詳細設定 pixivにあげている、ここはヒュバグ幼稚園の設定そのままなので、登場人物は全員3歳設定。
俺には生まれつき顔に痣がある。
痣は広範囲に渡っており、この痣のせいで気味悪がられ、仲間外れにされる事は、俺にとって日常茶飯事だった。
この痣がもう少し小さければ、顔じゃない場所にあったなら、きっと俺の人生は今と違っていたものだっただろ。
保育園の入園式の日。
割り振られた組ごとに、別れて整列していた。
たまたま、そいつが座る席が俺の隣だった。
南雲梗平
またか。
室屋柊斗
そいつは、俺の痣に気づくと、もっと俺の痣をよく見ようと顔を近づけてきた。
奇異の目に晒されるのは、今に始まった事じゃない。そうとはいえ、気持ちいいものではない。
俺は前髪を下に引っ張り、少しでも痣を隠そうと試みる。
南雲梗平
どうせこいつも、あいつらのように嘲(あざけ)りを向けてくるに、違いない。
南雲梗平
室屋柊斗
こんな事言われたのは、始めてだった。
南雲梗平
奇異の目と嘲笑しか向けられた事しかなかった。
南雲梗平
けれど、南雲は屈託ない笑顔を向けてきた。まるで、お日様のような笑顔を。
室屋柊斗
南雲の笑顔に呼応するかのように、ドクンと俺の心臓が跳ねる。
南雲梗平
今まで、こんな風に接された事がなかったから、なんて返したらいいのか分からなくて
室屋柊斗
とだけ、短く返事を返した。
あの日、俺に向けられた笑顔が忘れられなくて。
これが恋なんだという事に、気づくのに、そう時間は掛からなかった。
もう一度、あの顔を見たくて、でも、素直じゃない性格が邪魔をする。
俺の気持ちに気づいて欲しいのに、気づかれたくなくて、矛盾した想いが俺の中で、せめぎあっている。
本当は仲良くしたいのに、何時だって、南雲に気持ちと裏腹な態度をとってしまう。
それに、俺がどんなに頑張ったとしても、南雲は俺を見ることはない。
園庭を見ると天羽組の面々が、強い日差しにも負けずに、元気に遊んでいた。
南雲梗平
小峠華太
南雲の眼中に俺はいない。あいつの視線の先は、いつだって、幼なじみの小峠に向けられている。
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
南雲は、入園式の日に見せた笑顔を浮かべ、小峠の頭を撫でた。
羨ましい。
室屋柊斗
つい本音が口をついて、出てしまう。
城戸丈一郎
室屋柊斗
室屋柊斗
室屋柊斗
城戸丈一郎
室屋柊斗
どうすれば、南雲は俺を見てくれるのか。
一番の違いは、この顔の痣だが
南雲は俺の痣を格好いいと言った。その上、掛け値なしに、似合っていると褒めてくれた。
他の奴らみたいに、南雲は痣のあるなしで選んでない。もし小峠に俺と同じ痣があったとしても、痣なんて気に掛けず、受け入れている姿さえ想像できる。
痣が関係ないとなれば、南雲は何で小峠を選らんだのか、俺との明確な違いは何か、気づいたら城戸に問いかけていた。
城戸丈一郎
城戸丈一郎
室屋柊斗
室屋柊斗
城戸丈一郎
城戸丈一郎
言われてみれば、浅倉も舌足らずなしゃべり方をしていたなと思い、浅倉の言動を思い返してみる。
浅倉潤
浅倉潤
浅倉潤
明らかに、小峠とはベクトルが異なっているが、これは果たして可愛いのか?
室屋柊斗
城戸丈一郎
城戸丈一郎
室屋柊斗
城戸丈一郎
城戸丈一郎
室屋柊斗
俺は教室の外の洗面台に、絵の具のパレットと水をを流す為に、廊下に出た。
パレットを水洗いしながら、先ほどの城戸の言葉を思い出す。
俺はあの喋り方は好かんが、現に戸狩の兄貴は、城戸と同様に、守ってあげたくなると言っていた気がする。
あの言葉遣いが、俺と小峠を別けているのなら、俺も小峠のような喋り方をすれば、南雲に見て貰えるのか?
洗面台と一緒に設置されている、鏡を見上げる。
小峠の喋り方を意識しながら、目の前の鏡に向けて、真似てみる。
室屋柊斗
室屋柊斗
これは思いの外、恥ずかしい。
そして、こういう時は往々にして
南雲梗平
人に見られるものである。それも一番見られたくない相手に限って。
室屋柊斗
南雲梗平
室屋柊斗
南雲梗平
これは、ギリギリ聞かれてないのかもと思った。
南雲梗平
全部聞かれてた。
室屋柊斗
ありえへん!見られた!見られとった!恥ずかしい!恥ずかし過ぎて、穴があったら入りたい!
