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あー

何もかも全部

めちゃくちゃになればいいのに。

夏休みが開けて数週間、まだ外は暑い。

夏希

葵〜

夏希

はよ〜!

あ、ナツ。

おはよっ

下駄箱の前は、より一層混雑する。

私の嫌いな場所だ。

今日テストだ、ナツ勉強した?

夏希

え、うそ。まじ?

夏希

やってない!え、お願い教えて!

もー、手遅れだって笑

夏希

お願い!欠点だけは!!

はいはい笑

こんなふうにいつもの朝が始まる。

夏希

葵〜

夏希

きょー、カラオケ行かん〜?

夏希

って、あれ

夏希

またいない…

里奈

まぁ、あいつ自由人だし、

里奈

あたしらだけで行こ!

夏希

ちぇっ

夏希

そだね〜

カシャン(フェンスに腰をかける音)

はぁ…

退屈だなぁ〜

なんか世界的ニュースになるような事起こんないかな〜

ブー ブー

へいへい…

~♩♬︎(ピアノの音)

ショパン…

告別…

あれ、なんでここに…?

まるで流されたかのように下駄箱の前にいた。

ピアノ…もうなってない

なんだろ、

ふわふわして夢の中にいるみたい。

え、

なんで誰もいないの…、

いつこの時間なら部活帰りの生徒や 犬の散歩をしているおじいちゃん などがいるはず。

なにこれ、気持ち悪

その気色悪い感じに思わず駆け出していた

ほんっと何?

誰もいない…!

え、これってもしかして、

異世界ってやつ?

そんなこと、笑

…シーン

〜〜もうッ!

はぁ…はぁ…はぁ…

何となく、嫌な予感がしたので来てしまった。

神様

お願い。

無礼なことをお許しください。

私の家は神道だから 神社に行く時はいつも厳しく言われていた。

鳥居をくぐる前に1例。

くぐる時は左。

12年前

葵(当時5歳)

ふぇっ…うっう…

おばあちゃん

こんなんで泣くんじゃありません。

おばあちゃん

立派なお嫁さんになれませんよ。

おばあちゃん

さぁ、しっかり。

おばあちゃん

正しくやりなさい。

葵(当時5歳)

くぐる前に一礼…

葵(当時5歳)

うっ…

葵(当時5歳)

くぐる時は左側、

そう言って右足を踏み入れようとした

おばあちゃん

これ!葵!

おばあちゃん

違います!

葵(当時5歳)

うっ…

おばあちゃん

いい?

おばあちゃん

よくお聞き

おばあちゃん

鳥居をくぐる時は、端っこを通るの。

おばあちゃん

最初に出す足は柱に近い方から。

おばあちゃん

でも、今みたいに混雑していて

おばあちゃん

真ん中を通らないといけない時は

おばあちゃん

左足からなの。

おばあちゃん

進左退右って言うの。

葵(当時5歳)

しん…さ、たいゆ…?

おばあちゃん

そう。

おばあちゃん

真ん中を通る時は、神様に感謝の気持ちを込めて

おばあちゃん

入る時は(進)左足。

おばあちゃん

出る時は(退)右足。

おばあちゃん

決まりなの。

葵(当時5歳)

へぇー、なんで真ん中はダメなの?

おばあちゃん

神様の通り道だからよ。

おばあちゃん

神社っていうのは、神様のお家。

おばあちゃん

勝手にお邪魔して、礼儀も悪いなんて

おばあちゃん

神様が怒るのよ。

おばあちゃん

だから、神様、失礼します。

おばあちゃん

と、深く敬意を込めて通らないといけないの。

おばあちゃん

神様に守ってもらうには、

おばあちゃん

神様に経緯を払わないといけない。

おばあちゃん

だから葵。ちゃんと正しく覚えなさい。

おばあちゃん

いつかきっと神様が救ってくれるわ。

祖母はそういい優しく微笑んだ。

今の…

笑っ…た…?

昔のことを思い出し、礼法通りに 参殿まで来た。

神様。どうなっちゃったの?

誰もいないの。

神主さんもいない…

おばあちゃん…

その時だった

葵(当時5歳)

ん…

葵(当時5歳)

おばあちゃん

葵(当時5歳)

おばあちゃん!

