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拷問の理由

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拷問の理由

1 - 拷問の理由

♥

2,070

2020年04月12日

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この作品は

虐待、暴行またその他の 非常に不快な表現を 鮮明に描写しております

どうかその事をご理解の上 お読みください

ツプッ…

???

ひがゃっ…!!

???

ながぎゃあああっ!!

ズブプッ…

???

があああああぁああぁっっ!!

???

ひぎゃあああああああああぁぁっっっ!!!

谷中 つぎお

……色々考えたんだが

谷中 つぎお

これが相当効くんじゃないかと思ってね

ズプブププッ…

???

ぎぃやああああぁぁ!!

???

あっはっあっっ…!!

???

ああああああっっっ!!

谷中 つぎお

どうだ?

谷中 つぎお

やっぱり効くか?

谷中 つぎお

指と爪の間に針をぶっ刺すのは…

谷中 つぎお

痛いか…?

谷中 つぎお

耐え難い痛みか?

???

はっはっ…や、やめっ…

ズプブププッ…ズズッ…

保育士の男

ぐぎゃあがあっぎぃやああああっ!!

谷中 つぎお

怖いか?

谷中 つぎお

痛みと共に

谷中 つぎお

ちゃんと恐怖も感じてるか?

???

はっあっはっ…

???

い、いや…やめっ……

???

ああああああ…!!

谷中 つぎお

どうだ?

谷中 つぎお

目隠しをされ見えない中

谷中 つぎお

いつ

谷中 つぎお

どの指に

谷中 つぎお

針を刺されるかわからない恐怖は?

ズプッ…ツププププ…ズププ…

???

はあぎゃあああああああああああああああああああっっっっっ!!!

風見 警部

私にはわからないんだがね

風見 警部

なぜ君が

風見 警部

こんな愚行を犯したのかを

風見 警部

良ければ

風見 警部

全て教えて貰えないか?

谷中 つぎお

ええ

谷中 つぎお

いいですよ

谷中 つぎお

ですがもう一度だけ確認しておきます

谷中 つぎお

この会話は録音、録画など

谷中 つぎお

一切の記録は…

風見 警部

ああ

風見 警部

約束通りしていない

風見 警部

この会話は約束通り

風見 警部

私だけしか聞いていない

谷中 つぎお

わかりました

谷中 つぎお

それならば

谷中 つぎお

何一つ偽りなく

谷中 つぎお

全て話しましょう

一ヶ月前

巡査

被害者は

巡査

谷中 祥子

巡査

27才の女性です…

風見 警部

……そうか

風見 警部

家族構成は?

巡査

夫とあと、お子さんが1人います

風見 警部

そうか…

風見 警部

それで

風見 警部

第一発見者は?

巡査

被害者の夫の弟です

風見 警部

つまりは

風見 警部

この女性の義理の弟にあたるというわけか…

巡査

はい

巡査

この家に遊びにきた所で発見したもようです

風見 警部

名前は?

巡査

谷中つぎお

風見 警部

で?彼は今何処に?

巡査

それが…

巡査

通報があってから

巡査

我々が現場に到着した時にはもう…

風見 警部

居なかったと?

巡査

はい…

風見 警部

ふむ…

風見 警部

とりあえず

風見 警部

その谷中つぎおを参考人として手配しといてくれ

巡査

あ、はい

巡査

もうすでに探してます

風見 警部

……

風見 警部

……しかし

風見 警部

これは…

風見 警部

酷いな…

巡査

はい…

巡査

酷いなんてもんじゃないです…

巡査

私情ははさむべきではないとは思いますが

巡査

殺害し、遺体を目茶苦茶に切り刻み…

巡査

さらには強姦まで…

巡査

……

巡査

これはあまりにも……

巡査

……

巡査

一応被害状況を詳しく説明しましょうか?

風見 警部

……いや

風見 警部

調書に書いといてくれればいい

風見 警部

後で目を通しておくから

巡査

はい

巡査

……あ!

巡査

そういえば…

風見 警部

巡査

被害者の女性の

巡査

体の一部分だけ

巡査

見当たらないんですよね…

風見 警部

一部分だけ…?

巡査

…はい

風見 警部

犯人がこの女性の体の一部分だけを持ち去ったと?

巡査

その可能性があります

風見 警部

そうか…

風見 警部

……

風見 警部

とりあえず

風見 警部

第一発見者の谷中つぎお

風見 警部

彼を至急見つけてくれ

巡査

はい

風見 警部

我々は君を必死で追った

風見 警部

いっこうに見つからなかったがね

谷中 つぎお

そうでしょうね

谷中 つぎお

あの時はあなた達に捕まらないように

谷中 つぎお

家にも帰らず

谷中 つぎお

転々としてましたからね

風見 警部

しかし解らないんだよ

風見 警部

なぜ君は我々からあんなに逃げたんだい?

風見 警部

だって君は犯人ではないだろ?

風見 警部

なぜ逃げる必要があったんだ?

