E N D

ご本人様には関係ありません 青水、白水 結構ドロドロ注意 地雷の方はお引き取りください

ずっと差し出された手

僕はその手をぎゅっと握った

一言こぼした僕に前を歩いていたいふくんが優しく振り返る

分かるも何も

僕にそう尋ねながらそっと近づいてくる

また1歩詰めてくる

とうとう僕の目の前に立って、甘いマスクで微笑む

どこまでもキザでかっこいい人

そう、しょーちゃんといるのはすごく楽しい

それこそ時間を忘れるほどに

満足、だなんて

そんなこと言わないで

やめてよ

そんなこと言われたら

とっくに諦めた気持ちが

再び熱を持ってしまうじゃないか

泣きたくなんかないのに勝手に涙が出てくる

だってそうでしょ？

数年前に振られた相手に今更告白されるなんて

いふくんの言葉で過去を思い出す

いふくんは僕のことをそっと抱き寄せる

わかんない

わかんないけど

今のいふくんに溺れちゃったら僕が僕じゃなくなるような気がして

どことなく怖くて

そもそも僕としょーちゃんは付き合ってるんじゃなくてただのセフレだし

僕の指先に軽く口付けるいふくん

その瞬間僕の中で何かが崩れて

子供のようにぐすぐすと涙が止まらなくなった

頬を撫でるように涙を拭いながら

意地の悪い質問を投げかけるいふくん

ああ、こんなことするなんて

ぼくってほんとに性格悪いな

しょーちゃんごめんね

恋焦がれていたキスは

甘くなんてなくて

塩辛い涙の味がした

青水 𝑭𝒊𝒏.

？？？