麗
もう、出てきてもいいよ。
────────────
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いいの?
麗
いいよ、連れも寝たし。
麗
声出して喋っている訳じゃないから。
麗
……君は、”私”なんでしょ。
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うん。
麗
私、はいつから?
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君は、私が───
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現実から逃げる為に出来た。
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あの日───両親が死んで部屋に引きこもることをやめた日。
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その時に出来た。
麗
そう……
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ごめんね。
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今更出てきて。混乱するよね。
麗
いや、しないよ。
麗
だって、ずっとがんば……いや、なんだろう……
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いいよ。「頑張ってる」で。
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他人から無責任に言われるのが嫌なだけで、君は他人じゃないから、大丈夫。
麗
───頑張ってくれてたんだよね。
麗
私は分かった気になってただけだった。知ったかぶりしてた。ごめん。
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君はちゃんと分かってくれてた。
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君は私と変わらない……
少し違うかもしれないけれど、”私”でいてくれた。
少し違うかもしれないけれど、”私”でいてくれた。
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だから私が逃げれた。
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ありがとう。
麗
今まで通り、これからも君が表に出なくていいようにするから。
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無理して壊れないで。十分休ませてもらったよ。
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もう、十分逃げた。
麗
また、話を聞いて。
「話を聞く」、それだけで十分。
「話を聞く」、それだけで十分。
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……分かったよ。
君は私。
私は君。
私は「強がり」。 1人は嫌だ。それなのに1人になりに行く。
君は「強い」 何も分からないのに、”私”になってくれた。
私は「凡人」 何も凄いことなんて出来ない。 人より優れていることなんて何も持ってない。
君は「不屈の精神」 味方が居ない時だって、諦めずに前に進んだ。
私は「罪」 現実から逃げて、君を作り出した。
私は「罰」 仕事だとは言え、世間に許されないことをしてきた。 そして、これからも重ねる。
───君を救う為に。
知ってる?
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罪と罰は
麗
「仲良し」なんだ。
─────────
遊
麗さーん?
遊
おーきーてーよー!!
遊
麗さん!
麗
……なに?
遊
もう少しで着くって。
さっきの緑のお姉さんが伝えに来てくれた。
さっきの緑のお姉さんが伝えに来てくれた。
麗
嗚呼……
───寝てた、のか。
麗
いつ来たの、カリストは。
遊
んーと、10分前くらい?
遊
「人前で寝るなんて……」ってビックリしてたよ。
麗
あんたはいつ起きたの。
遊
うーんと、30分前くらい?
麗
そう……
麗
コレ、渡しとく。
遊
なに?この紙。
麗
私の伝言。
麗
君はきっと日本に1回強制帰国される。
遊
え?!
麗
巻き込むのは悪いと思っているからそれを渡してるのよ。
麗
強制帰国されない事を祈っていなさい。
麗
───黒い方は君を駅から送ってくれる人に。
麗
白い方は……日本に帰らされてから、困った時に「立花禮」という人を訪ねて渡しなさい。
麗
1回くらいなら希望を聞いてくれるわ。
麗
訪ねるべき住所も書いてあるから。
遊
……分かった。
遊
ありがとう。
麗
さて、行きましょうか。
麗
───寒いわね。
カリスト
そんなコート1枚なら当然でしょ。
麗
やっぱりかぁ……
麗
どっかで買わないとね。
カリスト
オススメの店を紹介するわ。
麗
助かる。
遊
うわ!寒っ!!
カリスト
彼は送り返す、で本当にいいの?
麗
ええ。我儘だけどなるべく早めに関わらず送り返して欲しい。
その役目は私が。
Моя богиня.「私の女神」
麗
女神はやめてって言ってるよね?
───ガニメデ
───ガニメデ
麗
君までなんで私を神聖視するの……
ガニメデ
敬愛すべきお方だからですが。
麗
……聞いた事あるな、それ。
麗
まあいいや。無事に送り返してあげて。
ガニメデ
かしこまりました。
ガニメデ
すぐに終わらせ、イヨよりお役に立ってみせます。
カリスト
競わないで。
ほんとね〜誰が止めると思ってるのよ。
麗
エウロパまで……
麗
真逆皆さん揃ってるの?
エウロパ
久しぶり〜!ノワール〜!!
麗
久しぶり。
エウロパ
イヨは仕事が忙しいんだって〜
エウロパ
この中で一番来たそうにしてたよ〜
麗
大変だね。
エウロパ
私はそれほどでもないよ〜?
ガニメデ
ノワール様に近づくな!
エウロパ
はぁ?何、あんた。
エウロパ
私とノワールの感動の再会を邪魔しないでくれる?
ガニメデ
またお前は敬称を付けずに軽々しく呼ぶ!
エウロパ
仲良しだからいいのよ!
あんたの方が迷惑がられてるけど?
あんたの方が迷惑がられてるけど?
カリスト
誰が止めるのよ……
麗
大変だーね。
麗
エウロパはどんな用でここに?
エウロパ
コイツとノワールに頼まれた子を送り返すのよ。
エウロパ
カリストを通して連絡してくれて助かったわ〜
エウロパ
ノワールにも会えたし、イヨに全部仕事押し付けられたし!
麗
(海斗も海斗で大変だ……)
麗
あー……ありがとう?
エウロパ
どーいたしまして!こんなヤツと一緒に居たくないけどノワールの為に頑張るわ〜!
ガニメデ
お前!
カリスト
はぁ……
麗
……ガニメデ、エウロパ。そこまで。
麗
これ以上続けるなら……君達のその暖かそうな服脱がせてから雪に埋めるよ?
ガニメデ
あー……
エウロパ
……命拾いしたわね!
カリスト
───ありがとう。
麗
いえいえ。
遊
麗さん!
麗
何?
遊
俺を置いてくチャンスなんて幾らでもあったのにここまで連れて来てくれてありがとう。
麗
別に。
麗
───探し物は見つかった?
遊
まだだよ。でも、麗さんのお陰で少し近づいた。
遊
麗さんのおかげで「捨てずに持っててもいい」って思えた。
遊
麗さんが嫌って言いながら昔話をしてくれたから。
捨てずに、忘れずに持ってても前を向けるって知れた。
捨てずに、忘れずに持ってても前を向けるって知れた。
麗
忘れることは簡単。
麗
でも、忘れてしまっては何も残らない。
麗
辛くても持ってていいと思う。
遊
ありがとう。
ガニメデ
では、ノワール様。次は暖かい場所で会いましょう。
麗
そうね。
麗
遊。
遊
え?俺の名前……覚えてた、の?
麗
”お兄”に宜しく。
遊
はーい!お兄さんね〜
遊
え!お兄って誰?!
麗
私の苗字、「立花」
遊
え?どういう……
麗
じゃあ、気をつけて帰るのよ。
麗
また、会えたら会いましょう。
カリスト
行きましょうか、こっちよ。
ガニメデ
お前も行くんだ。
遊
……はーい
華
お疲れ様でした。
華
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
華
今年もこのside麗共々、「マフィア物語」シリーズという拙作を読んでいただけるとありがたいです。
華
まだまだ書きたいものが沢山ありますので、楽しみにお待ちいただけると幸いです。
華
彼は無事に帰れたのでしょうか。
華
よろしくと頼まれた「お兄」には会うのでしょうか。
華
いつか書けたらいいなと思ってます。
華
では、また次回お会いしましょう。