谷中 つぎお

……

風見 警部

はじめは私も犯人は君だと思っていたんだよ

風見 警部

被害者の女性のお子さんが通っていた保育園で

風見 警部

何故か君の目撃情報がちょくちょく入ってくるし

風見 警部

犯行現場のあの家に

風見 警部

君の指紋がべっとりと至るところについていたしね

風見 警部

それはもう不自然なほどに…

風見 警部

何故か家の住人よりも

風見 警部

君の指紋の方がハッキリとべったりとついていたからね

風見 警部

だがある日を境に

風見 警部

状況は一変した

風見 警部

君にはあの犯行は

風見 警部

実行不可能なことがわかったからだ

谷中 つぎお

……

風見 警部

君があの日

風見 警部

あの家に行く際

風見 警部

偶然スマホで外を動画撮影していた者がいて

風見 警部

そこに君の姿がハッキリと写っていた

風見 警部

そして

風見 警部

その動画で君の姿が写ってから

風見 警部

君が警察に通報するまでの間

風見 警部

約5分だ

風見 警部

わずか5分やそこらで

風見 警部

あの家まで行き

風見 警部

あそこまでの犯行は

風見 警部

絶対に不可能だ

谷中 つぎお

……

風見 警部

そしてその後に

風見 警部

別の容疑者が浮かび上がった

風見 警部

それは

風見 警部

被害者の女性のお子さんが通っていた保育園の保育士だ

風見 警部

なぜならば

風見 警部

君が写っていた動画に

風見 警部

走り去っていくその保育士の姿も写っていたんだよ

風見 警部

だが…

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

その保育士にも決定的な証拠がない…

谷中 つぎお

でしょ?

風見 警部

…そうなんだよ

風見 警部

彼にはあの日、
動画であの家の前の通りを走り去ったという事実があるだけで

風見 警部

犯人という証拠が一切出てこないんだ

風見 警部

だが君は…

風見 警部

君は見たんじゃないのかね?

風見 警部

あのタイミングだと

風見 警部

あの保育士が被害者の家から出てくるところを

風見 警部

君は目撃したんじゃないのかね?

谷中 つぎお

……

風見 警部

そしてその後

風見 警部

なぜかあの保育士も

風見 警部

君と同様に…

風見 警部

姿を消した?

巡査

はい

風見 警部

谷中つぎおに続いて

風見 警部

その保育士もどこかに消えたと?

巡査

はい

風見 警部

どうなってんだ…クソッ…

風見 警部

……

風見 警部

第一発見者に話をきこうとしても

風見 警部

つかまらない

風見 警部

別の容疑者が出てきたと思ったら

風見 警部

今度はその容疑者が消える…

風見 警部

何だこれは…?

風見 警部

何かにうまくかわされているような感じがする…

巡査

そうですよね…

巡査

我々は

巡査

谷中つぎおを捜索していたせいで

巡査

こっちの保育士の方はちょっと対応が遅れた感がありますもんね…

巡査

実際後手後手を踏んでますよ…

風見 警部

今思えばだが…

風見 警部

君はわざと

風見 警部

仕向けたんじゃないのかね?

風見 警部

「犯人は自分」だと
我々に思わせるように。

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうです

谷中 つぎお

その通りですよ

風見 警部

…やっぱりそうか

風見 警部

君はお兄さんの家族と親交が深かったと聞いている

風見 警部

何度か保育園へお子さんのお迎えにも行っているようだね

風見 警部

だからあの日

風見 警部

君が目撃したであろうあの保育士にも見覚えがあり

風見 警部

あの日警察に通報した後

風見 警部

君はすぐに動きだした

風見 警部

我々があの保育士を嗅ぎ付ける前に。

風見 警部

そして

風見 警部

我々があの保育士にたどり着けないよう

風見 警部

自分が犯人と思われるように
わざと仕向けた

風見 警部

だから

風見 警部

あの家に不自然にまで付着していた君の指紋も

谷中 つぎお

ええ

谷中 つぎお

私が犯人が触ってそうな場所を拭き取り

谷中 つぎお

さらに自分が至るところに指紋をつけておきました

風見 警部

……

風見 警部

あの被害者…

風見 警部

谷中祥子の紛失した体の一部…

風見 警部

そう…

風見 警部

犯人の精液が付着しているであろう箇所も君が…

谷中 つぎお

ええ

谷中 つぎお

私が持ち出しました

風見 警部

ならば

風見 警部

あの保育園をちょくちょく訪れていたのは

風見 警部

一石二鳥だったというわけだ

谷中 つぎお

そうですね

谷中 つぎお

不審者と思われると同時に

谷中 つぎお

あの保育士も監視出来ますからね

風見 警部

そして君の思惑通り

風見 警部

我々は君にばかり気をとられ

風見 警部

その保育士への対応が遅れてしまった…

風見 警部

そして我々がモタモタしている間に

風見 警部

君は奴をさらった

風見 警部

……

風見 警部

次に姿を見せたときは

風見 警部

奴はボロボロになっていた

風見 警部

君にひどく痛めつけられてね…

風見 警部

……

風見 警部

なあ?

谷中 つぎお

はい

風見 警部

教えてくれないか?

風見 警部

君は奴をさらって

風見 警部

一体何がしたかったんだ?

風見 警部

ただただ

風見 警部

自分の身近な人が殺害されて

風見 警部

奴を痛めつけたかっただけなのか?

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうですよ

谷中 つぎお

自分で奴を痛めつける為にしたんです

谷中 つぎお

この手で痛めつけるためにね…

谷中 つぎお

だから

谷中 つぎお

あなた方に奴を捕まえられる訳にはいかなかったんですよ

風見 警部

……

風見 警部

それでいいのか?

風見 警部

それで良かったのか…?

風見 警部

確かに谷中つぎおは

風見 警部

自らの手であの保育士を痛めつけることが出来た…

風見 警部

確かにそうなんだか

風見 警部

本当にそれで良かったのか…?

