ガシャーンっ!
心菜
…?!
朝ごはんの時、その音が鳴り響いた
桃菜がお皿をひっくり返したからだ。 それも、わざと
お母さん
何?!なにごと?!
桃菜
……っ、
桃菜
心菜が……
心菜
は?
お母さん
心菜?心菜がどうしたの?
桃菜
お皿私に投げつけて…
心菜
えっ、違っ…
お母さん
心菜?!
お母さん
桃菜になんてことすんの?!
お母さん
桃菜が怪我したらどうするつもりだったのよ!!
心菜
だから違うってば!!
お母さん
なにが違うの?!
お母さん
出来損ないの癖に、桃菜に八つ当たりすんじゃないわよ!!
心菜
……
心菜
じゃあっ、
心菜
じゃあどうして産んだの!?
お母さん
……!
桃菜
……
心菜
桃菜だけで良かったじゃん!
心菜
……こんな出来損ないでも、産んだのはお母さんでしょ?!
心菜
子供のこと、まともに扱えないなら産まないでよ!!
お母さん
私だっていらないわよ
お母さん
アンタは桃菜のお零れ貰ってるだけ!
お母さん
朝ごはんだしてやってるだけ感謝しなさい
心菜
……
心菜
何それ
心菜
(私は……、桃菜のおまけとでも言いたいの?)
双子なのに。
どうしてこんなに違うの?
どうして桃菜のほうが優れてるの?
どうして私は要らない子なの?
心菜
お父さんが居たら…
お母さん
……!!
お母さん
心菜!!
心菜
…!
お母さん
あの人のことは忘れろって言ったでしょ!?
心菜
……なんで?
心菜
なんでなの…?
お母さん
アンタに父親なんて居ない
お母さん
頼れる人もね
心菜
……
お父さん…、私が大好きだったお父さんは、離婚して出ていった
原因は私のこと。
お父さんはいつも私を助けてくれた。
けど、お母さんを止められなかった
心菜
……
心菜
もういいよ
桃菜
…?
お母さん
ちょっと、心菜!
桃菜
……
心菜
…ヨンジュン!
ちゅに
はいっ!?
ちゅに
何!?ノックぐらいしてよ!
心菜
いいじゃん、女子じゃあるまいし
ちゅに
そういう問題なの?
ちゅに
血相変えてなにごと?
心菜
……
心菜
もう私帰らない!
ちゅに
……えぇ?
心菜
もう嫌なの!
心菜
ここしか居場所がないの!
ちゅに
……
ちゅに
ダメだよ
心菜
え?
ちゅに
俺、心菜よりずっと早く死ぬから
ちゅに
俺がいなくなったら、心菜どうするの?
心菜
え……
ちゅに
俺に頼りっぱなしじゃダメ
心菜
……
心菜
何かあったら頼れって言ったくせに
心菜
嘘つき
ちゅに
確かに
ちゅに
それはごめんじゃん?
心菜
最低!
ちゅに
ごめんって〜
心菜
……
心菜
ヤダな
ちゅに
ん?
心菜
…もっと早く出会いたかったな
心菜
そしたらもっと、一緒に居られたのにな
ちゅに
……
ちゅに
…そうだね
コンコン
心菜
え……、誰か…
ちゅに
え?
ちゅに
俺お見舞い来てくれる人いたんだ
心菜
え?
桃菜
あの、心菜…?
心菜
……
心菜
え…?