テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
チャイム音が鳴ると、
教室の空気が一気に緩んだ
机を引く音と笑い声が重なって、
放課後が始まる。
のあはカバンを肩にかけ、自然に隣を見る
のあ
それはもう、確認でも誘いでもなかった
言わなくても分かってること、
口に出しただけ。
うり
短い返事。
それでも、
ちゃんと待ってくれるのが分かっている。
昇降口を出て、並んで歩く。
校門を抜けて、信号を渡って、住宅街に
何年も変わらない、いつも通りの道。
のあ
のあが何気なく言うと、
うりは少し間を置いてから答えた。
うり
のあ
その言葉に、うりの足が一瞬だけ
止まりそうになる。
うり
のあは気づかない。
その"ちょっと不便"の裏に、
うりがどんな気待ちを隠したのか。
夕方の風が、制服の裾を揺らす
並んで歩く影が、
アルファルトに伸びて重なる。
のあ
うり
のあ
他愛のない会話
笑うタイミングも、歩く速さも、全部一緒
ふと、のあが石につまずきかける
のあ
その瞬間、手首を掴まれた。
うり
近い。
思っていたより、ずっと。
掴まれた手から、熱が伝わってくる
心臓が、少しだけうるさくなる。
のあ
うり
すぐに離れる手。
でも、離れたあとも、
その感覚が消えなかった。
家の前に着くと、のあは立ち止まる
のあ
うり
いつもと同じ別れの言葉。
なのに、少しだけ名残惜しい
のあが玄関に入るのを見届ける
うりは1人、帰り道を引き返す。
うり
のあには、言えない
"幼なじみ"という距離が、壊れないように
その一方で、
のあは部屋のベッドに倒れ込んでいた。
のあ
手首に残る、さっきの感触。
胸の奥の、落ち着かない感じ。
それが何なのか、まだ分からない。
ただ1つ分かるのはー
放課後の帰り道が、
前より少しだけ、特別に感じたこと