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恥の多い生涯を送ってきました。
俺は、人間の生活というものが解らないのです。
修治
自分は、空腹も、怒りも、
そればかりか、幸福も不幸も無かった。
何も、何も解らない。
それでも、人間の世で生き残るために
俺は”道化”を演じ続けた
時に「お腹が空いた」と笑い、
時にわざと失敗し、
時に人の真似をして怒る…
俺は常に周りの人を”模倣”して生きていた。
…ただ1人、俺が本気で怒れる人が居た。
文治
文治
俺の兄にして津島家の長男・「津島 文治」だ。
父さんの向こう見ずな性格を模倣した俺は、母さんのような冷静さを持った文治とよく喧嘩した。
アイツはよく、政治家になりたいと言っていた。
対して、俺はなりたいものすら見つけられず、
やっと見つけた答えが「漫画家」だった。
そしてもう一つ
俺は志賀直哉と文通していた。
はじめは、志賀の方から1通の手紙と、本が贈られてきた。
志賀から贈られてきた本が漫画だったから、俺は漫画家を夢見た。
その本が面白いと感じた俺は、少し長めの手紙と俺の好きな小説を志賀に贈った。
…まぁ、紛争がはじまって敵同士になってから勿論文通もしなくなった訳だけど…
だけど一つ、問題があるとすれば…
女中や下男による俺への性暴力に関してだ。
俺は幼い頃からアイツラに哀しいことを教えられ、犯されてきた。
父さんにも母さんにも、文治にも言えることじゃなかった。
何故なら俺は道化だもの。
俺が”変わった”と自覚したのは
6歳の時…
檀
作之助
安吾
コイツラが俺の家に奉公しに来た時からだった。
織田作達は、自分らを「八百比丘尼」という不老不死を持った妖だと言った。
だが、妖でありながら妖を祓う力を持っていた故、妖の集落を追放されたらしい。
俺はこの時
「人も妖も、根の部分は何も変わらないのだ」と思った。
危険分子は、即座に排除する…
そして…出る杭は打たれる。
作之助
修治
檀
安吾
俺はよく、3人を俺の部屋に招き
くだらない話をしては笑っていた。
この3人の前では、貼り付けた笑顔で無くても綺麗に笑うことが出来たような気がした。
時に、彼らは妖の身から見た人間を語ることもあった。
俺は、”人間の形をした妖”のようなモノである。
2128年 6月19日
俺の家族は、志賀家によって殺された。
俺は”斜陽族”となった。
幸い、俺は織田作と安吾と檀に助けられ、
兄の文治も、逃げたという。
「家族と、大切な人と過ごす」…
それが俺にとっての”幸福”だと分かった。
幸せの道は、永遠に続いてるわけじゃなくて
本当は、その道は硝子のようなモノで出来ていて…
少し触れただけで、壊れてしまうような…
そんな、脆い道だった。
当たり前の幸せでさえ、俺の前で壊され、奪われた。
修治
「幸福は、幸福を問題にしない時のことを云う」
修治
その後、俺達は「無頼派」という名で百鬼夜行に対抗する陰陽師集団を結成した。
百鬼夜行の動きは目に余るもので、時に、”政府も関与しているのでは”と思うほどだった。
作之助
修治
ふと「堕罪」という言葉がよぎる。
修治
修治
檀
安吾
そして…俺が12歳になったある日、事件は起きた。
その日は、安吾と織田作は張り込みに出かけていて
俺達が拠点としていた廃墟には俺と檀だけだった。
俺は、少し前に檀から教わった炒飯を作っていた。
家にいた頃は、料理なんて自分で作ったことがなかったから、最初のうちは手を切ったりしてしまっていたが
段々と慣れてきて、炒飯くらいなら1人で作れるようになってきた。
そして、張り込みに行ってる2人の分も作り終わった時だった。
檀
修治
薄暗い廃墟に、”銃声”が響いた。
俺が見ると、檀は血を流して倒れていた。
修治
俺は、銃声が聞こえた方を見た。
大人達
修治
大人達
大人達
修治
大人達
大人達
大人達
修治
修治
檀
大人達
大人達
修治
修治
檀
俺は”感情”を得た。
家族が死のうが没落しようが泣かなかった俺が
友人が傷つけられて涙を流すなど、誰が想像できたろうか。
大人達
大人達
大人達
大人達
そう言って、そいつは俺に銃を向けた。
檀
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ サ | カ ス  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
大人達
気付くと、俺を襲ってきた大人達は銃で頭を貫かれていた。
当時12歳だった中也が、銃声を聞きつけてここに来ていなければ、俺は間違いなく殺されていた。
幼き頃の中也
修治
檀
幼き頃の中也
幼き頃の中也
修治
幼き頃の中也
幼き頃の中也
作之助
安吾
幼き頃の中也
修治
幼き頃の中也
幼き頃の中也
修治
幼き頃の中也
檀
作之助
安吾
修治
修治
幼き頃の中也
その時の中也は、とても嬉しそうだと俺の目に映った。
それから3年後…圭吾がここに来る一ヶ月ほど前の話だ。
太宰
中也
太宰
中也
中也
太宰
中也
中也
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
みすゞ
久作
晶子
圭吾
太宰
太宰
太宰
圭吾
圭吾
圭吾
圭吾
太宰
彼は、”常識”と云うモノに囚われ、苦しめられてきた。
…だけど、もしも私が彼と同じ場に生まれていたのならば
どこまでも人間であろうとする彼の生き様を美しいと思い、惹かれていたのだろう。
…今も、そうなのだから…
圭吾
圭吾
圭吾
太宰
みすゞ
晶子
圭吾
圭吾
太宰
圭吾
圭吾
圭吾
圭吾
太宰
太宰
その時だった。
大人達
太宰
圭吾
みすゞ
晶子
久作
大人達
大人達
大人達