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七夕のあの日のことは、

今でも脳裏に焼き付いているの。

7月7日。

七夕。

私には付き合っている彼がいた。

その日は丁度七夕祭りで、

彼と行く約束をしていた。

佑美

それでさぁ…

佑美

って聞いてるの?

え、あ…

ごめんごめん。聞いてるよ。

佑美

久しぶりのデートなんだからちゃんとしてよね。

佑美

最近何かと用事ばっかだったでしょ?光。

うん。本当にごめんね…

急に大事な人と会う約束があったりしてさ…💧

佑美

大事な人ね…

佑美

親戚かなんか?

佑美

まぁいいけど…

佑美

とにかく今日はとことん付き合ってねー。

了解。

楽しもうか。

数分後。 私達は大きな笹の前にやってきた。

佑美

わぁ、短冊がある…!

佑美

2人で書きにいこうよ!

え、あぁ…

佑美

もう、スマホばっかいじらないでよ…

佑美

何してるの?

いや、何も?

ところで何が食べたいんだっけ?

佑美

食べたいなんて言ってないわ。

佑美

短冊書きに行こうって言ったんだけど…?

あ、ごめんね…書こう。

佑美

うん。

彼は様子が変だった。

だけど、具合が悪いだけだって… 見過ごしていたんだ。

佑美

よしっと✨

私は短冊を書いた。

願いが叶うことを願って。

『光が━━━。』

私は光に聞いた。

佑美

光は何をお願いしたの?

え?

秘密だよ。

言ったら面白くないでしょ?

佑美

そうだけど……

だから秘密。

佑美

そっか、

佑美

光の願い…叶うといいね!

叶うよ、

きっとすぐに………

私達はその後、ゆっくりと屋台を巡った…。

七夕祭りは終わりを迎え、 私達は暗い夜道を歩く。

佑美

光。楽しかった?

楽しかったよ?

佑美

本当に?

うん。

でも少し疲れたよ…

佑美

そっか、

佑美

無理してたんじゃない?

佑美

ごめんね、無理やり突き合わせて…

うん。大丈夫。

もうこれで終わりだから。

佑美

そっか、本当にごめんね。

佑美

明日はゆっくり休んでね。

もちろん。

ゆっくり休むよ。

思う存分縛られずに…

佑美

え…?

彼の何気ない1言に引っかかった。

縛られる…?

どういうことだろう。

佑美

光?

何?、

佑美

本当に光は、私といて

佑美

楽しかった?

佑美

お願いごとは、すぐに叶ったの?

願い事…?

佑美

言ってたよね、笹の前で。

佑美

すぐに俺の願い事は叶うって。

佑美

ちゃんと叶った?

まだ叶ってないよ。

佑美

そっか…

佑美

なら私叶うように応援する…

佑美

光のお願いが何かわからないけど……

佑美

私頑張って手伝うよ…

本当に?

佑美

え?

本当に佑美は俺の願い事が叶うことを……

望んでくれる?

佑美

もちろんだよ!!

佑美

光の願い事…

佑美

叶ってほしい…

そっか、

なら…叶えてもらおうかな……

佑美

佑美

え?

光はゆっくりと私に近づいた。

私はきゅっと目を閉じた。

何かを…期待していた。

だけど次の瞬間…

その期待はどん底に落とされる。

それどころか……

私は何が起こったのかわからなかった。

じんわりとお腹の辺りが熱くなった。

私は慌てて目を開ける。

滲む視界で捉えたのは、

赤く染まる私の手と、ナイフと、腹部。

佑美

え……

ゆっくりと視線を上げると、 光の姿が見えた。

よかった、佑美も望んでくれてたんだね。

俺の七夕のお願い事。

その時の彼は…狂ったように 微笑んでいた。

俺も佑美の願い事が叶うように…願ってたよ。

俺の本当の願いはね、…

『佑美が死にますように』

なんだ。

そこから意識はない。

脳裏に焼き付いているのは、

赤い血に満ちた景色と、

彼の笑顔………

そして、

私の願い事。

佑美

光が……笑って…くれますように……。

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51

コメント

6

ユーザー

みかげちゃん! ありがとう🤗みんな同じ反応だ笑願い事叶ったから一件落着!!爆笑

ユーザー

めちゃめちゃ面白かったです! 最後の展開が… でも、二人の願いが叶ってよかったです!(違うか

ユーザー

桜吹雪 ありがと!!!今回はいつもより手抜きなんだけど、逆効果だったみたい!もっと頑張る!!

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