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……スゥッ、性癖過ぎるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!! 青黒はこーゆう歪んだ恋も似合うのか………… 今回も神作でした!
確かあの時、空は青く澄んでいた
さくら
アニキが知らない奴を連れてきた。 俺の、知らない奴を。
いふ
悠佑
いふ
悠佑
その時、何を感じていたのかすら 今の俺には分からない。
初めて会ったのは10歳の夏。
悠佑母
いふ母
悠佑
挨拶に来た母親の裾を掴んだ、 杖をついた少年が目に映った
いふ母
悠佑母
いふ母
いふ母
いふ
母親に促されるまま、 はじめましての挨拶をした。
悠佑
そのはずんだ声に、笑った顔に 俺はきっと恋をしたんだと思う。
いふ
この日から、俺らはずっと一緒だった
小学校では、俺がフォローした。
いふ
悠佑
そう言った矢先、ドジッてしまうのは もう俺の中ではお約束だった。
いふ
いふ
悠佑
俺が手を差し伸べれば、 アニキは笑ってその手を握る。
いふ
その感触が俺は大好きだった。
中学校でも、俺はアニキと一緒にいた
いふ
悠佑
何か支障がでるんじゃないかと ヒヤヒヤしていたのだが、 アニキの声を聞いて覚悟を決めている のだと気づいた。
いふ
悠佑
いふ
そうやって勉強の教え合いも、 日常生活でも俺たちはずっと一緒で もちろん高校だって一緒だった
職場は違っても休みの日は、 いつも一緒にいた。
ずっと、一緒だと思っていた
実際そのはずだったのだ。
あの女が現れるまではーーーー
あの女が俺のアニキを奪った。
いふ
幸せになって欲しい。
いふ
幸せになってほしい
いふ
幸せになって
いふ
幸せに
いふ
ぽっとでの奴に全てを 奪われるなんて!!!
いふ
酒を煽る そうでもしなきゃやってられなかった
いふ
テーブルに転がる酒瓶とビール缶の山 目を瞑る前に見えたのはそれだけだ
リンゴーン、リンゴーン 鐘の煩わしい音が耳に入る
いふ
今は拍手の音すらも煩わしい
悠佑
さくら
新郎新婦のステキなキスシーン
いふ
気持ち悪くて目を逸らす
いふ
口から出た言葉の意味は はたして本来の意味なのだろうか。 もう、分からない
彼らが結婚してから次の休みの日
悠佑
呑気な声が耳に入ってくる
いふ
なるべく平静を保って返事をした いつも通りにしていよう
悠佑
悠佑
いふ
悠佑
結婚前と変わらない笑顔と、声。 何か悪い夢だったのではないかと 思いたくなってくる。
いふ
あの女さえいなければ……
悠佑
茶葉を入れる音が止まったのに 気づいたらしい。 耳と、記憶がずば抜けて良いから そんなことを言ってきたのだろう
いふ
悠佑
いふ
悠佑
いふ
アニキはどうしていつも通りに 俺に接してくれるのだろう
いふ
仲良しの、親友。
いふ
たった、それだけだったからなのか
いふ
それでも、俺は…
その休みの日からも、 俺とアニキは会って話していた
悠佑
いふ
毎回、そんな風に始まる会話
悠佑
だとか
悠佑
…だとか
いふ
なんてことのない世間話が 俺は、聞くに耐えない時もあれば とても楽しい時もあった。
いふ
悠佑
いふ
ある時、そんな質問を投げかけた
悠佑
その声を聞いて俺は決めた。
いふ
あの女を殺すことを
夜、彼女だけを招いた。 いや、彼女から誘ってきたのだから 招かれたの方が正しいのかもしれない
さくら
いふ
いふ
さくら
いふ
いふ
さくら
当たり障りのない人物を演じる そうして信用させるんだ。 一回なんだ、我慢すれば済むのだ。
いふ
さくら
いふ
我慢だ、我慢、我慢、我慢。 殺すのはコイツが抵抗しなくなって 記憶も朧げになるときだ。
いふ
さくら
彼女は押しに弱いタチだと、 アニキから聞いていた。 …一言一句忘れなんてしない。
さくら
さくら
大分酔いも回ってきた。 彼女はもう無理だろう。
いふ
いふ
さくら
念の為、彼女には強い物を出したが その必要はなかったようだ
いふ
睡眠薬入りのものだが、彼女は 酔いと信用が相まって、 スッと受け取った
さくら
ゴクッ、ゴクッと水が喉を 通っていくのが目に見えた。
さくら
いふ
寝る寸前、彼女に言う
いふ
"俺たち"の為に。
彼女の身体はもう冷えた
いふ
いふ
いふ
ガチャ。
いふ
あり得るはずのない音がした。 鍵はかけていたはずだ。 なのに何故開いたのか。
いふ
合鍵を持っているアニキしか、 ありえなかった。
悠佑
まずいまずいどうしようどうしよう いや大丈夫アニキは目が見えないんだ 大丈夫、大丈夫、大丈夫、 分からないはずだわからない。
いふ
悠佑
悠佑
いふ
少し声が上擦った。 絶対に不審に思われている。
悠佑
いふ
コツ、コツと杖をついて俺のそばに やってくる。
悠佑
目が見えていないはずなのに、 なんでか全てを見通しているように 感じられた。
いふ
息が詰まる。
いふ
頭の中は複雑に絡まった紐のように 解けてはくれないのだろう
悠佑
いふ
小さなアニキが大きく見える。 今は俺が子供みたいに小さい
悠佑
アニキが両手を広げた。 そんなことされると思ってはなくて
いふ
だけど、温もりを感じたくて
悠佑
アニキを抱きしめた。
悠佑
いふ
アニキは俺を抱きしめ返すと、 そう話し始めた。
悠佑
悠佑
いふ
全部知ってた上で結婚した、のか?
悠佑
悠佑
いふ
俺と同じことをアニキも……
悠佑
いつもよりも楽しそうな声と、 輝いた笑顔に俺はまた君に、恋する
いふ
悠佑
狂気に染まった恋の共犯者
悠佑
全ては彼の望みのままに。