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昨日…

人を殺したんだ

…え?

君はそんなことを言っていた

誰を…殺したの?

隣の席のいつも私をいじめてくるアイツ

アイツ…か

もう嫌になって肩を突き飛ばしたんだ

…そしたら

打ち所が悪くて死んじゃった

もうここにはいられないと思うからさ

どっか遠いところで死んでくるよ

そんな君に僕は言った

それじゃ…

僕も連れて行って?

財布を持って

ナイフを持って

携帯ゲームもカバンに詰めて

いらないものは全部

壊して行こう?

あの写真だって

あの日記だって

今となってはもういらないさ

人殺しの私と

ダメ人間の僕の

惨めな旅の始まりさ

そして僕らは逃げ出したんだ

この狭い狭い

この世界から

お兄ちゃん⁈待って!

行かないで…

家族も

クラスメート

おい!

クラスメート

どこ行くんだよ!

クラスの奴らも

全部捨てて

君と2人で…

遠い遠い誰もいない場所で

2人で死のうよ?

もうこの世界に価値なんてないんでしょ?

うん…

ほら、

見てみなよ

人殺しなんてそこら中に沸いてるじゃんか

君は何も悪くないよ

君は何も悪くないよ

結局僕ら誰にも愛されたことなんてなかったんだ

そんな嫌な共通点で私たちは簡単に信じ合ってきた

君の手を握った時、震えはもう止まっていて

だれにも縛られないで線路の上を歩いた

…どうしよう

もうお金がない

うーん…

じゃあ盗んじゃう?

いいね!

金を盗んで

店主

待てお前ら!

キャー!

逃げろ〜!

2人で逃げて

どこにでもいける気がしたんだ

今更怖いものなんて僕らにはなかった

額のあせも

落ちた眼鏡も

今となってはどうでもいいよね

あぶれ者の小さな逃避行の旅さ

はぁ…

どうしたの?

いつか夢見た

優しくて誰にも好かれる主人公なら

汚くなった僕たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?

今更だね…

そんな夢、私は捨てたよ

だって現実を見なきゃ

シアワセの四文字なんてなかったって

今までの人生で思い知ったでしょ?

…そうだね

自分は何も悪くないって

誰もがきっと思ってる

水がなくなり、揺れ出す視界に

迫り来る鬼たちの怒号に

ははっ!

へへっ!

バカみたいにははしゃぎあって

はしゃぎあって…

ふと君は…

ナイフをとった

君が今までそばにいたから

ここまで楽しい人生を過ごせたんだ

だからもういいよ

もういいよ!!

死ぬのは私1人でいいよ!!!!!

…さようなら(*´꒳`*)

えっ…

そして君は首を切った

まるで何かの映画のワンシーンだ

白昼夢を見ていれような気がした

気づけば僕は捕まっていた

だけど…

君だけがどこにも見つからなくって

君だけがどこにも居なくって

そして時は過ぎて行った

ただ暑い暑い日だけが過ぎてった

家族もクラスの奴らもいるのに

なぜか君だけがどこにも居ないんだ!

あの夏の日を思い出す

僕は今も今でも歌ってる

君をずっと探しているんだ!

君に言いたいことがあるんだ!

九月の終わりにくしゃみして

六月の匂いを繰り返す

君の笑顔は

君の無邪気さは

今でも僕の頭の中を飽和している

誰も何も悪くないよ

君は何も悪くはないから

もういいよ

投げ出してしまおう?

って

そう行って欲しかったんだろう?

なぁ?

Fin

この作品はいかがでしたか?

100

コメント

13

ユーザー

さすが企画主さんですね... めっちゃ上手なんじゃあ_(┐「ε:)_

ユーザー

めちゃくちゃいい!

ユーザー

ああああああああああぁぁぁいい!

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