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春風が運ぶもの

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春風が運ぶもの

3 - Chapter1〜ep3〜

♥

42

2025年10月01日

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りーんごーん

先生

はいはい、お前ら席ついてー

先生

授業始めるぞー

先生が手を軽くぱんぱんと叩く

生徒

ちぇー、もう終わりかよー

生徒

るなちゃん、またねー!

生徒

ばいばーい!

rn

あっはい!

rn

さよなら!

rn

ふぅ〜う…

rn

疲れたぁああ

みんながいなくなった瞬間、一気に全身の力が抜ける

na

お疲れ様です、るなさん

隣の席ののあさんが、例の“優雅な”微笑みで労ってくれる

na

転校生はやはり、注目されがちですよね

rn

それは嬉しいんですけどぉ〜

人気って言われるのは嬉しいけど

人気なのは転校生だから

つまり、皆んなは「転校生のるな」が知りたい

=るなというるなにはキョーミない!?

rn

(!?!?)

rn

(天才故に、こんな事に気づいてしまうなんて…っ)

na

…?

ガビーンとすっかり気落ちしてしまったるなを他所に、先生が話を始めた

先生

さて、もう直ぐある行事があるんだが

先生

何かわかるか?

生徒

はいはい!

生徒

体育祭ー!!

先生

うーん、惜しい!

先生

その少し前にあるものだ!

生徒

はーい!

生徒

「職場体験」!

先生

その通りだ!

先生

毎年この高校ではこの時期に、職場体験を行う

rn

(職場体験!?)

その楽しそうな響きに、るなのライフは全回復!

先生

6人班でグループになってもらって

先生

そこで職場体験をする場所を決めてもらおうと思う

先生

では、早速班になって話し合ってもらおう!

「職場体験」という言葉に胸がわくわくする

rn

(たのしみ〜っ)

そんなるなの思いが顔に出てたのか、

na

何だか嬉しそうですね、るなさん!

のあさんに言い当てられてしまった

rn

はい!とっても!

na

うふふ、るなさんは初めてですもんね

na

とっても楽しいですよ〜!

jp

おーし、じゃあ

jp

早速決めていきますか!

るなの前の前の席のじゃぱぱさんが指揮を取りはじめた

一応この班の班長らしい

jp

早速なんだけど!

jp

俺カフェいきたい!

jp

スター◯ックス!

rn

えっ!!!!

rn

スタ◯にいけるんですか!?

et

いけるいけるー!

et

ほら、この職場体験表見てみ

rn

ほんとだー!!!!

rn

スタ◯行きたいですー!!

スタ◯は大好きで毎日通っている

いわばるなのホームグラウンド!!(?)

jp

しかもしかも…

じゃぱぱさんが声を顰め、アヤシイ顔をする

jp

去年行ったやつによると!

jp

スタ◯のカードが無料で貰えるってウワサ!!

rn

えー!!!!

rn

サイコーじゃないですかっ!

rn

ま、まかないとかは…

そこでじゃぱぱさんは待ってましたとばかりに胸を張る

jp

もちろんあるってよ!カスタム自由だ!

rn

えええ最高です!!!!!!

ここで完璧に心が通ったるなとじゃぱぱさんは、ぐわしっと固い握手を交わした。

ur

ちょちょ、

ur

ちょっと待てって!

うりさんが慌てて入ってきて、るなとじゃぱぱさんの硬い握手をパッと離す

ur

まだスタ◯で決定じゃないよな!?

jp

えー!

jp

うり、スタ◯に何の文句があるんだよ!

rn

そーですそーです!

rn

ぶっちゃけスタ◯以外選択肢なくないですか!?

na

…いや、るなさん

na

本当にごめんなさいですけど、

na

私もスタ◯はちょっと…

et

私もかなー、

がびーーん

るなとじゃぱぱさんの上に全く同じ文字が浮かび上がる

rn

そんなああああああっ

jp

なぁんでだよおおおおっ

na

過半数反対…

na

ってことでスタ◯は不採用!

