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校舎の窓がオレンジ色に染まるころ、忘れ物を取りに教室まで行くと、教室には心逢と錯綜だけが残っているのが見えた。 黒板消しの粉が、夕方の光に舞っている。 教室には入らず、少し中を眺めようと思った。

ca

まだ帰らないの?

そう心逢が不思議そうに聞くと、錯綜はノートを閉じて少し困ったように、口元だけで笑った。

sk

うん。部活休みでさ。

“なんとなく”が同じだったのか、心逢はそれ以上聞かなかった。 チャイムはもう鳴り終わっていて、私のいる廊下側からは誰かの笑い声が遠くに聞こえる。 二人が並ぶ教室がやけに遠い世界みたいで、この教室だけ時間が遅れているみたいだった。

錯綜が立ち上がって、窓を少し開ける。 風が入ってきて、カーテンが揺れた。

sk

今日さ、数学できてたじゃん

急にそんなことを言われたからか、心逢は目を瞬いた。

ca

たまたまだよ。そっちは?

sk

俺は全然。こーちゃんが前で解いてるの見てた

見てた、の一言に心臓が跳ねる。 錯綜が見てたのは私でも黒板でもなくて、心逢だった。

二人が揃って教室を出ようとしたので、慌てて隠れる。 夕焼けが校舎を包んでいた。 靴箱の前で、錯綜は少しだけ立ち止まる。

sk

一緒に帰らない?

それは誘いというより、確認みたいな声だった。 心逢は一瞬迷って、それからうなずいた。 遠くから見る、2人が並んで歩く帰り道。 会話は途切れがちだったけど、沈黙は不思議と苦しくなさそうで。

信号待ちのとき、彼が小さく息を吸った。

sk

放課後、こうやって一緒にいるの、好きなんだ

紙袋は夕焼けで赤くて、どこまでが光でどこからが本心かもわからない。 でも、胸の奥がじんわり苦しくなった。

ca

………私も

2人には、それだけで十分だった。 信号が青に変わって、二人が歩き出す。 恋はまだ名前を持たないまま、放課後の中に静かに始まっていた。 私を置いて。

1つだけ理解した。

私は部外者。

2人の間に入れるのはきっとあの人くらいだろう。

私が零した溜息は、光に溶けていった。

sibu界隈の人に〇〇してみたッ

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