俺
俺
日が暮れるのが早くなり、薄暗くなった空を見渡す。
俺
どうでもいい事を呟きながら帰路を急ぐ。
一面に広がる彼岸花を横目にただただ歩いていく………
遠くには薄も広がっており秋を感じていたがどっちかと言うと夏が恋しかった。
暇だった……だから彼岸花の事を考える事にした。
俺
前から嫌いだった。この血の色のような彼岸花が………
俺は、あることに気づいた。
一面血の海のような彼岸花の中に人がいることに……
俺は勇気を出して話しかけた。
俺
その人はゆっくりとこちらを向いた。
その時、俺は悟った。
虚ろな目、傷だらけの顔、生気を感じられないほどの青白い顔。 この人はおそらく幽霊だろうと
さっきまで晴れていた空は入道雲に覆われ、雨が降りだして来た。
怖くなった俺は逃げようとしたが思ったように進まない。
俺
幽霊はこちらをじっと見つめながら迫ってきた。
俺
やっと立ち上がり、走って逃げ出した瞬間、逃がさまいと幽霊は走って追ってきた。
俺
しかし、そんな声は虚しく響くだけ………
追い付かれそうになって俺は最後の力を振り絞って薄の花畑に飛び込んだ。
すると諦めたのか、すっと消えてしまった。
俺は、その後走って家に飛び込んだ。
両親に話しても「夢でも見てたんだろ」と信じてはくれなかったが俺は、あれは絶対に夢じゃないと信じている
後から知ったのだが、昔この場所で殺人事件があったらしく彼岸花の花畑の中で女性が殺されたらしい
何故、薄の花畑まで追ってこなかったか。 詳しくはわからないが、薄の花言葉は活力。 生き生きとした花に囲まれた空間に幽霊は入れなかったのだろうか?
彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」 彼岸花には、殺された被害者の悲願が込められていたのだろうか?
どっちにしろ悲しくも、恐ろしい体験だった事には、間違いない。
今年も彼岸花が咲き誇る季節………
あの体験を今年も胸にとめ今日も帰路を急いだ。
コメント
4件
そだよ~😉
ありがと!更新終わったんだね
いいね👍️😄