風見 警部

あの男は

風見 警部

奴を痛めつける為だけに

風見 警部

奴が犯人だという痕跡を消した

風見 警部

これじゃあ

風見 警部

あの保育士は

風見 警部

谷中つぎおに拷問まがいなことをされた

風見 警部

ただの傷害事件の被害者じゃないか…

風見 警部

あんな無惨な

風見 警部

あんな非道な

風見 警部

あんな残虐な行為をした殺害犯が

風見 警部

痛めつけられたとはいえ

風見 警部

何の罪も負うことはなく

風見 警部

裁かれることもなく

風見 警部

そのまま生きて行く…

風見 警部

それに引き換え

風見 警部

被害者の親族である谷中つぎおは

風見 警部

奴に暴行をくわえた罪で捕まる…

風見 警部

あいつは…

風見 警部

谷中つぎおは

風見 警部

本当にこんな結末で良かったと言うのか……!

巡査

警部

風見 警部

……どうした?

巡査

警部に会いたいという方がいらっしゃってます

風見 警部

……ふぅ

風見 警部

今、誰かに会う気分じゃないんだ

風見 警部

また今度でよさそうなら断ってくれないか

巡査

そ、それが…

巡査

谷中つぎおの

巡査

お兄さんなんですが…

風見 警部

なに!?

風見 警部

どうなさったんですか急に…?

谷中 ハジメ

警部さん

谷中 ハジメ

私は以前あなたに

谷中 ハジメ

つぎお…弟の事を尋ねられた時

谷中 ハジメ

何も知らないと言いましたよね

風見 警部

そうでしたね

風見 警部

しかし

風見 警部

貴方も知ってるとは思いますが

風見 警部

もう貴方の弟さんの身柄はこちらで確保しましたよ

風見 警部

拷問まがいなことをしでかした

風見 警部

傷害事件の容疑者としてね

谷中 ハジメ

はい

谷中 ハジメ

それは知っています

谷中 ハジメ

ですが

谷中 ハジメ

私は警部さんに話しておきたい事があるんです

風見 警部

話しておきたいこと…?

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

実は

谷中 ハジメ

実は私も知っていたんです…

谷中 ハジメ

……弟の計画を。

風見 警部

な!?

谷中 ハジメ

私は

谷中 ハジメ

あの日…

谷中 ハジメ

妻が殺されたあの日

谷中 ハジメ

弟から連絡をうけ

谷中 ハジメ

弟の建てた計画に賛同したんです…

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

……わかった

谷中 ハジメ

俺もやる…

谷中 ハジメ

俺もやるぞっ!

谷中 ハジメ

許さないっ…

谷中 ハジメ

奴だけは絶対許さない!!

谷中 ハジメ

やろう!一緒に!!

谷中 つぎお

ダメだ!!

谷中 ハジメ

!?

谷中 つぎお

兄さんはダメだ!

谷中 つぎお

これは俺1人でやる

谷中 ハジメ

な、何でだ!

谷中 ハジメ

奴だけは絶対許すわけにはいかない!

谷中 ハジメ

俺もやるぞっ!!

谷中 つぎお

兄さん…

谷中 つぎお

あの子は…

谷中 つぎお

真奈はどうするんだ?

谷中 つぎお

あの子の母親がこんな形でいなくなり

谷中 つぎお

父親である兄さんまでいなくなったら

谷中 つぎお

あの子はどうするんだ!

谷中 ハジメ

……っ!!

谷中 つぎお

な?

谷中 つぎお

あとは俺がやるから

谷中 つぎお

気持ちは兄さんと一緒だ

谷中 つぎお

奴は…

谷中 つぎお

奴だけは絶対に許さない…

谷中 つぎお

だから、な?

谷中 つぎお

あとは俺に任せてくれ

谷中 つぎお

俺が必ず…

谷中 つぎお

俺が必ずこの計画をやり遂げてみせる!!

風見 警部

……

風見 警部

なるほど

風見 警部

貴方は知っていたんですね?

風見 警部

弟である谷中つぎおの計画を…

谷中 ハジメ

そうです

風見 警部

……

風見 警部

でもね、

風見 警部

それで良かったんですか?

風見 警部

貴方達が自分達の手で

風見 警部

奴を痛めつけたい為だけに

風見 警部

拷問まがいの事をしたいが為だけに

風見 警部

あの保育士が犯人だという

風見 警部

証拠を痕跡を

風見 警部

全て消し去ってしまった

風見 警部

おかげで奴は晴れて無罪放免ですよ

風見 警部

そんなんで良かったんですか!

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

警部さん

谷中 ハジメ

違います

谷中 ハジメ

違うんですよ

風見 警部

谷中 ハジメ

私達の計画はまだ実行されてはいないんですよ

風見 警部

!?

風見 警部

どうゆうことですか!?

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

まずね

谷中 ハジメ

自分達の計画に

谷中 ハジメ

あの野郎を拷問するなんて

谷中 ハジメ

入ってなかったんですよ…

風見 警部

な!?

谷中 ハジメ

私達の計画はね

谷中 ハジメ

あの保育士が

谷中 ハジメ

将来結婚し、

谷中 ハジメ

子供が生れ、

谷中 ハジメ

家庭を築き

谷中 ハジメ

幸せの絶頂にいるときに

谷中 ハジメ

その全てを奪うことだったんですよ

谷中 ハジメ

私達がそうされたように…ね

風見 警部

そっ…

風見 警部

そんな…!!

風見 警部

じゃあ谷中つぎおが

風見 警部

あの保育士の犯行の痕跡を消したのは

風見 警部

我々の捜査を遅らせて

風見 警部

奴をさらう時間をつくる為ではなく…

谷中 ハジメ

はい

谷中 ハジメ

「奴を無罪放免にする」

谷中 ハジメ

これそのものが目的だったんです

風見 警部

な…

谷中 ハジメ

奴に幸せな家庭を築いてもらうには

谷中 ハジメ

奴を殺人犯にするわけにはいかなかったのでね…

風見 警部

……

風見 警部

そうだったのか…

風見 警部

そうだったんですね

風見 警部

……

風見 警部

!!

