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いや、いいんだけど 別に全然いいんだけど 私にどうこう言うアレはないし
でもなんか気に食わないのは なんていうか。なんていえばいいのか
任務終わりにパンダと窓の店で飯を食い、学長のとこ行くパンダと別れ そのままトレーニングをし、風呂に入って自室に戻ろうとしたところで共有スペースに頭が二つ並んでるのが目に入った
自分でも珍しく動揺したのがわかった なんていうか、そういう感情を持った自分に吃驚した
真希
悠仁
並んだ頭の一つだけが振り返り 小声の返事に、やっぱりそうかと納得した 悠仁の肩にもう一つの頭、野薔薇がもたれかかっている 多分、寝てしまったんだろうって後ろから見て思ってたけど。なぜかホッとする 傍から見てもこの二人は仲が良い 地方出身だからなのか、ただ単のテンションが似てるのか分からないけど。 わちゃわちゃしてるのをよく見てたから
正面のソファに腰掛けて、改めて見るとサイズがやっぱちょうどいいよなぁなんて思ってもない事を考えて、 つい、イラついてしまう
真希
悠仁
寝ちゃっただけですよ、と屈託なく笑う虎杖にふぅんと返して、黙る。実際どうなんだ?
野薔薇は私にしょっちゅう引っ付くし好きって言うし、懐いてるけど。 そういうのとは違うだろ
悠仁のことが好きだったりはしないんだろうか ていうかそもそも好きでもないヤツにもたれかかって寝るとかあるんだろうか。
悠仁
真希
悠仁
真希
悠仁
真剣な顔で言う悠仁に吹き出しそうになった とりあえず、殴られることが多いらしい
真希
悠仁
真希
悠仁
真希
悠仁
今度は流石に吹き出した。 どうやら本当に困っているらしい 一応釘崎女の子だし、と放置は選択肢にないのはこいつの優しいところだなと思う
ソファから立ち上がり悠仁とは反対側の野薔薇の隣に座って、自分の方に体を引き寄せると、いとも簡単に私にぽすっと寄り掛かる。 ここまで爆睡してんのも珍しいな。
悠仁
真希
悠仁
真希
悠仁
立ち上がった悠仁が神妙な顔で見てくるから何だ?と首を傾げる
悠仁
真希
悠仁
真希
悠仁
にししっと歯を見せて それじゃ、と悠仁は颯爽と去っていき。 私には多少の優越感と戸惑いが残された
私の話ばっかりする野薔薇も、 一緒に居ると嬉しそうな野薔薇も知っている 知っているけど、他の奴も知っているのが気に食わないと思ってしまうのは、 きっと言わない方がいいんだろう
私はこんなにこいつに対して独占欲があったのか、とため息がもれた。
よく分からないイライラもモヤモヤも 野薔薇に対してしか働かない わかってる、けど。
口にも態度にも 出してはいけない気がしてた まだ。
野薔薇
真希
身じろぎをする野薔薇に努めて優しく、 小声で呼びかけると 真希さん、と名前を呼ばれたから起きたと思ったのに。そのまま私の膝に頭がずり落ちてきて、また静かになった お腹に抱き着いて、すやすや寝息を立てる姿にキュンとしてしまう。 かわいい。
サラサラ髪を撫でて思わず笑みが零れる 今のところ、野薔薇の一番らしい 好かれてるのわかってる 特定の、私とは違う基準の好きはまだいないから、こうしていられる
わかってるっつーの
いつまでも続くわけでもない。 この関係も。 まして私たちは命を懸けてる いつか、とか。また今度とか。そういう曖昧な未来の話はしない方がいいし。 生き方は決めているから、ぶれたりしないけど
たまに考える。 いつかの未来に野薔薇も居れば。一緒に、今みたいに笑い合う関係で居たい 野薔薇の一番が私のままであればいいのに
真希
伝えないまま、現状維持なんて虫が良すぎる 悠仁と一緒に居るだけで動揺するぐらいには私は…たぶん、
野薔薇
野薔薇が、もぞっと動く 相変わらず手触りの良い髪を撫でながら見守っていると、パチっと目が開いて。 首が動いて、野薔薇と目が合う
真希
野薔薇
真希
野薔薇
てっきり起き上がるかと思っていたのに 野薔薇はそのまま固まった
真希
野薔薇
真希
野薔薇
もそっと私の腰に回されていた腕を解いて仰向けになると浮いていた私の手を捕まえてそのまま野薔薇の手に包まれる 妙に気恥ずかしい
真希
野薔薇
真希
野薔薇
しくじった、みたいな顔をして 一応悠仁の身の安全を確保してやろうと 注意すると、苦笑いして目を逸らした
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希さん優しいって、野薔薇が嬉しそうに笑ったのも束の間。すぐに眉間に皺を寄せてガバっと体を起こした。なんだ?何かに気を障ったのかと少し焦る
真希
野薔薇
真希
野薔薇
急に、真剣な顔で私を見てくる野薔薇に面食らう。でも、さっきまでのテンションと違い過ぎて吹き出してしまった。元気ですかって…見ればわかるだろうに
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
心配を笑われたことが気にいらなかったらしい。野薔薇はぷくっと頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。可愛いやつだなぁ 宥めるように頭を撫でて謝れば、 チラっと私を見る目はすでに緩んでいた
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
ぶーぶー言いながら、それでも野薔薇はまた私の太腿に頭を置いて唸る
もっと甘えて欲しいと思い始めたのは いつからだっただろうか 日頃の野薔薇からのスキンシップに 物足りなさを感じてしまったのはいつだ?
