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ホームルームの途中で、
担任が黒板に大きく文字を書いた。
先生
その一言で、教室がざわっと揺れる
のあは何気なく前を見るふりをしながら、
隣をちらっと見た。
…席、変わるんだ
今までずっと隣だったのに。
そう思った瞬間、胸の奥がきゅっと縮む
先生
列に並びながら、のあはくじを握りしめる
別に、うりの隣じゃなくなっても 困ることはない。
ーはずなのに。
髪を開く
のあ
自分の新しい席を確認して、
今度はうりの方を見る。
うりは少し離れた席だった。
同じ列だけど、前後も違う
声をかけるには、少し遠い。
のあ
のあがそう言うと、
うりは一瞬だけ目を伏せてから頷いた。
うり
その言葉が、いつもより少しだけ
淡泊に聞こえた。
授業が始まる。
前なら、分からない所はすぐ聞けたのに
今は、振り返らないと目も合わない。
黒板の文字を書き写しながら、
のあは何度も無意識に隣を見てしまう。
ーいない
それだけで、集中できなくなる。
休み時間
前なら自然に話していたのに、
今は声をかけるタイミングを探してしまう
なんで…?
ただ席が変わっただけなのに
それなのに、落ち着かない。
一方で、うりも同じだった。
後ろから見えるのあの背中
声をかけようとして、やめる。
今までが近すぎたからこそ、
この距離が、やけに目立つ。
放課後
放課後
昇降口で、のあは立ち止まった。
のあ
少し間があってから、うりは答える。
うり
並んで歩き始めるけど、
教室でできた距離が、
そのまま残っているみたいだった。
のあ
のあが言うと、うりは苦笑いする。
うり
その言葉に、のあは小さく首を振った。
のあ
ぽつりと零れた本音
うりが驚いたようにのあを見る。
うり
のあ
慌てて誤魔化す。
自分でも、なんでそんなことを言ったのか
分からなかった。
家の前で別れる時
のあは少しだけ振り返った
のあ
うり
その声が、いつもより優しく聞こえた。
部屋に戻ってから、
のあはベッドに座り込む。
のあ
寂しいなんて、思うはずない。 幼なじみなんだから。
ーそう、思っていたのに。
隣にいないだけで、 こんなに気になるなんて。
のあはまだ知らない。
この違和感が、
"恋の始まり"だということを。