風見 警部

そ、

風見 警部

それじゃあ…

風見 警部

何で…

風見 警部

何で奴をあんな痛めつける必要があったんですか!?

風見 警部

君らのその計画は

風見 警部

奴をそのままのさばらせて

風見 警部

将来奴に家庭をつくってもらうのが目的ですよね!

風見 警部

なら!

風見 警部

あんな拷問まがいな事をする必要はないじゃないですか!?

谷中 ハジメ

そうなんです

谷中 ハジメ

私も弟が…

谷中 ハジメ

つぎおがあんな事をするとは思わなかったんです

谷中 ハジメ

私達の計画には

谷中 ハジメ

奴を拷問するなんて

谷中 ハジメ

なかったんですから…

風見 警部

な、ならばなぜ…

谷中 ハジメ

実は

谷中 ハジメ

先日、つぎおから私宛に

谷中 ハジメ

ある映像データが届きました

谷中 ハジメ

それをちょっと観ていただけませんか?

谷中 つぎお

おい

谷中 つぎお

起きろ

保育士の男

……

保育士の男

……う

谷中 つぎお

起きろ!

保育士の男

う…うう…ん…

保育士の男

……

保育士の男

……あ、

保育士の男

……

保育士の男

あれ?

保育士の男

え?

保育士の男

……

保育士の男

こ…

保育士の男

ここ…は……?

谷中 つぎお

おい

保育士の男

へ?

保育士の男

あれ?

保育士の男

!!

保育士の男

ちょっ……!!

保育士の男

何で縛られてんだ俺!?

保育士の男

動け…ね…

保育士の男

クソッ……!!

保育士の男

なんだってんだ!?

谷中 つぎお

おい

保育士の男

なんだ…?

保育士の男

誰だお前!?

保育士の男

お前がやったのかこれ!!

保育士の男

おい!!

保育士の男

何なんだ!!

保育士の男

離せ!

保育士の男

離してくれ!!

保育士の男

なぁ!おい!!

谷中 つぎお

お前…

谷中 つぎお

俺の顔に見覚えないか?

保育士の男

ああ!?

保育士の男

知らねぇ…知らねぇよ!

保育士の男

お前なんて知らない!!

谷中 つぎお

本当にそうか?

保育士の男

え?

保育士の男

……

保育士の男

あれ…?

保育士の男

いや、え?

保育士の男

なんか見たことある…ような…

保育士の男

あれ…?

保育士の男

……

保育士の男

あ!

保育士の男

ああ!お前!!

保育士の男

何回か保育園にきたことあるだろ!

谷中 つぎお

……

保育士の男

そうだ!

保育士の男

見たことあるぞ…

保育士の男

えと…

保育士の男

あれ…はたしか…

保育士の男

誰か…を迎えに…きた…

保育士の男

……

保育士の男

ああ!

保育士の男

ああああ!!

保育士の男

知らないっ!!

保育士の男

俺は何にも知らないぞ!!

谷中 つぎお

まだ何にも聞いてないだろ

保育士の男

俺はホントに何にも知らないんだ!

保育士の男

だから帰してくれ!!

保育士の男

お願いだからこれほどいて帰してくれ!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

いいか?

谷中 つぎお

今から言う事をよく聞け

保育士の男

知らない!!

保育士の男

俺は知らない!!

谷中 つぎお

俺はお前を今からどうこうするつもりはない

谷中 つぎお

ただし

谷中 つぎお

お前がちゃんと

谷中 つぎお

俺の質問に答えればだけどな

保育士の男

し、質問…?

谷中 つぎお

そうだ

谷中 つぎお

まず

谷中 つぎお

何で谷中祥子を殺した?

谷中 つぎお

殺した理由はなんだ?

保育士の男

な…

保育士の男

何だそれっ……!?

保育士の男

知らない!!

保育士の男

俺はホントに何にも知らないんだって!!

保育士の男

知らないんだよ…

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうゆうのはもういいんだ

谷中 つぎお

お前はしらばっくれる必要はないんだよ

谷中 つぎお

質問にさえ正直に答えてくれれば

谷中 つぎお

お前は日常に帰れる

谷中 つぎお

勿論警察に捕まることもない

谷中 つぎお

何もなかったかのように

谷中 つぎお

日々を過ごせるんだ

谷中 つぎお

だから

谷中 つぎお

な?

谷中 つぎお

正直に答えてくれ

保育士の男

何のことだかわかんねぇよ…

保育士の男

頼むからもう…

保育士の男

もう帰してくれよ…

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

やっぱりそうか…

谷中 つぎお

殺した相手の親族に

谷中 つぎお

正直に話すわけないよな…

谷中 つぎお

仕方がないな…

保育士の男

お願いだから

保育士の男

帰してくれよーー!!

谷中 つぎお

わかった…

谷中 つぎお

ここからは

谷中 つぎお

答えない間

谷中 つぎお

ずっと痛みがともなうぞ

谷中 つぎお

いいか?

谷中 つぎお

答えない間

谷中 つぎお

ずっと

谷中 つぎお

痛みと

谷中 つぎお

恐怖を

谷中 つぎお

与えていくからな

谷中 つぎお

答えたくなったら答えてくれ

保育士の男

な、

保育士の男

な、

保育士の男

何をする気だ!!

