テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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VAL組の日常

第3話 - VAL組とエドガー

105

2023年10月04日

#第5人格

#第五人格

#連載

かしえら

－ルカの自室－

ビクター

ん……！
「ルカさん、お邪魔します…！」

アンドルー

おいルカ、来てやったぞ…。

ルカ

2人とも、来てくれたかい。

ルカ

まぁ、座ってくれ。

ルカ

急に呼び出して悪いね。

アンドルー

全くだ、急に呼ばれたから何事かと思ったぞ…。

ビクター

ん……。
「ルカさん、どうしましたか？」

ルカ

ようやく、例のものが出来たんだよ。

アンドルー

例のもの？まさか…。

ルカ

そう、

ルカ

この前言っていた研究中の物が出来たのだよ！

ルカ

とりあえず、

ルカ

これを見てくれ。(奥の部屋からシーツを被せた物を押してきて)

ビクター

ん……！
「わ、何か出来たのですか…？」

アンドルー

怪しさ満点だな…。

ルカ

うっ、なかなか重いね…。(2人の場所に研究物を置いては)

ルカ

じゃあシーツを剥がすよ。(そう言って、シーツを剥がし)

アンドルー

！こ、これは……。

ビクター

ん……？
「椅子…、でしょうか？」

ルカ

ふふ、ただの椅子じゃないよ？

ルカ

これはマッサージチェアさ…！

ビクター

ん……。
「マッサージチェア…、もしかして。」

ビクター

「ルカさん、お疲れなのですか…？」

ルカ

いや、これは私専用ではないのだよ。

ルカ

ある人の依頼でね、作った物なんだ。

アンドルー

ある人…、それは誰だ？

ルカ

まぁそれは後で話すよ。

ルカ

それより、

ルカ

2人のどちらかが

ルカ

試験的に座ってくれないかい？

アンドルー

は、はぁ…？何で僕達なんだ…。

アンドルー

こんな怪しい椅子に座りたくないぞ…。

ビクター

ん……。
「僕もちょっと、怖いですね…。」

ルカ

そこをなんとか頼むよ。

ルカ

私が座ってもいいけどね、

ルカ

座りながらだと、正しい記録が書けないんだ。

ルカ

どちらかが座ってくれれば、

ルカ

この研究は完成するはずなんだ…！(目を輝かせ)

アンドルー

そんな事を言ってもな…、

アンドルー

何が起こるかわからないだろう…。

ビクター

ん……！
「じゃ、じゃあ。僕が座ります…！」

アンドルー

！？

アンドルー

ビ、ビクター…！？

アンドルー

やめておけ、何をされるかわからないんだぞ…？

ビクター

ん……。
「で、でも…、ルカさん困っていますし…。」

ビクター

「少し怖いですけど、頑張ってみます…！」

ルカ

おぉ！グランツ君、何だかすまないね…。

ルカ

じゃあこの椅子に座ってくれるかい？

ルカ

少しだけでいいからね。

ビクター

ん……！
「は、はい…！」
(緊張しながら椅子の前に立ち)

アンドルー

っ…！

アンドルー

ちょ、ちょっと待って！

アンドルー

や、やっぱり僕が座る…！

アンドルー

ビクターは座らなくていい…。(そう言って、ビクターより先に座り)

ルカ

おや、アンドルー君も座りたいのかい？

ビクター

ん……！
「ア、アンドルーさん…！」

ビクター

「僕なら大丈夫ですよ、少しだけでいいみたいなので…！」

アンドルー

こんな危険な事は体力がある奴がすればいいんだ…。

アンドルー

代わりに僕がするから…、

アンドルー

ビクターは座らなくていいぞ。

ルカ

えっと、グランツ君…。

ルカ

クレス君がこう言ってるけど、大丈夫かい？

ビクター

ん……。
「は、はい…。じゃあアンドルーさんにお願いします。」

ビクター

「で、でも…。アンドルーさん無理はしないで下さいね…！」
(心配しながら手紙を見せて)

アンドルー

あぁ、心配するな…。

ルカ

おや、クレス君。

ルカ

そう言いつつも顔が真っ青だが大丈夫なのかい？

アンドルー

い、いつもの事だ…。

アンドルー

さっさと終わらせてくれ…。

ルカ

分かったよ、それじゃあスイッチを押すね。

ルカ

っと、これだね。(ひじ掛けにあるスイッチを押して)

