つまらない人生だった
生まれ育ったのはごくごく普通の家庭
静かに生きていたのに、なぜかクラスの輩に目を付けられて嫌がらせを受ける
「地味なくせに女子に囲まれているのが腹立つ」らしい
正直媚を売っているような女子は気持ちが悪い
俺に言われても、俺だって勘弁して欲しい
自傷行為に至るほど追い詰められているということはないけれど
ただ退屈なこの人生に嫌気が差していた
雨音の強く響く、凍えそうな冬の日だった
濡れてまで殴る、というほど執着心は強くないらしく
雨の日に呼び出されることはほぼない
女の子が、白い息を吐きながら楽しそうに水溜まりへ飛び込む
今となっては雨なんてただの鬱陶しいものだけれど
昔は自分もあんな風だったんだろうか
そんなことを考えながら、人通りの少ない路地裏へ足を向ける
毎日通っている、自宅への近道だった
視界の先に、何か見慣れないものが倒れている
人...?
桃
声をかけてみるが、びくともしない
びしょ濡れの肩を少しゆさ揺さぶってみるが、全く反応はない
もちろん体は冷たい
小柄で、整った顔立ちをしている
こんな真冬の雨の中に放置するわけにもいかず、家へ連れて行くことにした
服を脱がせ、体を温める
お湯を当てたときにぴくりと少し体が動いたが、起きる気配はない
この人には少し大きいけれど、他に着せられるものもなく
比較的小さめの俺の服を着せる
とりあえずソファに寝かせ、起きるのを待つことにした
両親は仕事で2人とも海外
子供一人で可哀想、だなんて高校生になった今も時々言われるけれど
勝手に置いて行かれたわけじゃない
着いていって一緒に海外で暮らす手もあったし、誘われた
それを拒否したのは俺自身だった
すでに慣れた物寂しい部屋も、今日ばかりはありがたかった
この人の説明が、あまりにも困難すぎる
ピーッ
いつの間にか寝落ちていたようだ
いわゆる機械音が鳴り響き、目が覚める
なんの音だろうか
桃
寝ぼけた頭で考えるが、そんな記憶は真っさらない
と、目の前の少年の体がぴくりと動いた
電動システム、AIシステム、内蔵システム共に正常
スリープモード解除、システム起動します
バスや電車のアナウンスのような、感情のない女性の声がする
寝起きの頭で聞いた幻聴でなければ、その声はこの少年からしている
No.40ntf4d
桃
No.40ntf4d
桃
目が開いたと思えば、身体を震わせ手の平をこちらへ突き出す
銃を構えたときのような生々しい音が響き、息が詰まる
No.40ntf4d
桃
背中を冷や汗が伝う
嫌な寒気が全身を襲った
No.40ntf4d
しばらくして手の平が下げられ、ほっと胸を撫で下ろす
と思えば彼も、いや、彼の方が安堵しているように見える
さっきまでの剣幕はどこへ行ったのやら
No.40ntf4d
桃
No.40ntf4d
No.40ntf4d
桃
No.40ntf4d
No.40ntf4d
桃
No.40ntf4d
桃
No.40ntf4d
No.40ntf4d
よく分からないことを言いながら船を漕ぐ
桃
No.40ntf4d
No.40ntf4d
桃
桃
桃
No.40ntf4d
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桃
桃
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桃
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桃
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桃
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桃
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桃
桃
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コメント
17件
続きめちゃくちゃ待ってます😵💫♡
この連載ページ!!!見つけた!!!!続き書きます!!!!!
見るの遅れましたーーー😭😭 ほんとにすみません!!🙇🏻♀️ 今回もストーリー最高ですね😢💗 続き待ってます😊