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ゲーム開始から数十分ほど経った頃

愛とリユは鬼の操作をしていた

リユ鬼

このエリアの広さで生存者14人は少ないね

愛鬼

そうですね、なかなか人と会いません

リユ鬼

あーるは、鬼ごっこの途中でゲームが壊れるだろうって言ってたよね

愛鬼

そうですね

リユ鬼

じゃあ、頑張って倒していこう

愛鬼

はい

2人の鬼が歩いていると、咲希のグループに遭遇する

悠羅

は…?

日二

どうして2体同時に…

咲希

と、とりあえず逃げなきゃ…!

萌架

うわあああ

4人は逃げようとするが…

ザシュッ!

ドカッグチャッ!

悠羅

日二

咲希

萌架

4人は鬼達によって殺害される

愛鬼

前回の鬼ごっこと比べると、動作が少し重いですね

リユ鬼

きっとこれが壊れる予兆なんだね

愛鬼

次の人を探しましょう

リユ鬼

そうだね

2人は新たなターゲットを求めて歩き進めていく──

12時

悠斗達のグループは武器供給エリアで食料を取ってきて、近くの教室で食事を取っている

すると、鬼が2体やってくる

悠斗

鬼が2体…?!

幽乃

逃げましょう、さすがに

幽乃

2体いるのは危険です

凜叶

そうね

悠斗達が逃げ出そうとするも、鬼達は悠斗達を追いかける

凜音

きゃあああ!追ってくるよ!!

凜音や静久は悲鳴を上げながら逃げるが…

バシュン!

風を切り裂くような音が聞こえた

悠斗

……!

静久

悠斗が振り返ると、静久の体が真っ二つになっていた

悠斗

これは少しばかり抵抗した方がいいな

悠斗は剣を構えた

幽乃

確かにそうですね

祐穂

逃げきれなさそうだしな

凜叶

仕方ないわね

幽乃、祐穂、蒼、凜叶、亜朱花も立ち向かう

幽乃

やあああああ!!

祐穂

っ……!

幽乃はナイフ、祐穂は刀で切りかかるが、鬼のうちの片方が腕を大きく振るう

祐穂はギリギリ当たらなかったが、幽乃は直撃

壁に叩きつけられ、当たり所が悪く頭から血を流す

幽乃

祐穂

幽乃っ…!

近くにいた人は固まる

その隙にもう片方の鬼が切り裂く風を繰り出す

……!

その音に早くも気づき、何人かは避けることはできたが…

凜叶

亜朱花

2人は反応が遅れて死んでしまった

凜音

凜叶…!

友花

亜朱花!!

呆気に取られる仲間達

そのうちの蒼の死角からリユが拳を振るっていたことに気付いた悠斗は蒼に駆け寄る

悠斗

蒼!!

いつぞやの逆のように、悠斗は蒼を突き飛ばす

……!

そして、振るわれた拳は悠斗に直撃する

ゴンッ!!

悠斗

っっ……!!

悠斗!!

凜音

悠斗くん!!

悠斗は自分を呼ぶ声を聞きながら意識を手放した──

ガバッ!!

悠斗が体を起こすと、そこは自分の部屋のベッドの上だった

悠斗

ここは…俺が過ごしてる部屋…

幽乃や蒼達とよく話し合いで集まるあの部屋だった

悠斗

なんで…さっき俺死んだはずじゃ…

悠斗

まさかまた新しいゲームが…?

しばらく考えていると、だんだんと眠くなってくる

悠斗

くそ…なんだ…眠く……

そして、再び意識を手放した

ガバッ!!

再び目を覚ますと、そこは同じ部屋だった

悠斗

どういう…ことだ…?

悠斗はこのままじっとしていても、また意識を失うと判断し、情報を集めることにした

立ち上がって机に近寄ると、そこにはタブレットがきちんと置かれていた

悠斗

タブレット…

それを立ち上げると、中身は悠斗がゲーム中で使っていたタブレットそのままだった

そして悠斗がタブレットを確認していると、再び眠気が襲ってくる

悠斗

あ…くそ……

目の前が暗くなりながら最後に視界に捉えたのは、タブレットに表示された12時34分の文字だった

ガバッ!!

またもや目を覚ますと、再びベッドの上

悠斗

俺…さっきまで机の前にいたよな?

きちんと机の上に置かれているタブレットを見ると、そこには15時01分の文字

悠斗

あれから30分近くが経っているのか…

悠斗

ひとまず、部屋から情報を集めよう

ただ、どこを見ても部屋の中におかしなところは無い

外へ出ようとしても、鍵がかかって開かないくらいだ

何とか情報を掻き集めようとしても、眠気が襲ってくるだけだった

悠斗

一体何分で…

タブレットに目を向けると、15時11分の文字

10分しか経っていないのか…そう思うと同時にまた意識を失った

悠斗は何回同じことを繰り返したのだろうか

時刻は17時12分であった

すると突然、部屋の様子がおかしくなる

カタカタカタ…

悠斗

なんの音だ…?