バチッ！！！

アンドルー

ぐっ……！？

アンドルー

な、何だ…さっきのは……。

ルカ

あっ、言うの忘れていたんだが…。

ルカ

このマッサージチェアはちょっと特殊でね。

ルカ

電流を流すタイプの椅子なんだよ。

アンドルー

は、はぁ…！？電流だと……？

ルカ

肩こりや腰痛が酷い人には効きやすいと思って試しに追加してみたのさ。

ルカ

どうだい、クレス君？

アンドルー

そう言われてもな…。

アンドルー

……まぁ少しだけ、

アンドルー

肩が軽くなったような気がするぞ…。

ルカ

ふむふむ…。

ルカ

弱めだと、少し効果があると…。(記録を取り)

アンドルー

こ、これでまだ弱めな方か…。

ルカ

おや、クレス君でも少しきついだろうか？

アンドルー

ふん…、これくらいならまだ余裕だ…。

ルカ

ふふ、流石に救助職なだけにあるね。

ビクター

ん……。
「アンドルーさん、大丈夫ですか？」

アンドルー

だ、大丈夫だ、ビクター。

ルカ

よし、次は。

ルカ

強めの威力を出させてもらおうかな。

アンドルー

！？つ、強めって…。

アンドルー

さっきより威力があるのか…？

ルカ

そうだよ、

ルカ

クレス君でも多分…

ルカ

……。

ルカ

大丈夫だろう！(笑みを作り)

アンドルー

お、おい！さっきの間はなんだ！？

ルカ

まぁこれで最後だから安心してくれ。

ルカ

じゃ、思い切って行くよ！

アンドルー

ぐっ…！もうどうにもなれ…！

ルカ

っと。(強のスイッチを入れ)

バチ、バチッ！！！

アンドルー

ぐはっ……！？

ビクター

ん……！
「アンドルーさん…！」

アンドルー

…だ、

アンドルー

大丈夫、だ……。(椅子にぐったりともたれて)

ルカ

クレス君、お疲れ様だ。

ルカ

おかげで良い記録が取れたよ。

ルカ

これで、依頼は達成しただろう。

ビクター

ん……。
「そういえば、これを誰かに渡すんですか…？」

ルカ

あぁ、バルクの爺さんにね。

ルカ

最近肩こりと腰痛が酷いらしいから、

ルカ

サバイバーが気絶するぐらいの威力がある椅子を作ったら

ルカ

エコーをくれるって聞いてね。

ルカ

金欠の私はすぐ飛びついたと言う話しだよ。

ビクター

ん……。
「そ、そうだったんですね…。」
(苦笑いをしては)

ルカ

レズニック君も作っているみたいなんだが、

ルカ

選ばれるのは1つだけだからね。

ルカ

私としてもこれは負けられないよ。

アンドルー

……おい。

アンドルー

僕をダシに使ったな…。

ルカ

そ、そんなに睨まなくてもいいじゃないか〜ｱﾊﾊ‥。

ルカ

エコーを貰ったら君にも半分あげるからさ、ね…？

アンドルー

……はぁ、

アンドルー

今は怒る気力もない…。(よろよろと立ち)

ｺﾝｺﾝ‥(ノック音がなり)

ビクター

ん……？
「ん、誰でしょうか…？」

ルカ

あぁ、私が開けるよ。

ルカ

はーい、今開けるよ。(自室の扉を開け)

エドガー

ルカ、ちょっといい？

ルカ

おや、エドガー君かい。

エドガー

あんたの部屋に忘れ物した事を思い出したから、

エドガー

ちょっと部屋に入るよ。(返事を待たずに部屋に入り)

ルカ

あぁ、構わないよ。

ルカ

って、もう入って行っちゃったか。

ビクター

ん……。
「あっ、エドガーさん。こんにちは。」
(会釈をしながら)

アンドルー

あぁ、あんたか…。(弱々しく言い)

