桜見会当日
宙
(結局やっぱり当主未定ってなったな)
宙
(まぁそっちのほうが変に波風立たなくていいけど)
紫の使用人
失礼します
紫の使用人
宙様、ご伝言でございます
宙
はい
紫の使用人
ガラッ失礼します
宙
?なんで篠崎の使用人さんが
紫の使用人
あぁやはりわかるのですね
宙
はいなんとなく雰囲気で
宙
それで?
紫の使用人
はい、我が篠崎家当主、椿様からご伝言を預かりました故、参りました
宙
はぁ、なんで俺に?
紫の使用人
さぁ私にはわかりかねます
紫の使用人
あの人の考えてることなんて(小声)
宙
?
紫の使用人
いえ、ではご伝言を申し上げます
紫の使用人
「臆することのないように、涼風宙の人生は涼風宙にしか決められない。生きているのは確かに君で生きていたいと思うことをやめないように。諦めることのないように。」
紫の使用人
「君は君が思っている以上に強くなれる。」
宙
えっと
宙
(まずい、また涙が)
紫の使用人
では、私はこれで失礼致します
紫の使用人
ガラッ
宙
ポロポロそうだったなぁ
宙
あの人は今でこそ立派な当主であるけれど
宙
昔はずっと髪が長くて、光のない目をしていた
宙
今俺も同じ目をしているのだろうか
宙
俺も彼のように変われるだろうか
宙
グスッグスッ
宙
グスッグスッ
奈良
ありがとうございます
紫の使用人
はい?
奈良
私の主人は最近思い詰めていてこの間それがほどけたと思っていたんですけど
奈良
陸様が当主会合に出ると言い出したときから少し嫌な方向に戻りかけていましたから
紫の使用人
私は主人の言うことに従っただけですよ
奈良
そうだとしてもありがとうございます
奈良
椿様にもお伝えいただけると幸いです
紫の使用人
かしこまりました
氷織
はいワンクッション
炎華
何だそれ
氷織
いや~宙のメンタル的にいるかなって
炎華
はぁ~~
炎華
でも、篠崎家?が出てきたね
炎華
当主の椿
氷織
本人は出てないけどね
炎華
でもこのあと出るじゃん
氷織
まぁね
炎華
一回締めるけどこのあとも続くよ
氷織
とりま
氷織
ばいばい
『では、ただいまより桜見会を開催いたします』
『まず、御三家当主挨拶』
椿
『皆さん、お足元の悪い中、お集まりくださり誠にありがとうございます。』
椿
『篠崎家当主、篠崎 椿です』