毒に溺れる

隼人の腕の中に抱かれたまま、碧のまぶたはだんだん重くなる

身体の力も抜け、膝の上のブランケットを握る手も、ふにゃっと柔らかくなる

うっすらと声を漏らす

隼人は首をかしげ、肩越しに碧を覗き込む

言葉に詰まるけど、自然に甘えてしまう

声も小さく、でも懇願するような響き

隼人は軽く笑い、腕をきつく締め直す

からかいも混ざっているけど、優しい声

碧は安心して、少し口が緩む

眠さと安心で、自然にタメ口になり、言葉も途切れ途切れ

隼人は肩を軽く叩き、頭を撫でる

でも碧はそんなこと気にせず、もぞもぞと腕の中で身を預ける

目は半分閉じて、もう言葉も出ない

ただ、ぬくもりに包まれ、安心感に溺れる

――ああ、このまま朝まで抱っこしててほしい

隼人は軽く笑い、ソファに深く腰を下ろす

碧の小さな体を抱きしめたまま、静かに見守る夜

隼人の腕の中で、碧はまぶたが重くなる

でも、眠りに落ちる前に、どうしても言いたいことがあった

小さな声で呼びかける

隼人は肩越しにちらりと覗く

その視線が心地よくて、碧は自然に少し体を寄せる

ぽそり、と呟く

甘え方がわからなくて、声も小さく、でも胸の奥から出た本音

隼人は軽く笑った

からかいながらも、手は碧の背中を優しく撫でる

碧はほっと息をつき、もう少し体を隼人に預ける

小さな声

ブランケットに包まれたまま、安心感と眠気に溺れる

隼人はそのまま腕を回し、頭を軽く撫でる

でも碧はもう、声を出さずに目を閉じた

胸の奥にじんわり温かさが広がり、安心感に包まれる

――ここなら、少しだけ、ずっといたくなる

静かな夜

二人の距離はもう、ほんの少しも離れていない