保育士の男

何をする気なんだお前ーーー!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうだな…

谷中 つぎお

まずは目隠しをしようか…

保育士の男

ひ、ひぃぃっ!!

谷中 つぎお

知ってるか?

保育士の男

何だ!?やめろ!!

谷中 つぎお

なんか

谷中 つぎお

いつ、どこからくるかわからない

谷中 つぎお

しかし必ずくるであろう痛みには

谷中 つぎお

人は堪えられないらしいぞ?

保育士の男

あ゛あ゛…あが…

谷中 つぎお

…ふぅ

谷中 つぎお

答えたくなったら

谷中 つぎお

自由に答えてくれ

保育士の男

ひぎゃあああ…ああ…

谷中 つぎお

さぁ

谷中 つぎお

続けようか

保育士の男

お、

保育士の男

お、

保育士の男

俺だ!

保育士の男

俺が殺った!!

保育士の男

俺が殺したんだ!!

谷中 つぎお

……

ズズッ…

保育士の男

ぎぃやああああぁぁあ!!

谷中 つぎお

そんなことは初めから知っている

谷中 つぎお

お前が殺したのはハナからわかってるんだ

谷中 つぎお

そんなことは質問してないだろ?

保育士の男

や、やめっ…

保育士の男

やめてくれ!

保育士の男

答える!

保育士の男

何でも答えるから!!

谷中 つぎお

なぜ殺した?

保育士の男

さ、騒いだからだ!

保育士の男

暴れたから

保育士の男

それで黙らそうと思って…!!

谷中 つぎお

何で彼女は暴れたんだ?

谷中 つぎお

そもそも

谷中 つぎお

お前は何であの家に行ったんだ?

保育士の男

か、か、

保育士の男

彼女を…

保育士の男

子供を迎えに来る彼女が…

保育士の男

ど、ど、ど

保育士の男

どうにか俺のもんにしたくてっ…

保育士の男

そ、

保育士の男

それで!!

谷中 つぎお

彼女の家まで行ったんだな?

谷中 つぎお

彼女1人のところを見計らって

保育士の男

そ、

保育士の男

そ、

保育士の男

そうです!

保育士の男

その通りです!

谷中 つぎお

じゃあ

谷中 つぎお

お前ははじめから

谷中 つぎお

彼女を強姦するつもりで

谷中 つぎお

あの家まで行ったんだな

保育士の男

は、はは、は、

保育士の男

はい!そうです!!

谷中 つぎお

そして彼女が思いのほか暴れ回ったから

谷中 つぎお

殺した…

保育士の男

は、は、はい!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

彼女の体には

谷中 つぎお

精液がついていた

谷中 つぎお

いつだ?

谷中 つぎお

前か?

谷中 つぎお

あとか?

保育士の男

な、

保育士の男

ななな…

保育士の男

何のことですか…!?

谷中 つぎお

彼女を…

谷中 つぎお

レ…

谷中 つぎお

…くっ

谷中 つぎお

レイ…プ…したの…は

谷中 つぎお

殺す前か?

谷中 つぎお

殺したあとか?

保育士の男

わ、

保育士の男

わ、

保育士の男

わかんない!

保育士の男

気、気が動転してて…!!

保育士の男

よ、よく…よく!

保育士の男

覚えてないんだ!!

保育士の男

も…もう…

保育士の男

許してください…うう……

谷中 つぎお

……そうか

谷中 つぎお

覚えてないのか…

谷中 つぎお

じゃあ

谷中 つぎお

目隠しを外そうか

谷中 つぎお

さっきは見えない中での痛みだったから

谷中 つぎお

今度は

谷中 つぎお

見える痛みにしよう

保育士の男

ああああああっ!!

保育士の男

ほ、ホントに!!

保育士の男

ホントに覚えてないんだ!!

保育士の男

許してくださいーー!!

谷中 つぎお

そうか

谷中 つぎお

じゃあ

谷中 つぎお

思い出したら言ってくれ

保育士の男

ああああああああああああぁ!!

谷中 つぎお

さぁ

谷中 つぎお

今度はよく見るんだ

谷中 つぎお

ゆっくり…

谷中 つぎお

ゆっく~~り

谷中 つぎお

お前の太腿にナイフを刺していくからな

保育士の男

ヒッヒッヒッ…!!

???

はひゃあ、や、やめっ…!!

谷中 つぎお

ゆっく~り徐々に

谷中 つぎお

ナイフが

谷中 つぎお

お前の太腿を貫通していくからな

保育士の男

あぎゃあ!!

保育士の男

やめっ…!!ゆるっ…!!

谷中 つぎお

本当にちょっとづつ刺しこんでいくから

谷中 つぎお

よく見ておけよ…

ズッ…

保育士の男

あああああああああぁぁ!!

ズッ…

保育士の男

ぎゃああああああああああああああああああああああっ!!

ズッ…

保育士の男

あ、あ、あ、

保育士の男

あと!!

谷中 つぎお

保育士の男

あとです!

保育士の男

こ、ここ、殺したあと!

保育士の男

あと、あと、あとです!

谷中 つぎお

あとに何だ?

保育士の男

あと、あとに!

保育士の男

こ、殺したあとにレイプしました!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうか

保育士の男

はっはっはっ…

保育士の男

あああぁ…

谷中 つぎお

で?

谷中 つぎお

彼女を殺して死姦したあと

谷中 つぎお

どうしたんだ?

保育士の男

え?え?

保育士の男

どうしたって……?

保育士の男

え?

谷中 つぎお

彼女の体をどうしたんだ?

保育士の男

え?あっ!

保育士の男

はい!

保育士の男

き、き、き、切りました…!

保育士の男

き、切り刻みました!

