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フゥー…フゥー…

正直、最後の最後まで麗美姉さんからもらった封筒を…

開けようか、開けないか…

すごい…迷っていた

…ッッ

もしも、

私への怒りとかが書いてあったら?

……

もしかしたら、この封筒を見てしまったら…

後戻りはもうできないかも…

と思った

……

陽菜乃さん…

でも、私は

陽菜乃さんの言葉を胸に…

その封筒を…

今この瞬間

開けることにした

…バッ

ペラッ

…?紙が…2枚…?

(なんだろう…)

そして、私はその手紙を読んだ

麗へ

この手紙を読んでる頃には…

もう、私は死んでるかな…?

私は、今夜…

死ぬことにしたんだ

マスターとグランドマスターからの暴言暴力

全てが嫌になったからさ…

麗華と麗奈、麗を残していってしまうのは…

一番…ダメなことだけど…

生きるのも、もう…なんか…ね…

……麗美姉さん…

でも、これは私自身に問題があるんだ

…?

麗華にも麗奈にも…

マスターにもグランドマスターにもいえなかった私の秘密…

貴女だけに教えてあげるね

…秘密…?

私、夜鷹麗美は…

殺し屋でもありながら…

人を殺すのが…

嫌だったんだ

………

え?

人が苦しんで死んでいく姿を見るのが…本当に…

嫌だった

殺し屋なんて、今すぐにでも辞めたかった

どれだけ、夜鷹家に生まれた事を悔やんだか…

今ではわからない

……

でも、ある日の任務

私は…ある子供を殺せと言われた

どこかのエリート会社の社長の息子だった

もちろんのこと…私は、殺せなかった

だから…グランドマスターやマスターにこっぴどく殴られた

麗達の前では、怒鳴っただけで終わったけど…

本当は…

蹴られたり、殴られたり

真夜中に叩き起こされて

無理矢理、訓練に参加させられたり

もう、限界だったよ

こんな事が続くんだったら…

もう、これ以上…人を殺す前に…

死のうと思った

……麗美姉さん…

私が、なんでこうやって麗に手紙を書いてるか…わかる?

それはね…

麗の事だから、

私が死んだ理由を自分のせいにしたりするんじゃないかなって思ったんだ

…?!

でも、安心して

私が死んだのは、

麗のせいじゃない

これは、私の意思であり

マスターやグランドマスターの暴力に耐えられなかった私に責任があるんだ

願うことなら

ずっとずっと、麗達の側で生きたかった

麗が高校にあがっていく姿を見たかった

麗華や麗奈が中学生になる姿を見たかった

でも、もう…

生きたいとも思わなくなってしまったんだ…

麗、麗奈、麗華

貴女達は私の自慢の妹だ

私がいなくても絶対、生きていける

こんなやりなげな姉を許して…なんてね

麗は優しいから

自由に生きて

そして、

幸せになってね?

これが、頼りない姉にできる…

精一杯の願いだ

ごめんね、そして

ありがとう、麗

…ッッ

麗…美…姉さん…ポロポロ

麗美姉さんは…

私の事を恨んでなかった…

ポロポロ

私に、後悔を生ませないためなのか…

麗美姉さんは自分の最後の時間の半分を…

この手紙を書く時間に当ててくれた…

ポロポロ…

麗美…姉さん…ポロポロ

嬉しい…けど…

けど……

私は…麗美姉さんが…ポロポロ

ヒック

生きてた方が…ポロポロ

よかったよ…ポロポロ

頼りない姉

投げやりな姉

そんな事…どうか言わないでほしい

ッッ…うぅ…ポロポロ

麗美姉さんはいつだって…

私の自慢

だから…

麗美姉さん…ポロポロ

ガチャッ

陽菜乃

小鳥、夜遅くに鍵の閉め忘れはダメだy…

陽菜乃

って…!!

ポロポロ

陽菜乃

小鳥!!

陽菜乃

どうしたの?!

あ、いや…そのなんでもな…

陽菜乃

何でもなくないでしょ?!

