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一番星のキミに恋するほど切なくて。

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一番星のキミに恋するほど切なくて。

1 - 一番星のキミに恋するほど切なくて。

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2021年10月29日

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宮舘涼太

……俺は、宮舘涼太だ

阿部亮平

涼太さんは僕に手を差し出す。
僕はその手をじっと見つめた。
握手……?

阿部亮平

「……涼太……さん?」

阿部亮平

僕が小首を傾(かし)げていると、涼太さんはため息をついた。
えっ!?
涼太さん、ため息ついてる?
僕、なにかしたのかな。
な、なにしたんだろう……。
もんもんとしていると、涼太さんは
もう一度ため息をついて、口を開いた。

宮舘涼太

「……俺のところに来い」

阿部亮平

……え?
一瞬、時間が止まってしまったような気がした。
急いで頭をフル回転させる。
俺のところに来いって……。
それって、どういう意味なのかな。
まさか……ど、どうしようっ!!
助けた見返りを求められてる!?
あれこれ考えていると、涼太さんは
小さく笑った。

宮舘涼太

「……なにもしないから安心しろ。
ガキに興味はない」

阿部亮平

はっきりそう言われてしまった。
自分の顔が熱くなるのがわかる。
カンちがいをした自分がはずかしい…。
それにガキって言われた。
僕、もう高校2なのに……。
シュンとしていると、涼太さんは困ったように頭のうしろをガシガシッとかいた。

宮舘涼太

「……そんな顔するな。対応に困る」

阿部亮平

心底困ったような顔をする涼太さん。

阿部亮平

「……ふふっ」

阿部亮平

無表情を崩して、困った顔をする涼太さんが可愛くて小さく笑ってしまった。

宮舘涼太

「……笑うな。ほらどうするんだ?」

阿部亮平

それから、涼太さんは差し出した手をさらに前に出す。

阿部亮平

「一緒に、行きたい」

阿部亮平

涼太さんについていったら、何か変わるのかな。
大切な人たちを、大切と思いながらも
遠ざけるしかなくて。
大切にされるたびに苦しくなる。
そんな僕のうしろ向きな気持ちを……
僕の世界を変えてくれるような力強さを
、涼太さんから感じるんだ。
だから、僕はその手を取った。
そんな僕に、涼太さんは小さな笑顔を
浮かべる。

宮舘涼太

亮平

阿部亮平

綺麗な星がでていたあの日。
眩しいネオン街で、僕はこの夜
涼太さんと出会ったのだった。

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