谷中 つぎお

何でだ?

保育士の男

へ?

谷中 つぎお

たしかに

谷中 つぎお

彼女の体は目茶苦茶に切り刻まれていた

谷中 つぎお

だがバラバラにして隠すなどせず

谷中 つぎお

切り刻んだまま放置してあった

谷中 つぎお

何でだ?

谷中 つぎお

なぜ彼女の体を切り刻む必要があった?

保育士の男

そ、そそ

保育士の男

それは…!!

保育士の男

お、俺の精子が

保育士の男

つ、

保育士の男

ついたから

保育士の男

持ち帰らなきゃと思って…

保育士の男

で、でも、でも

保育士の男

彼女の体ごと持ち帰れないから…

保育士の男

そ、

保育士の男

それで…!!

谷中 つぎお

付着した部分だけを持ち帰ろうとした…か

谷中 つぎお

だが持ち帰ってはないだろ?

保育士の男

そ、それが…!

保育士の男

う、うううまく切れなくて…!

保育士の男

そ、それで

保育士の男

怖くなって…!!

谷中 つぎお

そのまま放置して帰った…か

保育士の男

は、はい!

保育士の男

そうです!

保育士の男

ごめんなさい!!

保育士の男

だ、だ、だから…!!

保育士の男

も、もう…!!

谷中 つぎお

で?

保育士の男

は!?

谷中 つぎお

まだあるだろ?

保育士の男

な、な、何が!?

保育士の男

何がですが!?

保育士の男

もう全部です!!

保育士の男

もうこれで全部です!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうか

谷中 つぎお

じゃあ今度は指でも切り落とすか…

谷中 つぎお

ゆっくり

谷中 つぎお

ゆっくりと…

谷中 つぎお

足も合わせたら20本あるもんな…

保育士の男

本当だって!

保育士の男

これ以上何があるんだよ!!

保育士の男

もうないだろ……!!

保育士の男

どうしろって言うんだよ…!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

俺はな

谷中 つぎお

本当に色々考えて用意したんだ

谷中 つぎお

だから

谷中 つぎお

こうゆうのもあるんだ

谷中 つぎお

耳を半分だけ削ぎおとして

谷中 つぎお

とれかけたその耳に

谷中 つぎお

重りをつけるとかはどうだろうな?

谷中 つぎお

効くのかな?

谷中 つぎお

まぁやってみようか…

保育士の男

ひぃぃっ!

保育士の男

やだやだやだっ!

保育士の男

もう勘弁してくれ…

保育士の男

勘弁して…ください…!!

谷中 つぎお

俺はあの日の全てを聞きたいだけだ

谷中 つぎお

もれなく全てだ

谷中 つぎお

だが別に

谷中 つぎお

お前がもう何もないって言うんなら

谷中 つぎお

それでもいいんだ

谷中 つぎお

この拷問を続けるだけだから

保育士の男

あっはっあっあ…!

保育士の男

あ、ああ!!

保育士の男

ある!あるある!!

保育士の男

も、も、も、ひとつあった!

谷中 つぎお

……

保育士の男

き、

保育士の男

きり…!

保育士の男

切り刻んだあとに…

保育士の男

もう一度犯した!!

保育士の男

彼女の体を切り刻んだあとに

保育士の男

もう一度犯しました…!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

そうだ

谷中 つぎお

お前の精液は

谷中 つぎお

普通に犯したんじゃ

谷中 つぎお

あり得ない場所にも付いていた…

谷中 つぎお

お前は

谷中 つぎお

彼女を殺して死姦したあとに

谷中 つぎお

精液が付着したであろう箇所を切り刻み

谷中 つぎお

その切り刻んだ後にもう一度彼女を犯した…

谷中 つぎお

そして

谷中 つぎお

切り刻んであるから

谷中 つぎお

お前の精液はあり得ない箇所に飛び散り付着した

谷中 つぎお

その後

谷中 つぎお

他の箇所にも付着してしまった精液を残さない為

谷中 つぎお

さらに彼女を切り刻んだ

谷中 つぎお

だがうまく切れず

谷中 つぎお

怖くなったお前は

谷中 つぎお

全てをそのまま残して帰った

谷中 つぎお

そうゆうことだな?

保育士の男

そ、そうです!!

保育士の男

ご、

保育士の男

ご、

保育士の男

ごめんなさい!ごめんなさい!

保育士の男

許してくださいーー!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

……っ!!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

……いいんだ

保育士の男

へ?

谷中 つぎお

もう…

谷中 つぎお

もういいんだ…

保育士の男

ど、どど…

保育士の男

どうゆう…こ……?

谷中 つぎお

おれは真実を知りかっただけだし

谷中 つぎお

お前をもう充分に痛めつけた

保育士の男

へ?へ?

谷中 つぎお

もういいんだ

谷中 つぎお

お前も充分に痛みをうけた

谷中 つぎお

俺の気も晴れたよ

谷中 つぎお

だからもう

谷中 つぎお

家に帰してやる

谷中 つぎお

お前は自由だ

谷中 つぎお

お前はもう償うものなんてない

谷中 つぎお

日々を今まで通り過ごしていいんだ

保育士の男

そ、え?

保育士の男

ホント…です…か…?

谷中 つぎお

ああ、

谷中 つぎお

勿論今日はなしたことも警察には言わない

谷中 つぎお

お前は捕まることなんてない

谷中 つぎお

もう罪は償ったんだから…

保育士の男

あ…ああ…

保育士の男

ううう…

谷中 つぎお

だから、な?

