後ろを振り返ると見知らぬ女の子が立っていた

あんた竜胆君どーゆー関係な訳？

さっき馴れ馴れしく話してたじゃない

あっそ、じゃあ今後竜胆君と喋らないでね？

私竜胆君の事好きなんだよね、だから他の女の子と話してるとヤキモチ妬くし

そーゆー事だから分かったら話さないこと、次もし話してるの見かけたら

女の子が近づくと鞄の中から水筒を取り出す

これよりもっと酷いことするからね

じゃあね～

今日着いてな...お茶は掛けられるし服は濡れるし

濡れた上着を光の当たる所へ置く

1人でヘラヘラ笑ってると屋上のドアが開く

そこには小柄な可愛らしい少女が一人

鞄を漁ると「はい！」...とジャージを貸す

ヘラっと笑う

少し経っても返事が来ないので顔を覗くと

泣きながら涙愛にしがみつく

ゆりあちゃんは虐待 いじめ を受けてたらしい

教室にも家にも居場所がないからこうやって屋上で時間を潰してる

相談は聞いたものの...このまま放っとくのも可哀想だよね。

あっ...可愛い。

不意にそう思った

ゆりあが見てる方向を見ると

まずいまずいまずい...

顔面良すぎ！

って違う違う...今此処に来たら私の心臓が破裂する...！

いやっ...これも関係ねぇ

竜胆達の方を見る

なんか見てるー!?

流石にバレたか...？嫌でもそんな事は...

というか目あったし...やばいやばい

コツン...っと階段を上る音がする

んぇぇぇ!?何で此処に居るんですか！

いや嬉しいけども...跡ついてきてたの？

ん゛～...だとしたら可愛すぎなんだよっ...！

平常心...平常心...あぁいい匂いする

そう言うと階段を登り距離を詰める