おばあちゃん

葵…

葵(当時5歳)

おばあちゃん!待って!

おばあちゃん

来ちゃダメだよ。

おばあちゃん

あおいはいい子だから

おばあちゃん

きっと神様が守ってくれるよ。

ーーー!

ーーー!

ーーー!

...♪~♩♩(ピアノの音)

ショパン…

告別

目の前が急に白くなり、チカチカする。

~♩♪♬.(ピアノの音)

ん…

ここは、保健室…?

あれ、私確か、参殿に…

重くだるい体をゆっくりと起こす

ウー、カンカン

ピーポー ピーポー

夏希の母

うぅ、夏希…!

な、

巡査

奥さん、離れてください。

に、

巡査

危険です。

これ…

巡査部長

応援を頼む

はぁ

はぁ

はぁ

はぁ

はぁ

はぁ

はぁ

ヒュッッ

はぁ、はぁ

はぁ、はぁ、はぁ

キーーーーン(耳鳴り)

2021年8月9日

夏希

駅前のカラオケいるから見たら来ること!

夏希

葵〜?

夏希

ちょっと、マジでなにしてんの?

夏希

シカト〜??

夏希

ちょっといい加減にしてよ

夏希

なんかあったん?

夏希

ちょ、大丈夫?

夏希

学校行くわ

夏希

見たら返信ちょうだい。

夏のよく晴れた日の事だった。

ナツ…

里奈…

お母さん…

おばあちゃん………

キーーーーン(耳鳴り)

うっ…

おばあ、ちゃん…

シ━━━ン

また、

この夢…

あの日、あの事件のあとから

私はずっとこの夢を見ている

目が覚めたら

そこには廃れた街がある

誰もいない、何も無い

ただひたすら太陽が昇って沈む

眠ってしまうと、同じ夢を見て

また同じ廃れた世界がある。

目が覚めた時は必ず本殿の中にいる

お腹は減らないし、喉もかわかない

時々耳の奥で響くピアノの音。

ショパン

告別

その曲が頭の中で重く響く

すると何故かとても苦しくなり

呼吸が乱れて、泣いている

夢を見ている時が1番楽だ。

明るくて、街もあっる

現実…

神様にお願いしたけれど

ここが異世界なのか、現実なのか、夢なのか

もう分からない。

どこからが夢で、どこまでが現実なのか

おばあちゃん

ほら、ここ。違う。

葵(当時5歳)

だって、分からないよ…

おばあちゃん

これは、おばあちゃんの一番好きな曲なの。

葵(当時5歳)

私、ピアノ嫌い。

おばあちゃん

…ショパンの告別。

おばあちゃん

ほら、早く続きを弾きなさい。

おばあちゃん

あなたは完璧出なくてはならないのよ。

葵(当時5歳)

おばあちゃんも、嫌い…ボソ

~♩♪♬.*

葵(当時5歳)

…殺して…

葵(当時5歳)

みんな嫌いなの。殺して…

葵(当時5歳)

おばあちゃんも嫌いなの…

葵(当時5歳)

殺して…

みんな…

おばあちゃん…

ごめんなさい。

ごめんなさい…

うっ…グズ

ごめんなさい…

おばあちゃん

葵…

おばあちゃん…!

おばあちゃん

葵はいい子だから

おばあちゃん

神様がずーーーーと

おばあちゃん、私、

おばあちゃん

守ってくれるよ…

おばあちゃん

お前はずっと死なない。

おばあちゃ、私いい子じゃないよ。

私、神様に…お願いした

おばあちゃん

葵…

おばあちゃん

お前はずぅーーーーと

おばあちゃん

地獄にいるんだよ

おばあちゃん…

ごめんなさい…

おばあちゃん

普段、いい神様であればあるほど

おばあちゃん

怒らせたら怖いんだよォ〜

〜完〜

鈴飴

ご清覧ありがとうございました

鈴飴

少々複雑になってしまったので、
ここで少し解説を…

鈴飴

まずは、おばあちゃん。

鈴飴

おばあちゃんは葵をどうしても完璧に育てたかった。
いつも厳しく当たっていたため、
葵には厳しく怖い存在だった。

鈴飴

葵は過去の思い出を見ていた。
怖いはずの祖母が笑っているように見え、
驚いている様子です。

鈴飴

続いては、

鈴飴

いつ、誰もいない世界に迷い込んだのか

鈴飴

これは、
ショパン︰告別
が流れ出した辺りですかね。

この曲は幻聴という設定でして、
葵自身、意識が朦朧としている。
「夢の中にいるみたい」と発言しています。
つまり、この時点で異世界に迷い込んでいたのではないでしょうか…