谷中 つぎお

お前はこのまま日常にもどれ

保育士の男

は、はい…

保育士の男

すいません…

保育士の男

すいません…でし…た…!

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

兄さん…

谷中 つぎお

この映像を観ていますか?

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

ごめん兄さん…

谷中 つぎお

こんな計画にないような勝手なことをして…

谷中 つぎお

でも…

谷中 つぎお

でもね

谷中 つぎお

俺がこの計画を立てたせいで

谷中 つぎお

愛する人をなくした兄さんから

谷中 つぎお

大事な権利を奪ってしまった…

谷中 つぎお

「真実を知る」という権利を…

谷中 つぎお

奴を無罪放免にするという

谷中 つぎお

俺の計画のせいで。

谷中 つぎお

本当ならば

谷中 つぎお

裁判にかけられ

谷中 つぎお

どのような理由で

谷中 つぎお

どのような動機で

谷中 つぎお

どのような方法で犯行に及んだか

谷中 つぎお

明かされていく真実を

谷中 つぎお

俺は兄さんから奪ってしまったんだ

谷中 つぎお

だから…

谷中 つぎお

だからこうして

谷中 つぎお

奴自身に語らせるしかなかった…

谷中 つぎお

本当にごめん

谷中 つぎお

俺は傷害と暴行でつかまるけど

谷中 つぎお

それで永遠に捕らえられるわけじゃない

谷中 つぎお

そう…

谷中 つぎお

だから

谷中 つぎお

俺達が立てた計画は変わらないよ

谷中 つぎお

必ずやり遂げるから

谷中 つぎお

奴が幸せを築いたとき

谷中 つぎお

それを俺が全て奪うから

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

この映像は

谷中 つぎお

観た後に破棄してほしい

谷中 つぎお

奴が犯行を自供しているこの映像は

谷中 つぎお

のこさないよう消去してくれ

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

……

谷中 つぎお

最後に

谷中 つぎお

出来れば

谷中 つぎお

出来ないだろうけど

谷中 つぎお

でも…

谷中 つぎお

それでも!

谷中 つぎお

出来るならば兄さんと真奈には

谷中 つぎお

この事件のことは忘れて欲しい!

谷中 つぎお

そして

谷中 つぎお

ちゃんと

谷中 つぎお

前に進んで欲しい

谷中 つぎお

あと

谷中 つぎお

俺のことも金輪際忘れてくれ

谷中 つぎお

二人の幸せを祈ってる…

風見 警部

……

谷中 ハジメ

警部さん

谷中 ハジメ

これが弟から送られてきた映像です

谷中 ハジメ

弟はただ痛めつける為に

谷中 ハジメ

あんな拷問まがいなことをしたわけじゃなく

谷中 ハジメ

奴に真実を語らせる為に…

谷中 ハジメ

ううん

谷中 ハジメ

俺に真実をみせる為にやったんです

風見 警部

そうか…

風見 警部

そうだったんですね…

風見 警部

……

風見 警部

ところであなたは

風見 警部

あの保育士を無罪放免にするという計画のために

風見 警部

この奴が自供した映像を消さなければならなかったはず

風見 警部

だがそうしなかった

風見 警部

それどころか

風見 警部

私のところまで持ってきてしまった

風見 警部

……ということは

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

ええ

谷中 ハジメ

弟を止めてもらいたいんです

風見 警部

なぜですか?

谷中 ハジメ

警部さん

谷中 ハジメ

この映像の中で

谷中 ハジメ

あの保育士が言っていたでしょ?

谷中 ハジメ

「妻の体はうまく切れなかった」と

谷中 ハジメ

だけどね

谷中 ハジメ

実際に妻の体の一部分は

谷中 ハジメ

弟が奴の証拠を消すために持ち帰ってるんですよ

谷中 ハジメ

わかりますか?

谷中 ハジメ

つまりは

谷中 ハジメ

弟は

谷中 ハジメ

妻の体を切ってから持ち帰ったんです

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

私も知らなかった…

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

どんな気持ちだっただろう…

谷中 ハジメ

大事な人の体を

谷中 ハジメ

切らなければならないなんて…

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

ねぇ警部さん

谷中 ハジメ

あいつは……

谷中 ハジメ

つぎおはどれ程の痛みを感じながら

谷中 ハジメ

大事な人の体を切ったんだと思います?

風見 警部

……

谷中 ハジメ

何で…

谷中 ハジメ

何であいつ…がそんな痛み…を…

谷中 ハジメ

あいつだけが……っ!

風見 警部

……

谷中 ハジメ

それだけじゃない!

谷中 ハジメ

俺達の計画は

谷中 ハジメ

あの保育士の野郎が

谷中 ハジメ

幸せな家庭を築いてから

谷中 ハジメ

それを奪うことだ

谷中 ハジメ

いつだ?

谷中 ハジメ

奴が家庭を築くのはいつなんだ?

谷中 ハジメ

そもそも

谷中 ハジメ

奴は幸せな家庭を築くのか?

谷中 ハジメ

ずっと独りでいるかも知れないじゃないか?

谷中 ハジメ

そんなもので…

谷中 ハジメ

そんな何の確証のないもので…

谷中 ハジメ

つぎおは……っ!

谷中 ハジメ

きっとその間弟は……

谷中 ハジメ

つぎおは孤独の中で生きていくんだ!

谷中 ハジメ

自分が将来人を殺すのがわかってて

谷中 ハジメ

大事な人をつくるような奴じゃない!

谷中 ハジメ

あの保育士がいつになるのかも

谷中 ハジメ

そもそも築くかどうかもわからない家庭を

谷中 ハジメ

つぎおはただ

谷中 ハジメ

その間…

谷中 ハジメ

ひとり孤独に…

谷中 ハジメ

人を殺すことだけを考えて…

谷中 ハジメ

何で!!