私から何かするには、つい何でもかんでも野薔薇が甘えたがるからというこじつけが必要で…拒否されないように野薔薇をからかってしまう
こんな風に懐かれることも 誰かを、独り占めしたいと思うのも 慣れていないから。理由と逃げ道が必要で 格好悪いな
真希
野薔薇
まだ少しぶーたれてる野薔薇に笑って表面上は余裕たっぷりに 内心はびくつきながら、 少しだけいつもより多めに息を吸い込んだ
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
急にそわそわする野薔薇に 断られなくてよかったと安堵すると 同時に下心のおかげで罪悪感も膨らんだ
慕ってる先輩
好きな後輩
気持ちのズレは罪悪感が生じる でも、多分…世の中みんなそうだろうって少しだけ自分を応援してみたりして
私が想像する都合のいい未来に 近づくことができればいいのに
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
少し頬が赤く染まっている野薔薇に いつもは小さくなってる下心がここぞとばかりに顔を出してきて、私はそれを今日は抑えないでおこうと思えた。たまにはこんな日があってもいいはずだ
明日も明後日も、 こんな毎日が続くわけじゃないんだから
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
それは反則過ぎる、照れ顔最高かよ、と野薔薇は手で顔を覆って照れている。これは了承と受け取っていいんだろうか。 いいんだよな?うあーと唸り続ける野薔薇の顔を隠したままの手を掴んで、握って、下ろさせるいつ触れても、華奢な手だな
真希
野薔薇
真希
野薔薇
視線を泳がせて、いかにも恥ずかしそうな顔が可愛い その顔も…私だけに見せてほしい
握ったままの手に少し力を込めたら 野薔薇も握り返してくれて、心臓が痛くなる これがキュンというやつか。 どんなに鍛えても、この痛みはきっとなくならない気がする
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
もしかして、私は焦っているんだろうか 野薔薇に特別ができてしまう前に 一番じゃ、なくなる前に
毎日を約束できる関係になりたい
…まだ、何も果たしていないのに 求めてるのはきっと間違ってる わかってる。わかってるけど、
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
真希
精一杯、先輩の声で言う また逃げ道を作る いや、もう…抑えてられないよな、こんなの
もういい。どうでもいい。 私だけの野薔薇で居て欲しい 握った手をするっと放して、野薔薇の背に添えて、ぐいっと起こして抱きしめる
あークソ。 心臓が、痛い。 「野薔薇だけだ」 情けないことに声が震えた
どうか、どうか、 野薔薇にも同じものを返して欲しい 私だけを、後輩としてじゃない 慕ってるってだけじゃないものを聞きたい
野薔薇
真希
野薔薇
真希
野薔薇
体を固くしてた野薔薇は一瞬びくりと震えておそるおそる、私の背に手を回してくれた 都合よく解釈してるのは私もだ
野薔薇
真希さんが、と野薔薇が言いかけて止まった 同時に気付いてなかった視線を感じて振り返ると、悠仁が廊下の向こうからこっちを覗き込んでいるのが見えて、
思いっきりべりっと野薔薇を剥がしてしまった
悠仁
とても申し訳なさそうな声と態度で 悠仁がびくびく震えている 私が探すより早く、野薔薇が素早い動きでテーブルに置いてあった携帯をぶんっと凄い速さで投げると、スコーンと悠仁の額に突き刺さった
野薔薇
言うのが早いかソファの背もたれを飛び越えた野薔薇の腕を、慌てて掴んで少し引き寄せる
真希
野薔薇
真希
野薔薇
顔を真っ赤に染めて、それでも野薔薇は 踵を返して猛ダッシュで悠仁を追いかけていった 核心をついた言葉はお互い言ってない
それでも、ただの先輩後輩じゃないものを持っているのは伝わったはずで、思わずにやけてしまった。野薔薇も…そうだったのか。
変わらない未来が欲しいわけじゃない ただ、未来に野薔薇が居て欲しい 唯一の特別が欲しい
変えた関係に何が起こるかなんてわからないけど 私は野薔薇の1番で在り続けたい
真希
見られたのが悠仁で良かったと思う そう考えるとちょっと気の毒だけど 明日にでもジュース奢ってやろう、と密かに決めてソファから立ち上がった
ーENDー