月星
月星
転校生が やって来た 日
あたしは 保健室のベットに腰かけ 大きな欠伸をしていた
月星
月星
先生
月星
先生
先生
月星
先生
月星
先生 と そんな おしゃべりを するが そんなに楽しくなくて、
月星
とまた 欠伸をする
月星
月星
先生
先生
寿命が近いじゃないの
月星
あたしは か細い声で そう言った
あたしは ある不治の病で 生きれるのが あと少ししかない
医者によると、
月星
月星
先生
保健室の せんせ は
長い まつ毛を 伏せて 呟く
月星
月星
月星
先生
先生
月星
先生
あたしは 強がるも、
最近 だんだんと 感じてきた
もうあたしの体は 長くないのだと
あたしは 昔から 心配されるのが とても嫌いで
だから この 弱いからだを 人に 見せたくなくて
ずっと 強くなる為に、
……強く見せる為に、 昔から 鍛えてきた。
月星
月星
月星
先生
先生
月星
先生
月星
あたしは 小学生の頃から 体が弱く
まとも に 学校も行かなくて 勉強が からきし できない
高校 の 範囲なんか 何も判らないから、
最近は 授業を 保健室で休み
代わりに 保健室の 先生と一緒に 勉強の おさらいをしているのだ
月星
月星
先生
月星
月星
月星
先生
先生
月星
あたしは 心底 つまらなさそうに 相槌を打つ
ガラガラガラ
急に 保健室の 扉が 開いた
月星
綺麗な白髪、
切れ長の 儚げな水色の瞳
夢斗
先生
夢斗
彼は、 先生に向けて小さく会釈をした
月星
月星
夢斗
月星
あたしは 渡された スケッチブックを 見て、
さらさらと シャーペンを 走らせる
月星
月星
夢斗
月星
夢斗
サボり? と疑うような じとっとした 視線を 向けてくる むと
月星
そう 大きな声で 言ってから、
ハッと 口を噤む
月星
月星
夢斗
先生が さっと いなくなる
実に 気まずい 2人きりの空気 になって 仕舞った
夢斗
むとは
綺麗で いつまでも 眺めることができそうな
丸文字で あたしの 痛いところを ついた
月星
夢斗
夢斗
月星
なによそれ
自分から 平気で そんなことを言う むとに
無意識に いらつく
月星
夢斗
あたしは 思わず そう 叫んでいた
途端、 ゲホゲホと 咳を繰り返す
月星
夢斗
月星
パチンッッと 甲高い音と共に
あたしの ヒステリックな 叫び声が 保健室に響く
夢斗
月星
月星
夢斗
ゆっくりと 口を大きく開けて 言うと
むとは 頷いた
そして
月星
月星
夢斗
勢いよく 手話を 繰り返す 彼
月星
夢斗
むとは
歯を 食いしばり、 切れ長の目を 精一杯 見開いて
左手をパーに して
その手のひらの 真ん中を 右手の 人差し指で グリグリと 押し
そしてその状態で 両手を 前に 押し出す 動きをした
月星
夢斗
月星
夢斗
夢斗
あたしの 質問を 首を傾げて 避けて
むとは 笑顔で 出ていった
月星
月星
あたしは 座っていた ベッドに 体を 任せ
深い眠り に 落ちていった
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