悠佑
あいつの“本当の種族”は……
千夏
はい……。
アニキ〜?
千夏
(ビク!
裏卜
保母さん知らない?…って、ここにいたんだ!保母さん。
悠佑
な、なんだ…裏卜か……。
裏卜
?
裏卜
ごめんね、保母さん。朝ごはんまだ食べれてないでしょ?
千夏
あ、はい。
裏卜
あの3時頃に山道歩く約束してちょっと時間経った後、朝ごはん持っていってあげようとしたんだけどさ、色々あって…。
千夏
(色々…。)
裏卜
今はもう平気だから、居間の方で食べよっか。
悠佑
良かったな、千夏!
裏卜
アニキ、なんでここに保母さんが?
悠佑
ちょっと話そうと思ってな。
裏卜
ふーーん……。
悠佑
(事実を話すにはあまりにも良い歯止めがねぇな…。今は黙っておくか。)
裏卜
食事持ってくる〜。
千夏
は~い。
千夏
(あの後どうなったんだろう……。)
仏
おはよ〜……(=_=)
千夏
あ、仏さん。おはようございます。
仏
もう大分遅いけどねw
仏
保母さんは、これからご飯なの?
千夏
はい。
仏
んじゃあ、保母さんの隣行こー。
千夏
!!??……///
仏
(……かわいい。(ストン)
仏
(ストン……?どうしたんだろ、僕…)
裏卜
持ってきたよ。って、ほとけっち起きてくるの遅すぎ。もう昼時だよ?
仏
眠たいもんは眠たいんだよりうちゃん。
裏卜
ほんと呆れる…。
仏
え。
千夏
すごい美味しそう…✨️
千夏
いただきます!
裏卜
召し上がれ!
仏
僕には?
裏卜
今従者たちいないから自分で作りな。
仏
なんか僕にだけ当たり強くない?
裏卜
日頃の行いってやつ!
千夏
ふふっw
千夏
それ悪い意味で使う言葉じゃないですよw
仏
保母さん!?笑わないでよ!
千夏
ふははwかわいいな〜…。
仏
はっ?////
仏
(かわいい……か。かわいい……。)
裏卜
……。(察してるやつ
千夏
ん?(仏が照れてるのはわかるけど、自分が照れさした自覚ない人。
千夏
そういえばみなさんって、必ずしもこのお屋敷に居るわけじゃないんですね。
仏
そうだね。みんな妖怪たちの大黒柱的存在だから、色々あるんだよ。
裏卜
従者たちも俺等についてくるから、お屋敷に誰もいない状態は心配なんだよね。だから、雑用を引き受けてもらえるのはすごい助かるんだよ。
仏
あ…、そんなこと言ってたら仕事の時間だ。
仏
いってきまーす!
千夏
いってらっしゃい!
仏
(…どうしよう。)
仏
(保母さんの一挙一動が…かわいい。)
裏卜
(ほとけっち大丈夫かな…。)
裏卜
もう3時になるから、俺達も出発しようか。
千夏
はい!
千夏
おぉ~…。
裏卜
お屋敷出ると、すぐ大通りに出れるんだ。
千夏
(あの後が気になりすぎる…裏卜さんに聞くべきか?どうしよう……)
裏卜
保母さん?
裏卜
大丈夫?なんか悩み事?
千夏
え。
裏卜
なんか思い詰めてそうな顔だけど…。
千夏
えーと…
裏卜
…もしかしてさ、
裏卜
“聞いてた?”
千夏
えっと、聞いてたっていうのは…。
裏卜
色々あったってやつ…。
千夏
…聞いてました。
裏卜
どこまで聞いてた?
千夏
“千夏さんの心が清らかで…”ぐらいですかね。
裏卜
…そっか。
裏卜
実はあの時、保母さんが居るのはわかってたんだ。
千夏
あぁ…だから聞かないでおいてくれたんですね。
裏卜
保母さん怖がってたみたいだから…。
裏卜
保母さんは、無かった事にしたいのか、それとも誰かに相談したいのか、それとも……
裏卜
俺達から離れたいのか。それがよくわかなくて、言う場面がこんなになっちゃった……。ごめん。
千夏
いえいえ!私が勝手に怖がってただけですし…裏卜さんが謝ることなんて一つもないですよ!
千夏
むしろ、そこまで私のことを思慮してくださって、嬉しいです!
裏卜
優しいね…。
裏卜
ないくんのことは、どう思ってるの?
千夏
うーん…まだ無仔さんのことはよく知りませんけど、私から言えることは…
千夏
ありがたい…ですかね。
裏卜
ありがたい?
千夏
無仔さんのお陰で今私は保身ですので、それを感謝したい気持ちが強いんです。
千夏
そんな無仔さんの本当の種族を知ったとしても、私は受け入れます。みなさんも、私のことを受け入れてくれる様に。
裏卜
……わかった。ないくんに言っとくよ。
裏卜
話してくれて、ありがとね!“千夏”!