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春風が運ぶもの

第2話 - Chapter1〜ep2〜

2025年09月30日

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むぅす

今日は転入して２日目の登校日っ！

昨日はすっごくどきどきしたけど

隣の女の子はめっちゃ可愛くて優しそうで

前の男の子も（ちょっぴりチャラそうだけど）優しくて

（これはいいスタートが切れそうだぞ〜！）

…とはいいつつも

やっぱり教室に入るのは慣れてなくて、昨日みたいに緊張

（う〜、いけ、るな！入るんだるな！）

…あれ、るな…さん？

でしたっけ、？

はっ、はいっ！

何してるんですか、ドアの前で

そう言いながら優雅に微笑むのあさん

（お、お嬢様だ…っ）

さ、一緒に入りましょ！

どうせ隣の席なんですし

その圧倒的なのあさんのオーラにみちびかれる（？）ようにしてるなは教室に入った。

すでに教室には何人も人が来ていて、賑やかなカンジになっている

（…あれ？）

（あの席…昨日は誰もいなかった気がする…）

おっはよ〜！

るなの視線に気付いたからなのか、こっちを向いたその子は

のあさん！

おはようございます、えとさん

のあさんの方を向いて、にぱっと笑った

あれ、のあさんその子は？

あ、そうでしたね！

昨日、えとさんが休んでた時に転校してきた子です！

そう言って、のあさんはこっちを向いた。

（自己紹介しろ…ってことかな、？）

る、

るなって言います！

よろしくお願いしますっ！

わっ、かわいー！

私はえとって言います！

よろしくねーっ！

そう言って、るなの肩をバシバシと叩いた

るなさんは私の隣の席に来たんですよ

えっほんと！？じゃあ同じ班だね！

私はのあさんの前の席にいるから！

そっ、そうなんですか？

（すっごい明るくて良い子だぁ…！）

のあさんといい、えとさんといい、素敵な人たちに囲まれて感動してるるなをよそに

あっ、そーだのあさん！

唐突にのあさんに向き直ったえとさんは、声を顰めてにやっと笑った

…うりりん来てるよん♡

も、もう良いですって！

（ん？）

ほらほらっ！うりりんおはよー！

そうえとさんが呼びかけると、男友達とだべっていた茶髪の男の子がこっちを振り向いた

（…あっ！）

（るなの前の席の人だ…！）

おっ、えとさんおはよ

うりさん、おはようございます

のあさん、おはよ

（ん〜〜〜？）

のあさんの笑顔が、先ほどの“優雅”な感じではなく

なんだかとても可愛らしい女の子の笑顔になっていた

（か、かわいい…っ）

（これは…なんかありそうですね！）

（らぶの予感…ってやつですかね！？）

のあさん、よかったじゃーん！

ちょ、えとさん…！

声が大きいです…っ

（照れてる…！）

…るなさんも、

おはよう

えっ、あ、はいっ！

おはようございますっ

この時、のあさんの“らぶの予感”でうわついていたるなには

そののあさんの、ちょっぴり複雑そうな表情に、気づくことができなかった

りーんごーん

4限の授業が終わり、昼休みになった

…お昼どーすっかなぁ

じゃぱぱは今日バスケ部の昼練だし

彼奴は今日も休み…

るなさんは…

生徒

ねぇねぇ、どこの学校からきたのー？

生徒

好きな食べ物は？

生徒

好きな色は？

生徒

彼ピはいるー？

生徒

何で引っ越してきたの？

生徒

得意科目は？

転校生あるある“昼の質問責め”にあって、るなさんはオタオタしている最中だ。

（ま、だよな…)

（今日はぼっち飯かねぇ）

と、お弁当を広げようとした時

う、うりさんっ！

一緒にお昼…食べませんか？

おお、っ

びっくりした、

いーよ、一緒に食べよ

ぁ、ありがとうございますっ

隣…いいですか？

どーぞ

今となってはどこかよそよそしい感じがするが、こう見えても俺とのあさんは幼馴染

（一緒に昼食うの、いつぶりだろーな…）

（き、緊張します…っ）

隣にはうりさん、目の前にはお弁当

私にとってすごく幸せな光景が広がっている。

それもこれも、今私が座っている席の持ち主のおかげだ

…！　

ファイトッ

私の視線に気づいたのか、席の持ち主がエールを送ってくる。

（ありがと、えとさん）

のあさん最近どう？

…どうって？

ほら、部活とかさ！

至極順調ですよ！

うりさんは？

んー、俺んとこは

一緒！順調！

ほんとですか！良かったです！

（…待って、会話終わっちゃう！？）

（なんか話題…！）

（あ、）

もう直ぐ、体育祭ですよね…！

あー、もうそんな時期か

やべーわ、俺じゃぱぱみたいに運動得意なわけじゃないしー

で、でも私よりは出来るじゃないですか！

それはな…

のあさんが運動音痴なだけだと思う

…えっ

ひっ、ひどい！

はっはっ！

悪い悪い

むかっときてほおを膨らませた私が、さらに面白かったのかより一層笑ってくる

んもぅ…

いくら幼馴染だからって、揶揄うのは大概にしてくださいよ！

わかったって！

そう言って意地悪に笑う彼の顔は、まるで反省してる気配ゼロ

（まあ…）

（そういうところも良いんですけど、ね）

えっそうなの！？いがーい！！

え、そうですか、、？

ほんとほんと！あてかさ、るなさんって_____

るなさん…

やっぱ大変そうですね

後ろには、大量の生徒に囲まれて最早見えなくなってしまったるなさん

あー、

やっぱ転校生ってイベントだよなー

そうですよね、

まあ、あとるなさんってさ

…かわいい、し

…そ、うですよね、

珍しく照れた感じに笑う彼に

心がざわつく

（自分で言ったことだけど…）

うりさんはまたチラチラとるなさんを見ている

…

りーんごーん

あっ

（終わっちゃった…）

おっ、終わりか

…じゃあ、席に戻りますね

おう、また食おー！

は、はい！

そう言ってニコニコと手を振ってくれるうりさんはやっぱり素敵

（ま、席斜め後ろなんですけどね）

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むぅす

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