好きだといいあって。
そんなの何処からどう見ても別れるなんて頭にない普通の恋人じゃないか。
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僕がそういったとき、君は理解しきれていない、ぽかんとした顔をしていた。
僕の言っている意味が分からなかったようだ。
そりゃあ驚くよな。
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次第に僕の話に頭が追いついたガクくんは、俯きながら吐き出すように言った。
なんで?
僕だって聞きたいよ
ねぇ、僕、ガクくんと別れたいなんて本当は思ってないんだよ
大好きなんだ、君が。
離れたくないんだ。
僕が見つめるガクくんの顔には、沢山の傷跡が出来ている。
それを見る度、心がちくりと痛む。
僕が君の隣にいるせいで、ガクくんが傷つく。
そう分かった時、君と別れることを決意した。
私情なんてどうでもいいんだ。
僕は彼を、傷つけてはいけない。
だから。
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家を出て5分。
僕はよくガクくんと散歩に行った公園にいた。
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思っている事を全て口に出してみる。
少し気が楽になるかもと期待した。
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ガクくんの目の前で我慢して引っ込んだと思っていた涙が頬を伝った。
ぽた、ぽた、と次々に地面を濡らす。
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僕は伏見ガクが好きだ。
だから僕はガクくんから離れないといけない。
そのために、僕は、
悪役になってやる。
静かな夜の公園に、1つの人影と重い鳴き声が染み渡った。
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コメント
6件
次回も楽しみです…!!😭
毎回最高すぎます!2日に1回でもいいですけど、こある様もゆっくり休んでくださいね!応援してます!