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ワイテルズでも学パロがしたい!

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ワイテルズでも学パロがしたい!

3 - シャークん編「感情」

♥

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2022年02月22日

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Nakamu

…じゃあ、

Nakamu

次は…シャークん!

シャークん

お、俺かよ!?

Nakamu

シャークんの過去気になるな〜気になるな〜

シャークん

(うぜぇ)

シャークん

よく聞いとけよ?

シャークん

俺が学生ん時はな…

教師の声、

友人の声、

家族の声。

俺は、それらが大嫌いだった。

楽しそうな声を聞くとイライラするし

怒鳴り声を聞くと頭痛がする。

感情が、嫌い。

でも、俺だけ過剰反応だから、

みんなに不審がられる始末だ。

だから、

俺は耳を塞ぐ。

何があろうと、 感情移入しないように。

シャークん

(頭痛てぇ)

シャークん

(ガヤガヤうるせぇ)

シャークん

………っ

やがてクラスメートが話しかける。

きりやん

よォシャークん!

シャークん

あ?あぁ、きりやん

きりやん

お前、数学何点だった?

シャークん

85点

きりやん

おーやば!‪w

きりやん

2位じゃねぇか‪w

シャークん

1位の人誰?

きりやん

ん〜なんか、

きりやん

図書室に居座ってる奴らしい

きりやん

俺は知らねぇけど

シャークん

ふーん

きりやん

なんだお前‪w

きりやん

めっちゃ興味なさげやん‪w

シャークん

うーん、

シャークん

勉強は別に…気にしてねぇから

きりやん

うっわ、

きりやん

それで数学85点かよ‪w

きりやん

お前イヤミにも程があるわ‪w‪w‪w

シャークん

‪w‪w

もう、全てのことに興味が無い。

こうなったのは全部、

俺の家庭環境のせい。

シャークん

(汚い部屋)

シャークん

(汚い持ち物)

シャークん

(……そして)

シャークん

古い電子ピアノ。

シャークん

……

シャークん

弾くか

そっと機械仕掛けのピアノを開く。

ピアノが好きなのに、

この頭が痛くなるような機械音しか 出ないピアノは、

つくづく可哀想だと思う。

平坦な機械音。

俺みたいだ。

ピアノの腕は、 まあまあだと自負している。

でも、 電子ピアノには感情が出せない。

故に俺には感情が無いも同然なんだ。

鍵盤に指を叩きつけながら、 ぼんやりと考える。

シャークん

(あれ……)

シャークん

(俺は…俺のピアノは…)

シャークん

(ただの…機械音……?)

まるで自分がロボットになったよう。

無味乾燥な景色が見える。

無味乾燥な景色を奏でる。

この日も、早めに帰って電子ピアノを弾く予定だった。

しかし、三階の端を通り、 音楽室を通りかかった時……。

シャークん

……

シャークん

ピアノ……

電子音じゃない。

自分の感情を音にできる、

グランドピアノ。

シャークん

鍵…借りてみるか

シャークん

弾いても…いいよな?

機械音じゃない音を 弾いてみたかった。

自分の思いを、

音楽にしたかった……。

急いで鍵を借り、 音楽室のドアを開ける。

シャークん

し、

シャークん

失礼します!

緊張のあまり声が裏返る。

べ、別に怖いわけじゃねぇよ!?

シャークん

……!

荘厳な黒光り、

それは大きなグランドピアノ。

シャークん

………

俺は椅子におずおずと座り、

その白い鍵盤に指を伸ばし……

Broooock

……え?

シャークん

っ!や、べ

長身の男子が入口で固まっていた。

びっくりしたように目を見開いている

その、彼、は…

シャークん

(楽譜……?)

難しそうな楽譜を数枚持っていた。

俺は早くその演奏が聴きたかったが、

Broooock

…だ、誰……?

の、一言に固まってしまった。

たまらず椅子から飛び退いて、 一目散に駆け出してしまった。

自分がなんて言ったかは覚えてない。

シャークん

し、失礼します!

それを最後に、

俺は帰り道についた。

Broooock

ちょ…!

雨が降っていた。

ん?なぜ夜になってるかって?

それは……

Broooock

…あ

シャークん

あ、あの

Broooock

君はさっきの…

シャークん

(うわああ貴方のピアノが聴きたいので3時間待ってましたとか言えねえええ)

Broooock

(な、なんで雨の中傘も差さずに…)

シャークん

あ、あのっ

シャークん

お、俺、いや、僕っ、

も〜支離滅裂だ。

コミュ障って辛い。

そうだよ、俺はこの人のピアノの音が聴きたくて、お願いしに来たんだ。

シャークん

……あの

俺は話した。

貴方のピアノが聴きたい。

彼は驚いていたが、嬉しそうに

Broooock

う、うん…いいよ!

と言ってくれた。

明日、また放課後、音楽室で。

そんな約束をした。

彼の名前はBroooockというらしい。

貧しくて傘がなくとも、

彼との約束は俺の心を温めていった。

────でも。

翌日の放課後、

Broooockは一向に現れなかった。

シャークん

な、なんでだ…

シャークん

俺が聴いてたら…嫌なの…か

シャークん

……

俺に感情なんてないはずなのに。

機械音しか、判らないはずなのに。

シャークん

っ、くそ!

俺はピアノに指を伸ばし、

一音、鳴らした。

Dだった気がする。

♪─────………

シャークん

っ……!

シャークん

(悲しい…音)

シャークん

(そうか……)

シャークん

(俺が悲しい気分だから)

シャークん

(悲しい音楽になるのか)

そんな当たり前の事を 忘れていた自分が、

初めて痛々しく思えてきた。

音楽は時に感情をも動かす。

俺は鍵盤を叩きながら、

ぽろぽろと零れ落ちる涙を見ていた。

シャークん

(あれから3日)

シャークん

(ぶるーくは全然来ない)

シャークん

(学校にも、来てないみたいだ)

シャークん

(でも、)

シャークん

(俺に出来ることは)

シャークん

(信じて音楽室へ通うのみだ)

今日も、

音楽室の鍵を開ける。

シャークん

………!

音楽室に流れるのは、【彼方の光】。

ふわりとした和音に、 光の溢れるようなメロディー。

普通は救済の曲のはずなのに、

Broooockが弾くと悲しげに響くのは何故だろう?

悲しく、切なく、淋しく。

けれど微かに光を帯びて、

彼方に見える一遍の光のように。

絶望の闇の中に差し込む彼方の光。

ああ、Broooockは、

俺と同じ、

絶望や悲しみの中に生きているのだろうか?

だとしたら────

ぱち、ぱち、ぱち。

Broooock

……!

ハッとしたように顔をあげる彼。

驚いてこちらを振り向く。

Broooock

シャークん……

Broooock。

お前に、希望が弾けないなら。

絶望の中で助けを乞うているなら。

俺に、その闇を背負わせてください。

彼方の光を、共に探し続けよう。

ああ、そうだ。

これは後日談なんだけど

軍パロの「Broooock編」にて、

星空に対してBroooockが、

「初めて僕達が会った場所」 と言った。

なぜなら…

星空は、「彼方の光」だから。

……To be continued

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