こちらは鬼怒川美葵さんによるビブリオテラー企画に則った
独断と偏見による紹介コラムです
小説とはまた違う読み物ではありますが
これを読む方にも楽しんでいただけるよう務めますので
どうぞ最後までご覧いただけますと幸いです
今回の表題は期待
今回に関してはもうただただ純粋に
続きが読みたい!という期待を前面に押し出しての
純然たるおすすめ、否、布教です
みなさんは、好きな作品はどれくらいありますか?
その中で、連載作品はどれくらいあるでしょうか
筆者はかなり積極的にいろいろな作品を拝読している自負があり
連載作品、読み切り作品ともに
かなりの量、好きな作品が挙げられます
今回はその中でも、今までご紹介した作品からすると
ちょっと異質な作家さんのご紹介になります
そう、公式作家さんです!!
公式作家さんといってもたくさんおいでですが
皆様、筆者は実は驚かす系のホラーが大の苦手
そして恋愛作品もまた苦手……
そんな筆者が推していきたい公式作家さんは
如月新一さんです
ではこの方の作品のどこが魅力的であるのか
より詳しくご紹介していきたいと思います
ご紹介するのはこちらのオカルト作品
「あやかし奇譚」
あらすじ
オカルト情報を専門に取り扱うWEB編集部
あやかし奇譚のライター・久遠は
ある女子高校生から持ち込まれた
身近な場所で起きる怪異について取材を行っていた
道行く人間に、道案内を頼むというミチコさん
案内を買って出ると異界を迷わされ
かといって道案内を続行できずに逃げ帰れば
やがてミチコさんによって異界に連れ去られてしまう
取材を終え、適当な風景写真を撮影していた久遠は
その日、道に迷ったという老婆に声をかけられる――
紹介文からも分かっていただけるとおり
こちらはホラー作品ではありません
ホラー要素を含む、オカルト作品です!
ホラーとオカルトの違いが分からないという方も
多数おいでかと思いますので
まずは簡単にご説明させていただきます
ホラーは、読者を怖がらせることを目的とした作品です
そのため読者を驚かせる演出や
精神的に追い詰める演出が存在します
それに反し、オカルトは本来、神秘的なモノや宗教色の強いモノ
怖がらせる要素もあるかも知れないけれど
ただ自然にそこに存在している、不可思議なモノ
そういったものを描写した作品です
筆者はこのオカルト物に目がなく
本作あやかし奇譚が公開された際には喜び勇みました
少々読者を怖がらせる描写はありますが
ホラーと言うより、やはりオカルト作品と表現したい作品です
この作品で筆者が驚いたのは、なによりもオチでした
オカルト、またはホラーには、なんらかの形で決着がつくものが多いです
後味の悪い作品が読者に嫌われる傾向があることも事実ですが
やはりきちんと物語を回収しているというカタルシスが
怪異や幽霊騒動は自分に降りかからないだろうという
ある種の安心感を与えてくれるからだと思われます
しかしこの作品は、その決着のつけ方がまったく違いました
多くの作品で見られる決着としては
悪霊の遺恨を断ってお祓いをする
被害者が結局全滅し、怪異が再び眠りにつく
決着したと思っていたが、実は密かに怪異が続いていた
そんなパターンが散見されます
しかしこちらは、上記三案のどれとも違う決着です
ある意味では決着をつけていないとも思えますが、主人公が
ライターである点から、第一に優先させる事項を考えれば
なるほどと納得のできる決着でした
最終兵器の助手として登場する女子高生・まじゅも
他のオカルト、ホラー作品に登場するような助手ではありません
全5話で最終回を迎えたこの作品ですが
このオチはなかなか類を見ないものではないでしょうか
いかがでしょうか、如月新一さんの作品
少しでも興味をそそり、好奇心をくすぐり
魅力の片鱗を感じていただけたのなら嬉しいです
筆者の作品である「カタヅケ屋霊異記」を読んでくださっている方は
是非、是非一度ご覧ください
当方の描くオカルトとは180度違う視点で展開される
新たなオカルトの世界が、きっと目の前に広がるはずです
読者が増えればきっと続編が掲載されるはず!
そんな期待を胸に、一度読んでいただきたい作品です!
コメント
5件
公式さん!井之上さんがより大物に見えてきました…笑 ただ話が面白いだけじゃなくて、続きが気になるってすごいですね✨✨ぜひ読ませていただきます(。ᵕᴗᵕ。)
井之上さま、ご紹介いただきありがとうございます! 私もびっくりする系や後味が悪い物語等よりも、オカルトが好きです。ご感想、自分の好みととても近く思いました…! 不可思議なものにワクワクする楽しさや、好奇心が刺激される物語にしたいな、と意識しました。オカルトの魅力はそこだと思いますので。