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星のごとく輝く魔法

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星のごとく輝く魔法

28 - 第28話 あの旅の記憶

♥

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2025年02月16日

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数百年前

私が旅を始めて、2年が経とうとしていた

アストレア

アストレア

(遠いとは聞いてたけど、ここまでとはね…)

アストレア

…まぁ、時間は有り余ってるんだし、いっか

魔王が住む城は北側諸国の遥か北にある

私は魔王が住む城へ向かっている

アストレア

まさか、本当に、倒しに行くことになるとはね

アストレア

しかも、一人で

アストレア

アストレア

でも、変わったこともあった

私は昔から人に興味がなかった

だって、寿命だって、私たちの種族が長生きしたとしても30分の1にも満たない

どうせすぐ死ぬんだし、

そう思ってた

だから、私はどれだけ勧められても、弟子を取ろうとは思えなかった

だって、いずれ、必ず別れの時はやってくるから

それに、もう誰も、失いたくなかった

私の村は、魔王族によって滅ぼされた

両親も仲間も、何もかも失い、残ったのは私一人

そんな時、助けてくれたのが、

アストレア

"ししょー"

ほら、そこのエルフ

"ししょー"

泣いてばかりいないで、少しは私のために生きろ

アストレア

…生きる、、

"ししょー"だった

それが私と"ししょー"との出会い

"ししょー"

君たちは十分魔力を持っている種族のようだ

"ししょー"

特に君は、飛び抜けてね

アストレア

それぐらい、エルフなんだし普通だよ…

"ししょー"

でも、君は魔力がたくさんあることを隠して生きていかなきゃいけない

アストレア

どうして

"ししょー"

魔王族を欺くんだ

アストレア

アストレア

…これで、いい

"ししょー"

そうだそうだ、そうやって、魔力を制御しろ

"ししょー"

一生な

アストレア

えぇ、これ、結構疲れるんだけど…

"ししょー"

一生かけて、魔王族を欺け

アストレア

毎日たくさん修行をした

時には上手くいかず、挫けそうにもなった

そんな時、"ししょー"はいつも、お気に入りの場所に連れて行ってくれた

それは

"ししょー"が作った瑠璃花の花畑だった

アストレア

この花、瑠璃花だよね

"ししょー"

あぁ、結構最近見つかった品種なんだよ

"ししょー"

綺麗だろー

アストレア

うん

"ししょー"

____。

アストレア

わぁ、瑠璃花の花畑と星を出す魔法、

アストレア

こんなの、魔導書のどこにも載ってない

"ししょー"

そうだよ、だってこれは

"ししょー"

私が作った魔法なんだから

私はこの時、初めて魔法が綺麗だと思った

"ししょー"

綺麗だろ

"ししょー"

魔法って、綺麗なんだよ

"ししょー"

普段は魔物や魔龍を倒すための武器に過ぎないけど、

"ししょー"

本来の使い方をすれば、こんなに綺麗なんだよ

"ししょー"

私は、それを君に、アストレアに教えたかった

アストレア

アストレア

アストレア

…そうだね、とても綺麗だ

アストレア

アストレア

(そうだよ、魔法は綺麗なんだ)

アストレア

アストレア

早く終わらせて、こんなことしなくてもいい世の中にしたい

アストレア

平和が訪れたら、きっと、

アストレア

綺麗な魔法しか使わなくていいようになる

アストレア

武器じゃなくなる

アストレア

私が、世界を、魔法を、変える

そんな決意をした私は、

わりとあっさりと魔王を倒してしまった

そこまでは良かったんだ

私は魔王を倒したら、

綺麗な魔法をたくさん作って、皆に教えようと思ってた

そして世界中のまだ知らない魔法を集めて研究したいと思っていた

でも、どうして、

アストレア

どうして、こんなことに…

そう、世界に平和を取り戻した私は、

王にそのことが評価され、城に住まされるようになった

アストレア

私、魔法集めしに行きたいんだけど…

王様

まぁ、そんなことは言わず、ゆっくりしていってくれ

アストレア

アストレア

(閉じ込められてる…)

そう、城の外に出ることを許してもらえなかった

そうして、数年の時が流れた時、

この退屈すぎる時間がこんなに嫌だってことに気がついた

こんな自分の人生にとっては、少ない時間なのにね

だから私は、

抜け出した

そうして私は遠く離れた森の奥の、

私を信仰していた教会の跡地に強力な結界を張り、

過ごすようになった

そして数百年たったある時、

私が仕留めきれなかった魔物が子孫を残し、繁栄し、村を壊していることを知った

すぐさま森を抜けた小さな村に向かった

もう、遅かったようだ

村は壊され、人は外に倒れていた

辺りを歩いていると一人の少女とその母親らしき人を見つけた

もうその母親は息をしていない、

感覚で分かってしまった

そして、その少女は泣いていた

あの時の私のように

アストレア

アストレア

(同じことは、させたくない)

アストレア

(それに、少ないけど、魔力があるみたいだ…)

アストレア

(魔法が綺麗だって、教えたい)

そう決意した私はその子を拾い弟子にし、魔法使いとして育てていくことを決めた

あの時の"ししょー"のように、ね

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