我々忍術学園は 基本的には皆仲良しだった
ただそれは歳が離れてればの話で
一年生と二年生
三年生と四年生
又 、四年生と五年生
僕達四年生は 己の主張とプライドが強く 特に僕達3人は人目置いていた
でも 、そんな僕たちにも 仲間が2人加わった
斉藤タカ丸と浜守一郎
滝夜叉丸に三木ヱ門は そのふたりとよく交流をしていた
そのおかげか2人は前よりも 柔らかくなり
喧嘩といっても互いで口論をしたり 同じ委員会の三年としたりしか 見なくなっていた
そんな2人をみたタカ丸さんや守一郎は 当たり前かのように笑っていた
でも 、僕綾部喜八郎は理解ができない
最近では滝は五年生に 勉強を教えて貰っていたり
逆に三木は三年生に火器を 教えていたりしていた
そんな中 、僕はひとりぼっちだった
学年でも学園でも
輪には入れてくれても 僕自身この先に進まなかった
その結果がこれだろうか
綾 _ "
僕の踏鋤の踏子ちゃんが 綺麗にふたつに別れていた
粗方検討はついていた
天才トラパーと言われるだけはあって
僕は学園中を日々 穴だらけ 、落とし穴だらけにしてきた
そのせいか 、2人よりも 嫌われる人数が多かった
きっとこの踏子ちゃんも その人たちによってこんな無惨な姿 になってしまったのだろう
今日は委員会だったか とも思ったがいまは 踏子の方が大事だった
そう思うと僕は 作法室とは逆方向の用具倉庫に 足を運んだ
綾 _ "
名前を呼ぶと 、その名の通りの 先輩が顔を出した
なんだ 、と機嫌悪く答えが返ってきた
綾 _ "
留 _ "
綾 _ "
留 _ "
留 _ "
留 _ "
その言葉はもう何度聴いたことだろう
その言葉を信じ 何度穴掘りを諦めようとしただろう
全部全部無意味だった
全部が僕を裏切った
だからもう 信じなければいいとわかった
留 _ "
キツく言われていたみたいだが ほぼ右から左へ受け流しだった
綾 _ "
留 _ "
綾 _ "
綾 _ "
僕と食満先輩が話している時
ふたつの目がじっと僕らを見つめてた
その瞬間 、踏子をああやったのは 三年生であることに気づいた
そこからどうやって 作法室まで来たかは覚えていないが どうやら委員長はご立腹だった
そのまま部屋に入ることは許されず 僕は廊下で仁王立ちの立花先輩の 説教を食らっていた
また 、そんなのも頭に入らなかった
そんなとき 、後ろから声が聞こえた
勘 _ "
勘 _ "
鉢 _ "
鉢 _ "
そういって抜けていく先輩方
僕にとって踏子ちゃんは大事だけど 周りからしたらそれはただで踏鋤で
だからあんなことが できて 、言えるのだ
然し 、僕は油断していた
気づくと僕の体制は崩れていた
作法室を除けば
びっくりしている三人が居て
藤内は目も合わせてくれなかった
そんなとき 、右頬がヒリヒリと感じた
どうやら僕は相当立花先輩を 怒らせていたのだろう
鋭い音をさほど遠くへ 行っていなかった あの先輩方にも聞かれていた
惨めだと思っているのだろう
心の中で嘲笑っているのだろう
そう思っていたとき 目の前の先輩が再度怒鳴った
仙 _ "
先輩はしまったと 言わん顔をしていたが
そんなものは至って遅い
先輩はなにか言いたげだったが 僕は謝りその場を去った
いっその事言ってしまえば 良かっただろうか
虐められ 、踏鋤を折られたと
僕も皆と仲良くなりたいだけだと
でもそう言ってしまえば 後戻りができなくなる
そうなるくらいなら いくらでも怒られてもいいし 一度くらい叩かれるのが十分
気がつくとそこは タカ丸さんの部屋だった
タ _ "
タ _ "
そこには 、僕以外の四年生全員がいた
皆 、僕の頬を見てぎょっとした
すると何かを察したのか 滝夜叉丸が席を外した
僕の身勝手な行動 僕ひとりの行動で
こんなに優秀でこんなに優しい みんなまで厄介者扱いされてしまう
そんなのは耐えられるはずがなかった
僕は彼らのためならば 趣味の穴掘りだってやめるし 真面目に生きてやってもいい
それで皆が皆と仲良くなれるなら
僕はそれでいいんだと思う
少したってから 滝は伊作先輩と立花先輩を 連れて帰ってきた
何も言わずに頬を撫で 手当をしてくれる伊作先輩
唯一僕が僕でいれる人の1人だった
彼は最後 なんかあったらいつでも言ってね と出ていった
それとは反対に 、 痛々しい頬を眺めながら
何度も何度も謝ってきた
過ぎたものは仕方がないと告げると 彼もまた寂しそうに出ていった
彼もその1人だった
僕の為に怒って 僕の為に手を上げる
そうして気付かされていく
先輩方が居なくなったあとの部屋は とてもじゃないほど居心地が悪く 僕は立ち上がりその場を去ろうとした
三 _ "
そう聞こえた
なぜそう言ってくるのか 僕は理解ができない
なぜ干渉してくるのか
なぜ他人の心配をするのか
僕だけが知らないことだった
すると再び声が上がる
浜 _ "
浜 _ "
そういってニカっと笑いかけてくる
正直言うと僕は 彼の名前を覚えていない
尾浜だか砂浜だか 分からない名前だった
それほど僕は人に興味が無い
そんなので人を傷つけることが しょっちゅうだった
だから僕は人との関わりを絶った
綾 _ "
綾 _ "
滝がなら私達もと言うところで 僕は足を進めて食堂へ急いだ
食堂には最悪な人達が集まっていた
入口の端には三年生
角っ子に座るには五年生
そして真ん中には六年生が 陣取っていた
すると用具委員長である 食満留三郎先輩が 僕の踏子を持ち寄ってきた
留 _ "
留 _ "
僕の頭を不器用に撫でてくれるが せっかく綺麗になって帰ってきた 踏鋤を先輩の胸に当てた
先輩の顔にははてなが浮かび
その場にいる全員が注目していた
綾 _ "
その瞬間 、食堂中にぐわっと 驚きの声が聞こえてきて
僕のすぐ後ろでは
言葉を失い立ち尽くす 滝夜叉丸と三木ヱ門が居た
コメント
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忍たま乱太郎のお話だ🥹💓