死刑宣告をされたみたいに、胸の奥にぐさっと突き刺さる

jp

でっでも!

jp

職業体験って2回行くじゃん!!

jp

せめてその中のどっちか一つはああああああああああ!!!!!

というじゃぱぱさんの最後の希望も

ur

ダメだな

na

ダメですね

et

だーめ!

3人の反対によって軽やかに押し除けられた

rn

(えとさんとかもう楽しんでますよね!?)

rn

(顔が笑らってますもん!)

na

と、いうわけで___

na

我が班の一つ目の職業体験先は、保育園に決定ですー!

わあっ、と拍手をする私とのあさん

うりりんは拍手はしてるんだけど、

何だかよくわからない表情をしている

jp

rn

ブスっと不貞腐れるじゃっぴと

口から魂が飛び出たみたいな感じのるなさん

na

では、二つ目の職業体験先をきめていきましょー!

et

おー!

et

(あれ)

et

(私以外誰も掛け声あげないんかい)

思った以上にノリの悪かったメンバーに、思わず苦笑

na

候補としては、ショッピングセンター、コンビニ、図書館、花屋…

そしてのあさんはそれを全く気にせずに続けていく

jp

えっちょっとまって!

jp

花屋!?

na

…はい?

花屋と言った瞬間、生き返ったじゃっぴをのあさんが怪訝な目でみる

jp

えっそれどこの花屋!?

na

駅前の花屋ですけど…

jp

はいはい!俺そこがいい!

ur

またなんで急に…

jp

そこの花屋でバイトしてるお兄さんがさ!

jp

もうほんっとやさしくて!

jp

俺そこがいい!

na

へえ…

et

じゃっぴが花屋行ってるとかちょっと意外

jp

なっっ

私の言葉に、じゃっぴが軽くショックを受けたような顔をする

jp

だって

jp

そこのお兄さんは恋愛相談にのるのも上手いって有名なんだぜ?

et

ふ〜〜ん

それを聞いて私、ニヤニヤ

et

じゃっぴ、好きな人いるんだ〜〜?

jp

はっ!?

jp

違うし!何でそうなるんだよ!

et

もー、照れなくていいのにー

jp

違うって!

頑なに否定するのがなんだか可愛く見えて、思わず肩をバシバシ

jp

ってぇ〜

na

いいかもしれませんね!

na

その花屋!

et

ほぇっ!?

jp

ほら、のあさんも!

ur

…俺もいいと思う

jp

ほら、うりも!

et

(どうしたんだみんなして…っ)

みんな恋愛に悩みがあるの!?

et

(ひゃー、以外…)

et

(のあさんは知ってたけど、うりりんも…?)

et

る、

et

るなさんは?

さっきまで白目だったのが元に戻るるなさん

rn

は、はいっ?

et

ほら、二つ目の職場体験先は花屋でいいかってハナシ!

rn

花屋…、ですか?

na

そうですっ!

jp

そうそう!

ur

うん

3人からキラキラの圧がるなさんにかかる

rn

も、もちろん!

rn

皆さんが行きたいなら…!

jp

うっしゃ!けってー!

na

じゃ、書いて出しに行ってきます!

ur

よろー!

るなさんの答えを聞くや否や、のあさんは神速で書いて先生のところに行った

rn

花屋…ですか…

et

(ん?)

るなさんが聞こえるか聞こえないかな声でボソッと言ったのを、私は聞き逃さなかった

et

(ていうかみんなの恋愛相談って)

et

(のあさんは…多分うりりん)

et

(うりりんとじゃっぴは、、?)

これでうりりんがのあさんだったら個人的に激アツ展開なんだけど

et

(ま、そーも上手くいかないよね)

et

(…)

et

(ってか、花屋に関しては私の意見一切スルーなんだけどぉ!?)

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