代理
代理
代理
代理
nmmn注意
いじめっていうのはいつの時代にもあるもの
なぜいじめをするんだろう、って
そう思う人だってたくさんいる
少なくとも自分もその一人だった
だけど
いつしか僕はいじめる側になっていた
莉犬
近くで人が呻く
名前は確か、赤園莉犬
単刀直入に言うなら、いじめられっ子
自分とは正反対
真逆の存在
こういう奴を見ていると、ムカつく
莉犬
蹴とばす
...ふと思う
なぜやり返してこないのだろう
なぜされるがままなのだろう
別に、絶対的な力の差があるわけじゃない
だから、やり返そうと思えばやり返すことは出来るはず
でも、いじめられっ子はしない
過去の自分もそうだった
ころん
莉犬
ころん
ころん
ころん
莉犬
ころん
僕はそう前置きを置いて
ころん
ころん
莉犬
ころん
その返答に苛立った僕は、莉犬を思い切り蹴る
地面に転げ、苦しそうに呻いている
僕はそれを、白い目で見ていた
...弱い
なんて、いじめられっ子っていうのは弱いんだろう
反抗すればいいのに
なぜいじめられるのか
それは弱いから
格好の的だから
だから、いじめられる
カモにされる
ころん
ころん
苛立ちを、目の前の莉犬にぶつける
腹を思い切り蹴ってやる
口から苦悶の声が零れている
ころん
本当に、昔の自分そっくり
あの時は毎日が辛かった
学校に行くたびに、いじめられて
痣が毎日増えていった
だけど抵抗はしなかった
怖かったから
でも、いつしか自分は抵抗していた
気が付けば、の出来事だった
その時思ったことがある
いじめっ子なんて、こんな程度なのかと
そして中学から高校に進学し、自分はいじめっ子になった
莉犬
地で伏していた莉犬が言った
ころん
姿勢を屈ませる
莉犬
ころん
僕は言った
ころん
ころん
ころん
ころん
僕はその意思の強さでのし上がった
ころん
莉犬
ころん
ころん
僕は肩を竦める
ころん
ころん
莉犬
こいつは僕がいじめる前からいじめを受けていた
それは女子のグループで、化粧をしたり、校則違反をよくしていた
一言で言えば僕は、そいつらの事が嫌いだった
自分はいじめっ子だけど、いじめっ子が嫌いだ
そして、群れる奴が嫌いだ
だって群れる奴は群れないと何もできないから
莉犬はそいつらから奪った
あいつらはちょっと暴言を吐いたら大人しくなった
そいつらがやっていたいじめは、陰湿だった
ベタだけど、机に落書きがされてあったり、上履きに画鋲を仕込んだりだとか
つまらない
そんなのをして何になるというんだ
いじめるのならこうやって殴ったり蹴ったりした方が気分が晴れるというのに
莉犬
ころん
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
ころん
僕は叫んだ
ころん
ころん
ころん
莉犬
思いっきり腹を蹴る
そしてやがて
僕の足はピタッと止まった
ころん
吐き捨てる
ころん
ころん
ころん
ころん
それだけ言って僕は屋上を後にする
代理
代理
代理
代理
代理
コメント
1件
神作ですね! 書くの上手すぎます!