エドガー

あれ、他にもいたんだ。

エドガー

と言うか、君達何かしてたの？

ルカ

少し研究に付き合ってもらっただけだよ。

エドガー

研究……？

エドガー

まぁいいや、さっさと忘れ物を見つけて

エドガー

部屋で絵を描かないと…。

ルカ

ふむ、今日はどんな絵を描くんだい？

エドガー

ふん…、僕が言うと思う？(忘れ物を探しながら)

エドガー

本当、ルカの部屋は散らかってるから探しにくいんだよね…。

ルカ

ふふ、褒めてくれて嬉しいよ。

アンドルー

いや、貶しているだろ…。

ビクター

ん……。
「ルカさん、ポジティブですから…。」

エドガー

あっ、あった…。(棚の上に探していた茶葉を見つけ)

エドガー

ふーん、一応保管してくれていたんだ。(茶葉を手に持ち)

ルカ

あれ、それってエドガー君の物なのかい？

エドガー

はぁ…？当たり前でしょ。

エドガー

まさかこの前、

エドガー

僕がここに来たことをもう忘れていたの？

ルカ

ん？そうだっただろうか。(考え込み)

エドガー

呆れた…。

エドガー

ルカは忘れっぽいから、どうせそうだと思ったけど。

エドガー

この前の夜、

エドガー

僕が廊下で考え込んでいたら…

－回想中－

－廊下－

ルカ

おーい、エドガー君。

エドガー

……。(考え事に集中しており)

ルカ

ん、何か考え事かい？(傍に近寄っては)

エドガー

うわっ！？

エドガー

って、ルカか…。

エドガー

何か用？あるなら手短に言ってよね。

ルカ

いや〜、用があるわけではないのだが…。

ルカ

良かったら、私の部屋でも来ないかい？

エドガー

はぁ…？どういう意味。

ルカ

何か悩んでいる様だからさ、

ルカ

私の部屋で探すとかどうだい？

エドガー

探すって、君何言ってるの…？

ルカ

勿論、次の題材の事だよ。

エドガー

！

エドガー

何で分かったんだ…？

ルカ

画家の君なら考えそうだと思っただけだ。

ルカ

で、どうするんだい？

エドガー

ふーん…。

エドガー

そこまで言うなら、行ってやってもいいよ。

ルカ

よし！勧誘成功だね。

ルカ

じゃあ、1名様ご案内〜！(そう言って、自室に案内して)

－数十分後－

ルカ

エドガー君、何か見つかったかい？(作業台の方に向きながら)

エドガー

そうだな……。(考え込み)

エドガー

……。

エドガー

駄目だ、何も浮かばない…。(落胆して)

エドガー

……。

エドガー

……紅茶、

エドガー

紅茶を飲んでひとまず落ち着くか…。

エドガー

ねぇ、ここってポットはない？

エドガー

ついでにティーカップもあれば良いんだけど。

ルカ

ん〜、一応あるよ。

ルカ

そこの作業台の横とかにないかい？

エドガー

こ、これか…。(あまり使われてなさそうなティーカップとポットを見て)

エドガー

他にそれらしき物は見当たらないし、

エドガー

仕方ないか…。(そう言いながら、自分専用の茶葉が入った茶箱をトランクから取り出し)

ルカ

おや、そのトランクケース…。

ルカ

何か入ってると思いきや、まさか茶箱だったとはね。(ちらりと目線を向け)

エドガー

僕は休憩時に紅茶を飲んでひと息ついてるだけだ。

エドガー

それの何か悪い？(作った紅茶を片手に持ち、ソファに座っては)

エドガー

と言うか、わざわざどうして僕を呼んだの？

ルカ

まぁひと言で言えば、

ルカ

作業中に話し相手が欲しいなっと思ったところだよ。

ルカ

そして廊下に出てみたら、

ルカ

丁度暇そうな人を見つけたからね。

エドガー

暇そうって、あぁ…僕のこと。

ルカ

あと今はね、設計図を書いているんだ。

ルカ

私はとある研究をしようと思ってね。

ルカ

その為なら、徹夜くらいするよ。

エドガー

……あっそ、

エドガー

せいぜい頑張れば。(紅茶を飲みつつ)

ルカ

ん？いい匂いがするね。

エドガー

当たり前でしょ、

エドガー

だってこの茶葉は僕のお気に入りなんだからね。

エドガー

ルカもこの紅茶飲みたい？

ルカ

私も貰っていいのかい？

エドガー

いいよ、だけど

エドガー

「哀れな私にも、紅茶をお恵み下さい。」と、

エドガー

言ったら紅茶をあげてもいいけど？(にやにやと笑い)