聞かれた恥ずかしさを紛らわそうと、思わず、南雲に殴りかかるが
南雲梗平
あっさりと避けられてしまった。
室屋柊斗
南雲に避けられた事で、高まってしまった感情を制御しきれずに、室屋は臨界(りんかい)を突破してしまう。
次の瞬間、室屋の瞳から大粒の涙が流れた。
一度、流れてしまえば、後は濁流(だくりゅう)の如く、ボタボタと流れ出す。
室屋柊斗
室屋の意思とは関係なしに。
南雲梗平
室屋柊斗
室屋柊斗
南雲梗平
南雲梗平
室屋柊斗
南雲梗平
室屋柊斗
そんな時、とてとてと軽やかな足音が此方に向いて、近づいてくる。
この足音は小峠だ。
あいつにだけは、泣き顔見られたくない。なんとか涙を引っ込めようとするも、感情の制御が追い付かず、依然と俺の瞳からは、雨が降り続けている。
足音が段々と近くなってきた、その時だった。
室屋柊斗
ぐいっと俺の手が引かれた。
突然の事だったので、引かれる力に逆らえず、ぽすっと軽い音を立てて、俺は南雲の胸に倒れこんだ。
室屋柊斗
突然の事過ぎて、頭がついていかない。
小峠華太
南雲梗平
室屋柊斗
相変わらず、頭の中はこんがらがっていたが、条件反射で言い返そうとしたら、南雲に更に抱き込まれ、胸で口を塞がれてしまった。
南雲梗平
南雲は声を潜め、小峠に聞こえないよう、俺に耳打ちしてきた。
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲の走るなという言葉を守って、走りはしなかったが、小峠は、はや歩きで、ぱたぱたと足音を立てて、来た道を戻っていった。
南雲梗平
南雲梗平
南雲梗平
室屋柊斗
カチンときたので、南雲のスモックで、思いっきり、ズビッと鼻をかんでやった。
南雲梗平
慌てる南雲の姿に、少しスッキリする。
南雲梗平
室屋柊斗
南雲梗平
南雲梗平
南雲は、あの日と同じ屈託のない笑顔で、笑いかけてきた。
室屋柊斗
南雲に聞こえるか、聞こえないかくらいの小声で、俺は礼を言った。
南雲梗平
室屋柊斗
意地っ張りな室屋が
素直になれるまで、後もう一歩。
おわり
あとがき pixivのリク品の『ここはヒュバグ幼稚園 天王寺組編』の中で、なぐかぶ←むろを書いてた時に、思い付いた副産物。幼稚園児といったら、おねしょ良いよね。 南雲が亡くなった回は、辛かったけど、それよりも、一緒に心中するって部分が、あの世でしか結ばれない恋人同士感あって、なぐかぶ好きな身としは複雑な心境。敵だから道連れにしただけなのは分かってるけど、見方を変えれば、あの世にまで連れていきたい存在だったという見方も出来るよね。無理心中系も好き。どうでもいいことをつらつらと考えるといけない癖が出てくるんだよね。室屋視点の南雲心中話の情景が、ふわっと脳内に浮かぶという。これは書くかは、分からん。 本編と関係ないが、ふとリクエスト、ヤバいことになっている事に気がついた。 pixiv ♡15年後、飴の指輪がダイヤの指輪に変わるまで、のだかぶ ♡撮影、裸エプロンR18のだかぶ ♡幼稚園パロ、須永メインの三輪車暴走族話。 テラー ☆てっちゃんさんの相互お礼イラスト ☆あおかづ←1割程度、書きかけ。 ☆男が服を贈る理由の続きのなぐかぶ ☆上記のコメントで書いていた兄貴別、華太への下着のプレゼント話(のだかぶ、わなかぶ、すなかぶ、こ ばかぶ←のみ構想出来ている)。 ☆発育のすすめの華太巨乳バージョンのあおかぶ←構想あり。 ☆なぐかぶ妊娠報告、二人の子供が出てくる話(こっちは返答待ちなので、保留中) ☆時間あれば、こばはや書いて。 これ以外に自分が思い付いて、メールに書き留めているのが14件とテラー内に放置が4件。 合間でリク消化してるけど、全然消化しきれてなかったわ( ̄▽ ̄;)よく皆、リク、さくさく捌けるよね。 なんとか今日中には、あきたか仕上げたいけど、間に合うかわからん。 あきたか仕上げたら、しばらくは、テラーのリクが溜まり過ぎてるので、消化月間にしょうと思ってる。この中で、忘れてる物があれば言ってくれれば、助かります。
コメント
7件
ごめん、、、この作品めっちゃツボでございます、、、久しぶりにこんなに笑ったwww後かぶちゃんが可愛いすぎで鼻血出るかも思った、、、浅倉の場面、、、須永に甲羅当てられたから三輪車が走る場所にバナナwwwwほんまにツボwwwどうやったらこんな面白いんやろwww南雲も南雲でカッコよかったし、何より、意地っ張りの室屋ちゃん!可愛い過ぎる あーリクエストの消化はてくてくやってればいつか終わるよ