テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
出会いは、本当最悪!
花園 雛
私は、その日教室の当番だった。 掃き掃除をしてから時計を確かめると、 午後五時前になっていた!
花園 雛
このままじゃ、遅刻する〜! 吹奏楽部の先輩達は厳しいのに! 2年生は早くいって、 準備をしてなきゃいけないのに! 急いで片付けなきゃ!
掃除道具に、急いでホウキをしまおうとした瞬間 私の耳に、誰かがあわてた声が飛び込んできた。
瀬戸口 小雪
花園 雛
振り返ると、1人の男子生徒がホウキに 引っかかっている。 えっ!? 私の目の前で、その人は抱えていたゴミ箱を放り出して 派手にひっくり返った。
ドターンッと、痛そうな音が廊下に 響き渡る。 ギュッと、目をつぶった私は、おそるおそる 片目を開けてみた。
男子生徒は床にうつぶせにたおれて、 目をまわしている。 な、なにやってるの!?この人!?
瀬戸口 小雪
あっけにとられてると、 男子生徒がのっそりと起き上がってくる。 レンズのあつい地味なメガネが、ななめに かたむいてしまった。 その人は廊下に散らばっていた、 ゴミを見ると、「ああっ!」 と情けない声をあげる。
瀬戸口 小雪
オタオタしながら拾いあつめようとする男子生徒に、 私のほおが、ヒクヒクとふるえた。 それはこっちのセリフだよ!! せっかくきれいにしたばっかりなんだから!
花園 雛
しゃがんでいた男子生徒は、「え?」 というようにわたしをかえりみる。
瀬戸口 小雪
花園 雛
私はドンッと、足を開いて両手を 腰に当てた。
瀬戸口 小雪
ポカンとして見上げている男子生徒の顔が、 カア〜ッと赤くなっていた。
花園 雛
瀬戸口 小雪
花園 雛
花園 雛
気の弱そうな、ウジウジ、モジモジ している男子なんて、私の一番苦手なタイプじゃん!
瀬戸口 小雪
男子生徒の視線をまよわせながら、 恥ずかしそうに声を小さくした。 えっ? パーーンーーツーー!?
花園 雛
顔から火が出そうになって、私はバッと両手で スカートを押さえた。 よりによって、こんなドジな人に見られるなんて!!! 私は、涙ぐみホウキの柄をグッと握りしめた。
コメント
1件