かげよこ

特に何も出来ず、

影山くんのLINEも既読をつけず無視をしたままだ

無視をする

という選択しか無かったと言った方が正しいが

流石に今影山くんと話すのは辛すぎて

いつもより遅めに家を出た

昨日間違えて好きと送ってきた人とは思えないほど

いつも通りの元気な声だった

影山くんの顔は見れなかった

俺の視界の片隅で揺れる影山くんが

どうしても切なく思ってしまった

嘘、

顔に出てんじゃん

メンバーに迷惑かけないって…

メンバーだったら迷惑かけちゃいけないの？

迷惑かけてよ

奏に言われたばっかじゃん

意外にも

メンバーにバレるのは時間の問題なのかもしれない

もちろん用事なんてない

奏が気使ってくれたんだろう

今回ばかりはありがたく利用させてもらった

本人にバレるのも時間の問題かもしれないから

撮影が終わり

3人は焼肉を食べに行った

がちゃんと新とは別れて

奏と帰った

いつも通りを演じてた疲れがどっとでて、

気疲れしてる俺に反し

奏はいつも通りに接してくれて助かった

あの通知を思い浮かべてしまったが

そう言われるのも仕方ない

話さないとなと自分でも分かっていた

あの光景を振り返った

もう、涙は出なくて安心した

奏にLINEを開いたスマホを差し出した

それを見た奏は慌てて自分のスマホもだして

自分のスマホと俺のスマホを照らし合わせるように見た

申し訳なさそうにいう奏は

自分のスマホと俺のスマホを見せた

彼女がいると思い込んでた俺は

体から力が抜けるの感じた

画面をよく見ると

俺の恋はまだまだ続いてもいいらしい

やべ俺どんな夢見てんだよ

いくら影山くんが彼女いなかったって分かったからって

浮かれすぎだろ

図星

当ててくんな

俺は恥ずかしすぎて顔を下にやってしまった

今日ぐらい、

浮かれさせてくれ

とひとり心の中で自分に言った