この作品はいかがでしたか?
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同じクラスの道枝くん。
いわゆるイケメンで、
1年生ながらも学校で目立つ存在。
そんな道枝くんを、
後ろの席から眺めることができるこの席。
1番後ろの席ってほんっと最高だな…、
私、
中野ゆうかは、
観察するために学校に来ているようなものです。
道枝くんは眠いようで頭が揺れている。
たまに起き上がるけど、
徐々に下がっていく。
…可愛い。
ずっと見ていると、
道枝くんは思いっきり寝ピクをした。
道枝くんは自分にびっくりして起き上がると、
キョロキョロと周りを見渡している。
…待って、目合っちゃうじゃん、
…あ、
…合っちゃった、…
え、どうすれば…、
そう思ったけど、
道枝くんが恥ずかしそうな顔をしていて、
可愛い…
という単純すぎる思考に、
すぐかき消された。
てか、
目合っちゃったよ〜!
嬉しいやら恥ずかしいやらで口角が上がりっぱなし。
私は日々、
こんな感じで観察してるけど、
実は1度も話した事が無い。
だから多分、
私の存在は彼の中でただのクラスメイト。
話してみたいとは思うものの、
道枝くんはあまりガツガツ話しかけてくる系では無く、
私も人見知りなため、
接触した事が無い。
言い訳に聞こえるかもしれないけど、
もし嫌われたら…
なんて色々考えたりするわけであって、
勇気のある行動は1回もしたことが無い。
長尾謙杜
"日が良いくらいに当たってんねん…"
会話が可愛い。
スマホをいじってるフリして盗み聞き。
道枝駿佑
道枝駿佑
長尾謙杜
長尾くんがそう言うと、
"あー…"
とこちらを見てきた。
長尾謙杜
長尾謙杜
道枝駿佑
"ほんまはずい"
そう言った道枝くんは、
顔がほんのり赤くて。
…じゃなくて、
…私の名前呼んでる…?
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾くんが私の席の隣に座り、
"次の授業なんやっけ?"
と聞いてきた。
ゆうか
長尾謙杜
長尾謙杜
"いーえ"
そう、
長尾くんとは普通に喋れるのである。
長尾くんは距離感という壁を普通に壊してくるから、
席が隣なのもあり、
結構話す仲になった。
長尾謙杜
長尾謙杜
"あ、今日日直やった、"
そう行って黒板に向かう道枝くん。
こういう抜けてる部分もあるからモテるのかな。
そんな事を考えてるうちに、
"教科書63ページ開けー"
と言う声が聞こえた。
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