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太陽
あ、シグレくんみっけ！！
シグレくん
見つかっちゃいましたかぁ(•́ι_•̀*)
シグレくん
探すの手伝います
太陽
ありがと(*´ч ` *)
シグレくん
保健室とかどうですか？
太陽
いいね。行ってみようか
雨音
(あ、来た……)
太陽
ん～いないなぁ…
シグレくん
見てないところありますよ
太陽
ん？どこ〜？
シグレくん
ベッドです
雨音
！？
太陽
じゃあ見てみようか
太陽
あ
雨音
あ
太陽
みっけ
雨音
見つかっちゃった
シグレくん
あ、そういえば、二人に話したい事あるんですよ。
雨音
？？
太陽
話して！
シグレくん
今、世界がどうなってるか分かりますか？
雨音
いや…分からない
太陽
僕も
シグレくん
学校につくまで、人っ子一人いませんでしたよね。
太陽
…たしかに
シグレくん
二人とも、雨が降る前に独りになりたいって思ってませんでしたか？
太陽
思ってた…
雨音
俺も。
シグレくん
雨が降る直前に独りになりたいって思った人と、動物はこの世に残されてるんですよ。
雨音
あ、だから猫とかはいたのか……
シグレくん
そうですね
太陽
…でも、なんでシグレくんはその事知ってるの？
シグレくん
そりゃ、幽霊ですから。
シグレくん
空から見たら分かりますよ。
雨音
ずっと気になってたんだけど、シグレくんはどういうふうに死んだの？
シグレくん
病気ですよ
シグレくん
ボク、病弱だったんです
太陽
そうなんだ…
ハル
わんっ！！！
シグレくん
まだボクの事が怖いみたいですね
太陽
そうだね
太陽
てか、なんでシグレくんは6歳なのに、そんなに大人びてるの？
シグレくん
年齢も知られてるんですね
シグレくん
ボクが最近死んだと思い込まないでください。
シグレくん
1963年6月18日に死んだんですよ
雨音
えっ、そんな前に…？
シグレくん
はい。
シグレくん
ボクはこの学校に思い出があるんです。
太陽
思い出？
シグレくん
はい。
シグレくん
ボクはまだ元気だった頃に、この学校に犬の散歩をおじいちゃんとよくしてました。
シグレくん
別にこの学校に通ってた訳じゃないですけど
シグレくん
ボクにとっては大切な場所です
シグレくん
…太陽さんのワンちゃんによく似てました。
太陽
あら
雨音
面白そ〜！もっと聞かせてよ！！
シグレくん
いいですよ
シグレくん
ボクが亡くなる2年前の秋でした
その話はとても楽しくて
でもなんか悲しくて
頭の中がごちゃごちゃした
シグレくん
こんな感じですかね
太陽
いい話じゃん…
シグレくん
そうですかね。ただの犬散歩してただけの話ですよ。
太陽
ふふ、そうだね。
僕とシグレくんは何処か似ている
一人称がぼくなのも
犬を飼っている事も
小学生なのも
僕とシグレくんは分かりあっていた。
犬の可愛さも
何もかも全部
雨音
やっぱ一階は水浸しだな
雨音
保健室も浅めの池みたいになってる
太陽
そうだね
外を見る
そこには、僕が放り投げたビニール傘があった
傘に当たる雫は
弾けて、光って
とても綺麗だった。
雨音
ん………
シグレくん
おっと危ない
雨音
眠ぅ……
太陽
重いんだけど…
シグレくん
あ、すみません
太陽
なんで避けたの？
太陽
何か理由が？
シグレくん
僕に触れると消えちゃうんです
シグレくん
身体も、存在も、何もかも。
雨音
ええっ！？
太陽
あ、起きた
太陽
どういうこと…？？
シグレくん
思いが強い幽霊に触れると、人間は消えちゃうんです。
シグレくん
ボクはこの学校に思い出があるので、ボクに触れると消えちゃいますね。
シグレくん
愛犬の事も、家族の事も、友達の事も。
シグレくん
全部全部、大事に思ってますよ
太陽
そうなんだ
雨音
じゃあ俺、さっきシグレくんに触れてたら…
シグレくん
危なかったですね。震えが止まりませんよ。
太陽
う…また怖くなってきちゃった……
シグレくん
あ、そうだ。これを使って、遊びましょうよ。
雨音
…これって……消えちゃうやつのこと？
シグレくん
はい
太陽
どうやって遊ぶの？
シグレくん
今から話しますね
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