僕、nakamuはそこそこ有名なゲーム実況者グループに所属し、 そこのメンバーとシェアハウスをしている。 理由は色々、ハプニングを想定し、みんなで決めた事だ。
なかむ
問題はここからだ。 メンバーは男6人、むさ苦しくて恋に発展するなんてありえない、 と普通なら考えるだろう。 だが、 実は、僕の恋愛対象は男なのだ。
なかむ
ぶるーく
そして、僕は初々しくもたった今話しかけられているその男に 恋をしている。
なかむ
ぶるーく
みんなには僕の恋愛対象について明かしていない。 これでも結構気にしてしまう方でみんなに嫌われたら、 とずっと話せずにいた。
ぶるーく
なかむ
もし、言ってしまったらどうなるんだろう。 言ったところで嫌われるのは目に見えてるし、 この恋が叶うわけないし。
なかむ
最初はその深く蒼い瞳と癖のある栗色の癖っ毛に目を惹かれてただけだった。 そこから、優しさとか頼り甲斐があるところとか、 少女漫画みたいなベタな恋だけど、
太陽に照らされてほのかに照らす無邪気な笑顔に、 少し大きい手で頭を撫でられる時。 気づけば心臓は大きく反応して彼と居るとぱちぱちと視界が 煩いほどに騒いでいた。
でも、男同士、親友関係、そもそも僕は好かれる要素を持ち合わせていない。
あ、駄目だこれ そう気づくのにそう時間はかからなかった。
なかむ
きりやん
なかむ
何か奇跡でも起こって振り向いてほしいな
なかむ
ぶるーく
なかむ
突然振られた話題に分かりやすく驚いてしまった。 丁度テレビでLGBTについて芸人さんらが話し合っていた。 自分の事を言ってるかのようで少し怖い。 バレてるなんて事はないだろうけど。
ぶるーく
なかむ
なかむ
ぶるーく
少し期待を込めた質問には、 可もなく不可もないような曖昧な答えが返ってきた。
少しは可能性があると言えばそうかもしれないし、 ただの雑談で言った言葉に期待しちゃいけないとも思う。
でも、少しで可能性があるなら、諦めたくはない。
きっとぶるーくとなら、アレにはならない 直感がそう言ってるから。
でも、また僕は自分勝手に相手を傷つけるのか、
“蛙化現象”だから都合のいい言い訳を並べるのか
思い浮かんだのは、ぶるーくの酷く傷ついた顔
なかむ
諦めろ、と脳が警告するかのように頭痛がする。
そもそもぶるーくが、僕に振り向く訳ないし。
なかむ
ぶるーく
なかむ
ぶるーく
ぶるーくは分かりやすく落ち込んで、本気で心配してくれてる。 でも、心配されるほど僕はそんないい奴じゃない。
なかむ
ぶるーく
なかむ
ぶるーく
横を見て彼の顔を覗く。いつも通り人懐こい笑顔。 今は、そんな勘違いさせるような嘘を言うのはやめてほしい。 諦めようと頑張ってるんだから。
なかむ
ぶるーく
なかむ
ぶるーく
再度彼の顔を覗くと、今度は真剣で真っ直ぐ僕を見ていた。
もしかしたら本当に冗談じゃないのかも、 と決意が揺らぐ。 諦めるってやっと決意したのにこんなのあるかよ。
そのとき、心臓が大きく波打って ぶるーくの事嫌いかも、なんて感情が覗く。
だめ、ぶるーくを嫌いたくない、 嫌われたくない、傷つけたくもない。
覗く黒い渦を沈めるように軽くため息をしてから笑顔を顔面に貼り付けた。
なかむ
ぶるーく
適当な事言って、何か言いたげなぶるーくを無視して 自室に逃げた。
コメント
2件
ありがとうございます……っ!!
ああぁああ…好きですぁ…っ😇👏