彼方
聞き慣れた声がして、目を開く
全く知らない、広いだけの空間
そこに、そらるさんとさっきの夢で 見た男の人がいた
真冬
やっぱり、ほんとに 夢じゃないの……?
ノア
真冬
言われるままに、男の人が持っていた 透明の水晶玉を、右手で触る
真冬
すると、僕が触った部分から、 水にインクを垂らしたように、 徐々に水色に変わっていった
彼方
横から水晶玉を覗いて、 そう言ったそらるさん
真冬
ノア
あ、また“属性”だ
けど、そんなことより……
真冬
彼方
いや、それくらい心配になるレベル
普段のそらるさんなら、魔法とか 属性とか、こんな厨二めいたこと 絶対言わないし
むしろ、僕が言って バカにされるぐらいなのに
彼方
真冬
それはもう、信じざるを 得ないというか……
彼方
徐に、自分の前に右手を 出したそらるさん
彼方
くうそうてん……?
真冬
すると、突然そらるさんの手に、 青い光が集まり始めた
段々、形になっていって……
真冬
彼方
光から現れた剣を、僕に見せてくる
真冬
彼方
真冬
彼方
えっ、何今の!!
空蒼天ってこの剣の名前? しかもあの光も何!?
アニメの中の世界みたいっ……!!
真冬
ノア
水晶を見てから答える男の人
真冬
彼方
よ、よしっ……!
真冬
そらるさんを真似て、同じように 右手を出しながら、名前を叫んでみる
……って、あ、あれ?
真冬
諦めかけたその時、突然僕の右手に、 水色の光が集まり出した
収まったと思ったら、いつの間にか 僕の手の中に、白い煙を纏った 一本の剣が
何だか、ひんやりと冷たい
彼方
真冬
ノア
氷魔法の力が……?
彼方
真冬
彼方
男の人を振り返って、 そう聞いたそらるさん
ノア
彼方
3年って、そんな長い間 “魔法使い”をやってたんだ……
彼方
そう言いながら、そらるさんが 僕から少し離れたところに歩いていく
よく分からないまま、僕も そらるさんと反対方向に向かって、 男の人の近くから離れた
彼方
真冬
声に気づくのと同時で、突然目の前に 剣を構えたそらるさんが現れる
キィン!!
真冬
何とかギリギリ、本能的に 桃雪華で受け止めた
彼方
彼方
ニヤリと笑ったと思ったら、 すぐに後ろに飛び退けられて、 また距離を取られる
真冬
彼方
真冬
急に投げナイフの形をした水の塊が、 ものすごい速度で飛んできた
真冬
走って逃げて、 なんとかギリギリ避ける
ナイフが飛んでいった方向を 振り返ると、被弾したであろう壁に、 傷がついていた
い、威力もやばっ……!?
彼方
珍しく目を見開いて、何かを ボソリと呟いたそらるさん
彼方
つ、次はなんだ……?
真冬
そらるさんの近くに、小さな水の妖精 みたいなものが4体現れた
彼方
し、死ぬ!?
彼方
“死”という単語を聞いて怯んで いると、水の妖精が、全員水の槍の ようなものを構え出した
真冬
飛ばしてきた瞬間、慌てて後ろに 飛び退けると、さっきまで僕がいた ところに、水の槍が一斉に 突き刺さっていった
こ、これ、当たってたら 本当に死ぬやつだよね……!?
彼方
真冬
そう言われても僕、戦い方なんて 何も知らないんだけど……
とりあえず、そらるさんの 動きを真似してみる?
……よし、そうしよう!
真冬
コメント
4件
そらるさん容赦ねぇーw まぁまふくんからしたらそらるさんがおかしい人になってますもんね〜w てかまふくん避けれるのがもう強いわ〜
おお…そらるさんまた容赦ない… いいぞwもっとやれ、そしてまふくん頑張れ‼️ まぁ、まだ夢だと思うのは悪くないwww そらるさんに『頭打ちました?』って 聞いてるの面白かったw 続き読んできます!