玖音
…よし、もうタメでいいよ。
優友
いやぁ〜、緊張するね〜
桜珠
そうだねぇ
玖音
お前ら緊張感無さすぎだろ…
何があるか分からない…
優友
うわっ!!
桜珠
ひゃっ!!
玖音
ほら言わんこっちゃない
(二等兵がしくじったか?)
玖音
とりあえず何があったか聞いてみる。
どうせ開閉器の誤作動だろうし、俺らも進もうか。
桜珠
…どうでした?
玖音
通信できない。
電波が全て遮断されてる。
桜珠
えっえっ!それってヤバくない?!
優友
どうしよ…とりあえず桜珠ちゃんは落ち着いて…
玖音
まぁ食料云々はあるし、暫くはここでキャンプかな。
優友
…思ったんですけど、ここで火とか使ったら一酸化炭素中毒にならないんですか?
玖音
この洞窟…って言うか分からないけど、足元は石段だろ?この下に空気の通り道があるみたいで、循環されてるから問題ないよ。
玖音
まぁ食事はマスクを外す必要があるけどね。
優友
えぇ…
桜珠
じゃあここの空気は健康被害の心配とかないんですね?
玖音
そうみたいだね。鳥でも問題ないんだから、人間ならもっと大丈夫だろうさ。
優友
…聞きたかったんですけど、玖音さんって一体何者なんですか…?
玖音
あぁ、気になるよな。
なんとなく見当はついてるんじゃないか?
桜珠
もしかして、本当に元は人間だったとか…?
玖音
そうだよ。
…じゃあなんでこんな姿になったと思う?
桜珠
なんだろ…
優友
もしかして、シャフに…?
玖音
おー。いい勘してるじゃん。
そうだね。あのウイルスに二次感染した。
桜珠
え…?でも二次感染はしないって…
玖音
あぁ、二次感染でシャフにはならないし、
僕以外は何一つ症状所見が見られなかった。
何故か僕だけが鳥になったんだ。
優友
しかしなんで鳥に…
玖音
さてね…。
優友、一回僕に噛まれてみない?
三次感染でどうなるか見てみようぜ。
桜珠
ちょwww笑わせないでwww
優友
いや怖いから勘弁してくれ!
玖音
…毎度思うんだが、この子のツボ、浅いというか癖が強くないか?
優友
そうなんだよね…
そうして喋りながら階段を降りるうちに
最下層にたどり着いた。
正面に彫刻のある大きな門が構え
両脇は見えないほど奥深くに続いていた
優友
…これが、『龍門』…
桜珠
本当に龍みたいな生き物が彫ってある…
玖音
前見た時と違うような気がする…。
カツン…カツン…と歩くような音が
辺りに響き出した。
玖音
…全員固まって背中を合わせろ。
そして視界確保のためにマスクを外せ。
どこからの音か分からん。
桜珠
…!
2人で銃を構える。
練習では撃ったことあるけど怖い。
手が震えてしまう。撃たせないでくれ…
二等兵
…すみません!植入准将ですか?!
『門』が開きましたので、ご連絡にまいりました!
優友
よかった…仲間だ…
玖音
了解。通信機は?
二等兵
はい!こちらにお持ちしております!
二等兵がカバンに手を入れると同時に
玖音が爪を彼の首に突きつけた
玖音
動くな。
二等兵
…はい?どういう事ですかっ!?
桜珠
そうですよ!通信機を持ってきてくれたんですよね!?
二等兵
えぇ!上で全ての電子機器が故障したために代替機を用意しただけです!
玖音
ふーん。
それ誰かの指示?
二等兵
いいえ…自分は通信兵なので…
玖音
なんで俺と弔しか知らない、通信機の型番知ってんの?
適当なこと言ってんじゃねーよ。
優友
(これが語るに落ちる、ってやつか…)
二等兵
…申し訳ない、こうする事でしか君たちと接触出来なくて…
男は武器を置き、制服を脱いだ
その背中には花の刺青が入っていた
玖音
…お前、もしかして。
???
おひさしぶりです。
おっと、名前は伏せといてください。
色々と不都合なのでね。
優友
…知り合い?
玖音
…さぁな。でも少なくとも敵ではない。
桜珠
…ならいっか…?
優友
そうだ!僕、ひs…
???
ここでは名乗らない方がいいよ
色々と危ないからね…
優友
…分かりました
???
…とりあえずは俺も1二等兵として同行させてもらいましょうかねぇ
二等兵
…んしょ
皆さんは自分のことは二等兵とだけ呼んでくださいね
玖音
…そういう事だから、こいつはお前らの部下ってことでいいよ。
優友
おっ!じゃあよろしくな!二等兵くん!
桜珠
よろしくなっ!
二等兵
…よろしくお願いします…
順応はやいですね…(ボソッ)
玖音
…そんで、なんでこんな回りくどい方法を取ってまで僕らと合流したの?
二等兵
はい
私は第1次探索において、この『龍門』内に潜入し、中の人間として生活していました
そこで皆様の姿を『龍門』のカメラを通して見つけたので、中の連中に顔が分からないよう、この格好で出てきた次第です
玖音
なるほどね。
あ、ごめん。爪の傷残るかな?
二等兵
いえ、大丈夫です
玖音
まぁ、それならいいや。
ちなみに龍門の開け方は?
二等兵
それが、1度出ると記憶から消えるようでして…
申し訳ありません
優友
え、開けるんですか?
玖音
今回の調査目的はそれだからね。
何も観光で来てるんじゃないよ。
桜珠
そ、そうですよね…
優友
でも開け方とか分かんなくないですか?
二等兵
…?
この龍の彫刻のデザイン、どこかでみたことありませんか?
桜珠
…そう言われると…?
僕と玖音さんの2人が
それぞれ思い出したように
声を出した
玖音
この前落とした漫画(意味深)で見た!
優友
快〇天で見た!
玖音
…。
優友
…
桜珠
なんであの2人握手してるの?
もしかして暗号解けた?!
二等兵
あー
今はそっとしておいた方がよろしいかとー