紀乃
私、思ったんですけど…
章斗
?
紀乃
木原谷さんの下の名前知ってないんですよね〜
龍哉
つったら、俺らの“本当の苗字”知ってなくね?
紀乃
あ、そうだよね、
章斗
あー、僕の下の名前は、章斗と言います
紀乃
章斗…さんですね!
紀乃
(きゃー、やったやった!木原谷さんの下の名前知れた!)
紀乃
(は!これって、下心なんじゃ…)
章斗
紀乃と、龍哉さんは?
龍哉
(紀乃っ!?呼び捨て…)
龍哉
(いつの間に…)
紀乃
あ、私は…
紀乃
一戸磨(いっこま)って言います、
章斗
珍しいですね、
龍哉
あー、俺は
龍哉
んー、刃薔紫だ。
章斗
はばらし…?
章斗
どっかで聞いたことが…
龍哉
あ?姉貴知ってんの?
章斗
え?お姉さん?
章斗
あ、そしたらあの人…
章斗
あ、あのっ、お姉さんってどこにいますか?
龍哉
はぁ?なんで、
章斗
あ……
紀乃
?
章斗
いえ、今度話します…
龍哉
?
紀乃
着きましたよ!
章斗
ほんとだ……じゃあ、
紀乃
おやすみなさいっ!
章斗
嗚呼。おやすみ
龍哉
おやしゅみ〜
紀乃
なにそれっ!
龍哉
って!
龍哉
叩くことはないだろぉ、
紀乃
ねぇ、なんで“喜乃”さんのこと言ってたんだろぉ、
龍哉
さぁな、姉貴のことなんて知らねーよ
紀乃
でも、居場所は、知ってるんでしょ?
龍哉
まぁ、
紀乃
なら、教えてあげなよ
龍哉
いやぁ、もうちょいあいつの様子見てからにする
章斗
あ、
紀乃
おっ、
紀乃
おはようございます!
章斗
おはょ、
紀乃
あの、なんで義理兄ちゃんのお姉さんが気になったんですか?
章斗
あ、その、
章斗
(大丈夫かな、下心あるとかなんとか…あーっ!もーっ!)
章斗
えっと、その人…実は、
紀乃
?
龍哉
おっはよぉぉぉぉっ!!!!
紀乃
わぁっ!?
章斗
わっ、なんですかいきなり後ろからどついて、
龍哉
【こういうのは、俺とふたりで話せ。】
章斗
【な、なぜ、】
龍哉
【決まってんだろ!下心だよ。SI☆TA☆GO☆KO☆RO☆】
章斗
なっ!!!
紀乃
?
紀乃
どうしたの?
龍哉
いーやっ、なんもぉ
章斗
(喋り方が北海道クサイ……)
紀乃
私、バスなんで!
紀乃
それじゃ!
章斗
うん、いってらっしゃい
紀乃
いってきまーす
ブロロロロロ…
龍哉
おい、なんで昨日
龍哉
姉貴の事言ったんだ?
章斗
あー、それは…
章斗
僕の彼女だったんです…
龍哉
はぁあ?
龍哉
彼女ぉ?
龍哉
あんな女?
龍哉
ただ、顔が良くて、体いいだけの、外見女じゃん!
章斗
そ、そうだけど…
章斗
ちゃんと、中身もいい人…
龍哉
はぁ、お前…騙されてるよ、
章斗
え?
龍哉
あいつは、性格がわるい。
龍哉
外に出ると、急に猫を被るんだ。
章斗
つまり、僕はその、猫かぶりに、騙され続けてきたってこと?
龍哉
うん、
章斗
最近…会ってないから、
龍哉
は?だって、ここに引っ越したのも、あいつから逃げるだけじゃねぇの?
章斗
いや、会社の…
龍哉
はぁぁぁあ…
章斗
!?
章斗
な、なんだよその溜息…
龍哉
いや、お前見た目ガリ勉系のイケメンなのに、中身ドラえ○んの、の○太だな。
章斗
なっ!!!
龍哉
ま、せいぜい、最後には苦しい目を見るぜ。
龍哉
それを避けるには今からでも……
章斗
いや、今辞めるより…確認してから、決める
龍哉
お前の好きにしろ
章斗
……っうん、