鈴飴

続いて、葵の今いる世界

鈴飴

そうですね、複雑になってすみません。
葵は現在どこにいるのか、これは、私にも分かりません。
異世界に迷い込んでいるのか、夢なのか、
これが現実なのか。
異世界の場合は、無差別殺人事件すら、
嘘だということになります。

そして、夢ならば、彼女はうなされている。
覚めることもなく、ずーと。

現実ならばそれは神様が葵を守ってるということ。
おばあちゃんが、「あおいはいい子だから…」と言っていましたね。
どうやら神様は一生葵を死なせてくれないようです。
なんにもない世界で、なんにもない日々を永遠に過ごす…。

鈴飴

おばあちゃんの言っていた「地獄」

鈴飴

それはさきほどもお伝えしましたように、
葵は永遠に同じ世界を繰り返している。
死ねないし、抜け出せない。
これ以上の地獄はあるのでしょうか。

葵は5歳の頃、怖いおばあちゃんや、みんなが大嫌いで、「殺して」と、神様に頼んでいます。
それを知っているおばあちゃんは、
その罪を「永遠の生命=永遠の地獄」という形で 葵を異世界に引き釣りこんでいます。
実は葵のことが大好きなおばあちゃんは、
葵が死なないように、神様にお願いしています。
2人ともの願いを叶えた神様。
しかし、人をの命を奪うことを願ってしまった葵。
神様はそれに怒り、葵を今も地獄の中で苦しめています。

鈴飴

さて、さて、最後です!

鈴飴

最後は、「ショパン︰告別」

鈴飴

廃れた街のシーンで
葵は「耳の奥で告別が重く響いている」
と言っています。

実は葵、この曲が大っ嫌いなんです。
5歳の時に、ピアノのレッスンで、告別を弾いている時、
「ピアノ嫌い」「おばあちゃんも嫌い」
っと言っています。

また、おばあちゃんが亡くなったのは、
葵が神様にお願いしてすぐのこと。

葵は本当におばあちゃんが死んだことに、
後悔をしています。

頭の中で重く響く「告別」葵はその曲を耳にする度、罪悪感で覆われるのです。

また、その曲が幻聴だとすると、葵は精神的にだいぶやられていたのか。

それとも、「おばあちゃんも、みんなも、殺して」と言ったように、葵はその時点で、
異世界に迷い込んでおり、
おばあちゃんが葵を苦しめるためか、自分を思い出させるためか、「告別」を聞かせていたのかもしれません。

味方によって怖い人物が変わりますね!

5歳にして「殺して」と頼んみ、それを
隠し続けた葵。

自分を殺した孫を苦しめようと異世界に引きずり込んだおばあちゃん。

そして、人の命を殺めようとした葵を
その瞬間から地獄へと引きずり込んだ神様。
こうなると、葵は5歳で亡くなっていますね!

この世はいいものばかりとは限りません。

あなたの親友、知り合いの人には秘密や怨念。
神様もいい神様だけとは限りません。

みなさんも、呉々もお気をつけください…。

鈴飴

鈴飴

鈴飴

さぁ、本当に長いこと、ご清覧ありがとうございました(*^^*)

鈴飴

長すぎてウザかった方、本当にごめんなさい。

鈴飴

多分そういう方が多いと思います。
本当に、ごめんなさい…。

鈴飴

では!皆さん、今日も素敵で輝く1日になりますことを心からお祈りしています…。

鈴飴

それでは、私はこれで失礼させて頂きます。さようなら。

ご清覧ありがとうございました!

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