悠斗が部屋を見渡すと、部屋中のものが微かに揺れている

悠斗

地震…?

そう呟いた瞬間、揺れは大きく、立っていられなくなる

悠斗

は…?!

そして、壁や床、そして部屋の物々はまるで映像が乱れているようにぐにゃぐにゃとしだす

悠斗

これ…人が死ぬ時の…

悠斗はわーむ…すなわち吹夏の声を思い出した

私はこのゲームをぶっ壊すつもりでいる

悠斗は察する

悠斗

もしかして…世界が壊れようとしている…?

そう思うのも束の間

壁や床一面に「!ERROR!」の文字が大量に現れた

地面も地震どころでは無い激しい揺れが起きている

そして、声が聞こえる

エラー発生。

エラー発生。

莫大なシステム負荷により、ゲームの継続が不可能です。

直ちにシステムを最小稼働にしてください。

繰り返します──

何回も何回もこの声は繰り返し聞こえた

悠斗

何が…?一体どうなるんだ…?

悠斗は、疑問を抱きながら、意識を失った──

エラー発生。

エラー発生。

莫大なシステム負荷により、ゲームの継続が不可能です。

直ちにシステムを最小稼働にしてください。

吹夏

吹夏

ふふふ、計画通り

吹夏

ここでシステムを最小稼働したら計画は水の泡だけど…

吹夏

そうしてしまったら、最小稼働されたシステムは与えられ続けた負荷を軽くして、通常通りにゲームが進む

吹夏

だけど私はここで何もしない

吹夏

何もしないことで、ゲームを破壊する…

エラー発生。

エラー発生……

ゲームの継続が困難となりました。

ただ今よりシャットダウン及びデータ初期化を開始します。

読み込みデータを全て初期化します──

乱れた世界にところどころ黒い穴が空き、それは数が増えていく

吹夏

初期化されたゲームシステムは世界を維持することが不可能となり、世界が崩壊し、参加者は全員現実世界へ戻される

吹夏

さあ、結末を見せてよね

黒い穴は吹夏を、そして世界を、全て包み込んだ──

悠斗

んん…

目が覚めるとそこは……

悠斗

……俺の…家?

現実世界だった

悠斗

そうだ…みんなは…ゲームは…?!

悠斗は外に出る

そこには蒼と幽乃がいた

悠斗

蒼!幽乃!

幽乃

悠斗さん!

良かった、無事で…

悠斗

一体、何が起こったんだ…?

僕にもよく分からない

ただ、悠斗が死んだあと、残った人達と何とか鬼から逃げ切ったんだけど、そしたら急に体が動かなくなって…

動けるようになったと思ったら、世界の様子がおかしくなったんだ

幽乃

それは僕も見ました

幽乃

なんだか、エラー…とか言ってましたよね

うん…

悠斗

それは、俺も聞いたな

それで、黒い穴みたいのが沢山出てきて、それに飲み込まれて…

気付いたら、その世界に戻ってきてたんだ

リユ

あ!悠斗くんに蒼くん…

幽乃くんもいますね

悠斗

リユ…愛…

リユ

君達の疑問は僕達から説明しようか

皆さんが起きてからしていたゲームは、皆さんを仮想空間の世界から脱出させるためのゲームです

人を殺せば殺すほど、システムに負荷をかけるようになっていました

幽乃

まさか、死んでからずっと起きたり眠くなったりを繰り返していたのって…

リユ

そういうことだよ

リユ

そしてたくさんの人が死んで、システムが耐えられなくなって、世界が壊れた

そして、皆さんは無事現実世界に帰ってこれたんです

そうだったんだ…

悠斗

じゃあ、るいのと吹夏はそのためにゲームをしていたってことだったんだな…

悠斗は呟いた

そして、生きて現実世界に帰ってきたことを喜んだ──

吹夏

吹夏

……

吹夏は現実世界で目を覚まし、自分の手のひらを見た

吹夏

……帰ってきたんだ

そして、窓を開け、空を眺めながら呟く

吹夏

あのゲームは次第に消えてゆく

吹夏

ゲームのメインシステム…即ち、ゲーム内でシステムを管理する管理人を失ったからね

吹夏

メインシステムを失ったシステムは稼働できなくなって、やがて崩壊する

吹夏

これは、ゲームクリアと言ってもいいでしょう?

吹夏

面白いゲームをありがとう

吹夏

狂った脱出ゲームの製作者さん

…………

メインシステムを確認できません。

メインシステムを設定してください。

…………

メインシステムを確認できません。

メインシステムを設定してください。

…………

内蔵されたプログラムにより、ゲームを消去致します。

──ザザザッ…

ブツッ

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コメント

1

ユーザー

ついに! 壊楽ゲーム完結しましたあああああ! ご愛読ありがとうございます!!

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