谷中 ハジメ

何であいつだけ!!

谷中 ハジメ

つぎおだけがそんな目に合わなくちゃならない!

谷中 ハジメ

そんな永遠ともいえる痛みを…っ!

谷中 ハジメ

そんなものを何でつぎおだけが……!!!

風見 警部

……

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

娘はね…

谷中 ハジメ

弟にホントなついてるんですよ

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

ううん

谷中 ハジメ

娘だけじゃない

谷中 ハジメ

亡くなった妻も

谷中 ハジメ

つぎおを実の弟のように可愛がっていたんですよ…

谷中 ハジメ

ふふ…

谷中 ハジメ

よく二人で悪態を付き合いながら喧嘩もしていたな…

谷中 ハジメ

もちろん私も…

谷中 ハジメ

警部さん

谷中 ハジメ

弟も…

谷中 ハジメ

つぎおも私達の家族なんです!

谷中 ハジメ

あいつは照れくさがって否定するかもしれませんけど

谷中 ハジメ

あいつも大事な家族なんです!

谷中 ハジメ

私はね

谷中 ハジメ

娘から母親だけじゃなく

谷中 ハジメ

もう一人大事な家族がいなくなって欲しくないんです!

谷中 ハジメ

あの時は

谷中 ハジメ

怒りのあまりあの計画に賛同してしまいましたが

谷中 ハジメ

あれは間違いでした…

風見 警部

……

谷中 ハジメ

だから

谷中 ハジメ

だから弟にもうこれ以上の犯罪をさせないでください!

谷中 ハジメ

奴を!

谷中 ハジメ

あの保育士をどうか貴方達の手で裁いてください!

谷中 ハジメ

その映像…

谷中 ハジメ

その奴が自供した映像があればどうにか奴を捕まえられるんでしょ?

谷中 ハジメ

警部さん…!!

風見 警部

……

風見 警部

難しいですね

谷中 ハジメ

え…?

風見 警部

この映像には拷問に近いようなシーンが全て記録されています

風見 警部

これだと

風見 警部

拷問により

風見 警部

無理矢理そう言わされた

風見 警部

そう言わざるを得なかった

風見 警部

そう供述されればそれまでです

谷中 ハジメ

そ、

谷中 ハジメ

そんな……!

風見 警部

……

風見 警部

ですが

風見 警部

貴方の証言があれば何とか出来るかもかもしれません

谷中 ハジメ

!!

風見 警部

いや、

風見 警部

必ず何とかしてみせます

谷中 ハジメ

け、警部さん…

風見 警部

協力してくれますね?

谷中 ハジメ

はい!

谷中 真奈

おとーさーん

谷中 真奈

ママはー?

谷中 真奈

ママまだ帰って来ないのー?

谷中 ハジメ

……

谷中 ハジメ

ママは

谷中 ハジメ

ずっと…

谷中 ハジメ

ずっと遠くに行っちゃったんだ…

谷中 ハジメ

だけどね

谷中 ハジメ

ママはどこに行っても

谷中 ハジメ

真奈のことが大好きなんだよ

谷中 真奈

イヤだー!

谷中 真奈

ママはー!

谷中 真奈

ママに会いたいよーー!!

谷中 ハジメ

会いたいよな…

谷中 ハジメ

そうだよな…

谷中 真奈

……う、

谷中 真奈

うう……

谷中 ハジメ

寂しい思いさせてごめんな…

谷中 真奈

…う、ううう…

谷中 真奈

ねぇ…パパ…?

谷中 ハジメ

ん?

谷中 真奈

じゃあ…

谷中 真奈

じゃあおじちゃんは?

谷中 真奈

おじちゃんどこ行ったの?

谷中 ハジメ

あ、ああ…

谷中 ハジメ

つぎおはな

谷中 ハジメ

すぐに会えるよ…!

谷中 ハジメ

また、すぐにお前に会いに来てくれるよ!!

谷中 真奈

……ほんと?

谷中 真奈

おじちゃんホントにすぐ会えるの?

谷中 ハジメ

ああ!

谷中 ハジメ

会えるよ!

谷中 真奈

やったー!

谷中 真奈

じゃあさ、じゃあさ

谷中 真奈

おじちゃん来たら

谷中 真奈

また色んなとこ遊びいこーね!

谷中 ハジメ

うん、

谷中 ハジメ

うん!

谷中 ハジメ

そうだな!そうしよう!

谷中 真奈

わーい!

谷中 真奈

早くおじちゃんこないかな~

ストーリー上とはいえ ある特定の職種の イメージを損なうような 表現をしたことを お詫びいたします。

ですが そのような偏見は 一切ございませんので ご了承下さい。

この作品はいかがでしたか?

2,070

コメント

8

ユーザー

長編にも関わらず、全く飽きることなく、むしろずっと読んでいたい程に面白かったです…! 予想外の展開に驚かされ、次々明かされていく真実が悲しくてたまりませんでした 悲しいのに最後は心がすっと温かくなる、そんな話だと感じました 素敵な話をありがとうございます!!

ユーザー

とてつもなく濃い作品ですね!寝起きにブラックコーヒーを飲んだように一気に目が覚めました。よし、自分も濃い作品を…無理かなぁ…薄い作品を薄くあげる事なら出来そう。ハゲない程度にハゲしく頑張るぞー

ユーザー

真奈ちゃんの最後の言葉で涙が溢れました 言葉になりません 読ませていただきありがとうございました

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