天使に口付け 桃青

傷だらけの体をさすりながら湯船に浸かる

少し体がぴりぴりと染みるのが感じた

絡んできた青髪と橙髪の男2人

もちろん、周りの目線が刃のように痛々しかった

明日がどんな目に合うのか

気にしまくってる

殴られたり、水をかけられたり

この季節水なんぞかけられたら凍るほど寒いし傷口にも染みてくる

明日の事を考えるだけで吐き気がしてくる

考えるのをやめて湯船から上がった

当たる度道具がガシャガシャと音を立てる

朝余り登校生が少ない時間帯に呼び出すのもわかりきっていた

またやられるんだ、ってね

振動が頭にまでくる

そうだ、どうせ死ぬんだ

俺は体が弱かった

すぐに病院にいったり

1週間に1回は通うペース

そしてついには余命宣告

いまここで死んでしまった方がマシなのかもしれない

その時だった

ﾊﾞﾝｯｯ!!!!!ｶﾞﾀﾞﾝｯｯｯ!!!!!

入口の方を見ると無様に曲がった教室の扉が5mほど飛ばされていた

確かにこいつらは鍵を閉めたはず

それを壊してまでここにくるやつがいた

楽しそうにしてた顔が一気に青ざめていた

床に座り込み、体を震わせていた

女子にだろうとお構い無し

胸ぐらではなく、制服のネクタイを掴み軽く宙に浮かせていた

胸ぐらを掴まなかったのは優しさがある

扉を壊し、ネクタイを掴まれて

おまけに低い声と表情で脅される

そりゃ泣くわな

俺をこんな目に合わせた常習犯

そう、青髪と橙髪の色をした2人だった

綺麗だった目の色は少し変わっているような気がした

ネクタイを離し手を払ってる姿はヤンキー

いや、ヤクザのように怖かった

共感のあまりあいずちをうってしまった

もちろんめちゃくちゃ驚いてる

表情が豊かだな...

その瞬間、何かが変わった気がした

青の顔はいつもの犬顔ではなくなり

驚くほど怖い顔をしていた

そう俺に頭を下げて急いで教室を出ていった

確かに目を見てみると透き通るような青い目は吸い込まれそうなぐらい綺麗な赤い目になっていた

動揺している2人の姿を見てまったく状況が理解できなかった

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