Nakamu
Nakamu
シャークん
Nakamu
シャークん
シャークん
シャークん
教師の声、
友人の声、
家族の声。
俺は、それらが大嫌いだった。
楽しそうな声を聞くとイライラするし
怒鳴り声を聞くと頭痛がする。
感情が、嫌い。
でも、俺だけ過剰反応だから、
みんなに不審がられる始末だ。
だから、
俺は耳を塞ぐ。
何があろうと、 感情移入しないように。
シャークん
シャークん
シャークん
やがてクラスメートが話しかける。
きりやん
シャークん
きりやん
シャークん
きりやん
きりやん
シャークん
きりやん
きりやん
きりやん
シャークん
きりやん
きりやん
シャークん
シャークん
きりやん
きりやん
きりやん
シャークん
もう、全てのことに興味が無い。
こうなったのは全部、
俺の家庭環境のせい。
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
古い電子ピアノ。
シャークん
シャークん
そっと機械仕掛けのピアノを開く。
ピアノが好きなのに、
この頭が痛くなるような機械音しか 出ないピアノは、
つくづく可哀想だと思う。
平坦な機械音。
俺みたいだ。
ピアノの腕は、 まあまあだと自負している。
でも、 電子ピアノには感情が出せない。
故に俺には感情が無いも同然なんだ。
鍵盤に指を叩きつけながら、 ぼんやりと考える。
シャークん
シャークん
シャークん
まるで自分がロボットになったよう。
無味乾燥な景色が見える。
無味乾燥な景色を奏でる。
この日も、早めに帰って電子ピアノを弾く予定だった。
しかし、三階の端を通り、 音楽室を通りかかった時……。
シャークん
シャークん
電子音じゃない。
自分の感情を音にできる、
グランドピアノ。
シャークん
シャークん
機械音じゃない音を 弾いてみたかった。
自分の思いを、
音楽にしたかった……。
急いで鍵を借り、 音楽室のドアを開ける。
シャークん
シャークん
緊張のあまり声が裏返る。
べ、別に怖いわけじゃねぇよ!?
シャークん
荘厳な黒光り、
それは大きなグランドピアノ。
シャークん
俺は椅子におずおずと座り、
その白い鍵盤に指を伸ばし……
Broooock
シャークん
長身の男子が入口で固まっていた。
びっくりしたように目を見開いている
その、彼、は…
シャークん
難しそうな楽譜を数枚持っていた。
俺は早くその演奏が聴きたかったが、
Broooock
の、一言に固まってしまった。
たまらず椅子から飛び退いて、 一目散に駆け出してしまった。
自分がなんて言ったかは覚えてない。
シャークん
それを最後に、
俺は帰り道についた。
Broooock
雨が降っていた。
ん?なぜ夜になってるかって?
それは……
Broooock
シャークん
Broooock
シャークん
Broooock
シャークん
シャークん
も〜支離滅裂だ。
コミュ障って辛い。
そうだよ、俺はこの人のピアノの音が聴きたくて、お願いしに来たんだ。
シャークん
俺は話した。
貴方のピアノが聴きたい。
彼は驚いていたが、嬉しそうに
Broooock
と言ってくれた。
明日、また放課後、音楽室で。
そんな約束をした。
彼の名前はBroooockというらしい。
貧しくて傘がなくとも、
彼との約束は俺の心を温めていった。
────でも。
翌日の放課後、
Broooockは一向に現れなかった。
シャークん
シャークん
シャークん
俺に感情なんてないはずなのに。
機械音しか、判らないはずなのに。
シャークん
俺はピアノに指を伸ばし、
一音、鳴らした。
Dだった気がする。
♪─────………
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
そんな当たり前の事を 忘れていた自分が、
初めて痛々しく思えてきた。
音楽は時に感情をも動かす。
俺は鍵盤を叩きながら、
ぽろぽろと零れ落ちる涙を見ていた。
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
今日も、
音楽室の鍵を開ける。
シャークん
音楽室に流れるのは、【彼方の光】。
ふわりとした和音に、 光の溢れるようなメロディー。
普通は救済の曲のはずなのに、
Broooockが弾くと悲しげに響くのは何故だろう?
悲しく、切なく、淋しく。
けれど微かに光を帯びて、
彼方に見える一遍の光のように。
絶望の闇の中に差し込む彼方の光。
ああ、Broooockは、
俺と同じ、
絶望や悲しみの中に生きているのだろうか?
だとしたら────
ぱち、ぱち、ぱち。
Broooock
ハッとしたように顔をあげる彼。
驚いてこちらを振り向く。
Broooock
Broooock。
お前に、希望が弾けないなら。
絶望の中で助けを乞うているなら。
俺に、その闇を背負わせてください。
彼方の光を、共に探し続けよう。
ああ、そうだ。
これは後日談なんだけど
軍パロの「Broooock編」にて、
星空に対してBroooockが、
「初めて僕達が会った場所」 と言った。
なぜなら…
星空は、「彼方の光」だから。
……To be continued
コメント
8件
毎回思うけど神 ありがとうございます(?)
彼方の光という曲?を初めて聞いたのでいつか聞きたいと思いました! それに作品の繋がり性を感じてとても素敵でした!!