陽菜乃

え、えっと…

陽菜乃

ハンカチは…

ポロポロ

陽菜乃

…よしよしナデナデ

陽菜乃

大丈夫だよ…大丈夫だから…

ッッ…ポロポロ

(こんな時まで…なんで陽菜乃さんは…こんなにも…)

(優しいんだよ…)

陽菜乃

大丈夫だよ、なにがあったかはわからないけど…

陽菜乃

とにかく、大丈夫…大丈夫…ナデナデ

陽菜乃…ポロさん…ポロポロ

陽菜乃

うんうん…大丈夫…大丈夫だから…

その晩、私は今までの苦しみ分

陽菜乃さんの胸の中で精一杯泣いた

ポロポロ…

陽菜乃

ナデナデ…

その日の朝

……パチッ

…ここは…

陽菜乃

スゥー…スゥー…

あ、

(そっか…私、昨日の夜…)

……

まだ、あの麗美姉さんからの封筒の内容が

信じられなかった

……

陽菜乃さん…

陽菜乃

スゥー…

(そっか、陽菜乃さん…昨日の晩…ずっとずっと…)

……

バッ(カーテンを開ける)

……

いいのかな…

麗美姉さんの言う通り…

幸せになっても…

(これは私が…願っては…思ってはいけないことだとずっと思っていた…)

……

幸せに…

なりたい

……

麗美姉さん…

みんな…ありがとう…

……よし

数時間後

陽菜乃

んぅ…

あ、陽菜乃さん

おはようございます!

陽菜乃

あ、小鳥…

陽菜乃

ムクリ

陽菜乃

……あ!昨日は大丈夫だっt…

陽菜乃

って…え?!

…?どうしたんですか?

陽菜乃

ど、どうしたの…

陽菜乃

その…

髪?!?!

へ、変ですかね…?

陽菜乃

え、え、え?!

今日、朝早くから切りに行ったんですが…

陽菜乃

…な、なんで…??

……

陽菜乃さん、私はこの梵天に来る前まで

死ぬほど、自分の事が嫌いでした

陽菜乃

でも…この梵天で過ごしていくうちに…

ちょっと、だけ…

自分の事が好きになっていったんです…ニコッ

それもこれも全部…

陽菜乃さんのお陰ですよ…

陽菜乃

……小鳥

……フゥー

だから、私はグダグダした過去の自分を目の前から消し去るために…

ちょっと髪を切りに行ったんですよね〜

陽菜乃

ちょっとどころではないな

アハハ~

陽菜乃

…ふっ

陽菜乃

でも、流石…私の部下だね!小鳥!!

!!

…はい!!

プルルプルル

……

陽菜乃

あ、麗!
電話鳴ってるよ?

…(マスターから…)

…ッッ

ポチッ

陽菜乃

…?

クルッ

気にしないでください!いつものセールスマンですよ!

陽菜乃

おぉぉ…

……

(マスターからの電話…初めてかな…)

(キャンセルしたの…)

……

(私は…梵天のみんなと幸せになっていこう…)

(マスター、ごめんなさい…)

私はこれから…

青鳥麗として…小鳥として…

梵天で幸せに生きていく

陽菜乃

っていうか?!麗!!

陽菜乃

午前、会議なかった?!

あ?!

やばい、間に合いますかね?!

陽菜乃

行くぞ!!

はい!!

そう、駆け出したとき…

私の事を今まで、縛っていたなにかから…

解放されたような気がした

……

(ついでに、マスターの番号も消しとくか)

ポチッ

陽菜乃

小鳥ー!早く!!

あ、はい!!

タッ

さよなら、夜鷹麗

今まで、ありがとう

私はアナタを守りたくて、救いたかった

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コメント

6

ユーザー

知らない間に投稿されてタァァァ コトリィィィィ泣

ユーザー

やばい目からめっちゃ水が出てくるよ(T ^ T) 麗奈も麗華も麗美もみんな麗の事は恨んでないよ! 麗は幸せになって良いんだよ! これから麗はいっぱい幸せになってね! 短い髪の麗も可愛い! 続き楽しみにしてるよ!

ユーザー

ヤバいヤバい涙が止まんないよ😭😭 麗美さんもみんないい人すぎる… タヒんでほしくなかったなぁぁぁあああ 麗美さんがコトリちゃん達のことを大切にしてたみたいに今は陽菜乃ちゃん達に必要とされて大切にされてるって考えるともう泣ける😭😭😭 続き待ってるね😭

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