ルカ

哀れな私にも、紅茶をお恵み下さい。

ルカ

で、いいのかな？

エドガー

いや即答過ぎでしょ…。

エドガー

ルカってプライドとかないの？

ルカ

私はそんなに気にしない方だからね、

ルカ

それだけで紅茶を貰えるなら安いものだよ。

エドガー

清々しいほど、マイペースな奴だな…。

エドガー

ま、いいよ。

エドガー

特別にあげるんだから、感謝してよね。(もう1つ紅茶を作り)

エドガー

…はい、この机に置いとくね。(作業台に紅茶を置き)

ルカ

おっ、有難いね。

エドガー

それじゃあ僕は帰る。

エドガー

後片付けはしておいてね。(廊下に出て帰って行き)

ルカ

あぁ、お休み。また明日だね。

ルカ

…さて、それじゃあ1口頂こうか。

ルカ

…うむ。

ルカ

紅茶の味がするね。

ルカ

ふふ、それもそうだろうね。(クスクスと笑い)

ルカ

って、あ……。(机に茶葉が置いてあり)

ルカ

エドガー君、茶葉を忘れて帰っているね…。

ルカ

まぁきっと、本人もすぐ取りに帰ってくるだろう。

ルカ

一応棚の上に置いておこうかね。

ルカ

よし、設計図の続きを書かなくては…。

－そして現在－

エドガー

…という訳だよ。

エドガー

はぁ、説明するのって疲れる…。

ルカ

と、言うことらしいね。

ビクター

ん……。
「要するに…。」

ビクター

「前に僕達が飲んだ紅茶は、エドガーさんの茶葉…。」

ビクター

「と、言うことでしょうか…？」

アンドルー

そうだろうな、あんたが持っている

アンドルー

その茶箱の茶葉で飲んだ記憶があるからな…。

エドガー

えっ、君達もしかして勝手に飲んだの？

エドガー

確かに、やけに軽いなとは思ってたけど。

ルカ

あぁエドガー君、先に言っておこう。

ルカ

その茶箱、前の住居人の持ち物かと思ってね。

ルカ

私がうっかり、

ルカ

皆にご馳走しちゃったよ。(てへっと、舌を出しては)

エドガー

は……？

ルカ

も、もちろん悪いとは思っている。

ルカ

そのかわり、私の華麗な土下座で許してくれるかい…？

エドガー

……ねぇ、ルカ。

エドガー

鳥の三足って言葉知ってる…？(顔つきが変わり)

ルカ

な、何だろうねぇ…？

ルカ

け、見当もつかないよ…。(自室の扉にじりじりと歩み寄り)

エドガー

じゃあ教えてあげるよ、

エドガー

すぐ物事を忘れる奴のことを言うんだ。

エドガー

僕はそんな奴が……、

エドガー

1番腹が立つんだよねぇ……？(ルカに近付いては)

ルカ

お、お落ち着くんだ…！エドガー君！

ルカ

綺麗な顔が台無しだぞ？

エドガー

僕は至って、落ち着いてるよ。(にこりと表情を変え)

エドガー

あぁ、でも。

エドガー

そんなに落ち着かせてくれるなら、

エドガー

僕のデッサンのモデルにならない？

ルカ

えっ、そんなので良いのかい…？

エドガー

じゃあ場所は湖景村ね。

エドガー

半日船の上からルカを吊り下ろすけどいいよね？

ルカ

あ、あっ！！

ルカ

急に試合があった事を思い出したよ〜！(大袈裟に)

ルカ

悪いね、じゃあ私は試合に行ってくるよ。(猛ダッシュで廊下に出て)

エドガー

ちっ、やっぱり逃げたか。

エドガー

こら〜！！僕の茶葉を返せ〜！！(廊下に飛び出し、ルカの後を追い)

アンドルー

……。

ビクター

ん……。
「2人とも、行ってしまいましたね…。」

アンドルー

まぁこれはルカが悪いだろうな。

アンドルー

ふっ、自業自得だ。

ビクター

ん……。(苦笑いをして)

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かしえら

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