かげよこ

影山くんに彼女がいないと分かり

俺はようやく正気を取り戻した

いつもより早く着いたらそこには影山くんが居た

いつも影山くんを見ていたからだろうか

影山くん少し元気がないのかなと思ってしまった

気のせいか…

俺は影山くんの正面に腰を降ろした

いつもはここから仕事の話をするが

影山くんから放たれたのは

予想外の言葉だった

避けてない

と言ったら嘘になる

避けてしまっていた

影山くんにそう思われてしまったことが申し訳ない

もういっそ言ってしまった方が

いや…でも…

やばい俺なにしてんだ

言うのは今じゃなくていいだろ

いや、なんで言うことになってんだよ

別に…言わなくていいだろ

この関係が

壊れてしまいそうで怖かった

みんな移動してるところで

影山くんが後ろから話しかけてきた

ここまで言われたら

もう言う時なのかもしれない

言って、終わりにしよう

そう決めた

撮影が終わった

それと同時に緊張が迫ってきた

ずっと思ってきた気持ちを

言うんだ…な

次々に事務所を出ていく

影山くんと俺だけ帰る準備をしなかった

そうばっきーが影山くんと話している時、奏が俺だけに聞こえる声で

みんなが居なくなって

一気に緊張した

影山くんはナチュラルに椅子に座り俺に話してきた

ほんとに、これでいんだろうか

これで間違ってないのか

この想いを本当に伝えていんだろうか

一気に今まであった自信がなくなってしまった

ガチトーンでえ？って言ったじゃないか

これで、終わりにするって

決めたんだから

久しぶりに影山くんと2人きりで

緊張した

自販機で暖かい飲み物を買った

影山くんに奢ってもらった

ベンチに腰を降ろした

そういえば…

夢のなかで告白した時も公園だった

あの結末…

迎えないよな…？

言う時が来てしまった

自分で迎えた結果だ

ちゃんとね！

やるからには

暖かい缶を持っているのに手は震えていた

缶を持って顔だけこっちにする影山くんと目が合った

目を逸らしそうになっても

なんとか逸らさないように

目に力を入れた

想いを伝える時が来たんだな

より実感した

息を吸う

目が合い続ける

缶を持った手の震えが

俺の鼓動を示していた