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⚠️注意⚠️ ・キャラ崩壊注意 ・色々設定捏造しまくっています ・空くんが大分変態っぽい ・空くんがかなりキモイ ・魈が可哀想 ・蛍は出ないです 一応テイワット出た後の話想定です。
空
今日、何十年ぶりかに魈と出会った。
正直噂話とかそういうのに興味は無いし、そもそも今は周囲の人間から疎まれているようなので、そういう噂話をする相手もいない。その為、空は校内で流れる噂には詳しくなかった。 要するに、魈が校内で有名人であることを知らなかったのだ。
空
可愛いなぁ、魈。やっぱり可愛い、どうしようもなく可愛くて愛おしくて恋しくて仕方ない。
あぁ、ニヤけが収まらない。
この世界の魈は人間かな?多分人間だろうな。人間の魈に会うのは初めてだから、つい興奮しちゃうなぁ。
空
静かな部屋の中、異邦人は少しの野望を口にする。
明日が楽しみで仕方ない。 どうか、早くこの夜が明けてくれますように。
翌日、2年3組
朝、登校して来ると、机に落書きがされていた。
死ね、という2文字だ。多分油性ペンだろうし、ちょっとやそっとじゃ落ちないだろう。まぁ、そもそも落とす気も無いが。
机の落書きを無視して、教科書を引き出しに入れる。 ほとんどの教科書やノートの表紙に落書きされてしまったのを見ると、案外いじめられ初めて時間が経っているんだなと感じる。
モブ女2
モブ男1
何処かからまた笑い声がする。まぁ、そんなのは今はどうだっていい。そんな事よりも魈だ。
こんなに昼休みが待ち遠しかった事なんて無かった。 1時間1時間がやけに長く感じる。
モブ女2
空
3時間目の授業が終わった頃、声をかけられた。あのグループの一員だ。
モブ女2
空
半分程上の空だったため、適当な返事になった。そもそも空には魈の所へ行くという用事があるため、そんなの受ける筈もないが。
空
欠伸が出るほど退屈で、長く感じられた時間だったが、漸く昼休みだ。 昼休みになった瞬間、空は教室から速やかに出た。
空
廊下を適当に歩いてみたが、魈の姿は見当たらない。 もしかして、と思い教室を覗くと案の定、魈の姿があった。 一番後ろの、左端の席。彼の周囲に人は居らず、一人で本を読んでいた。
空
思わず教室の窓から彼の名前を叫んでしまった。 教室にいる生徒の半数程が空へ視線を向ける。
魈
モブ
モブ
魈
周囲が騒ぎ始めたのを見て、魈は小さく舌打ちをする。 苛立ちを隠そうともせず、本をバシン、という音を立てて机に叩き付けるとズカズカと此方へ歩いてくる。
空
魈
魈は教室を出て無言で空の隣まで来ると、空の腕を掴んで引っ張る。場所を変えるようだ。
人気のない、今は使われていない教室前の廊下まで連れて行かれると、眉を寄せた魈が空の顔を睨み付ける。
魈
空
魈
空
魈
空
魈
空
魈
空の肩を掴むと、壁に押し付ける。その勢いのまま、空の後頭部が音を立てて壁に激突するが、相変わらず空は穏やかな微笑みを浮かべたまま微動だにしない。
魈
空
魈
空の発言に、思わず魈は手を離して後退りする。
今まで、自分が少し脅せば人は怯んだ。実際にその拳が当たれば、どんな者でもその力に屈した。
なのにこいつは。それに怯むどころか、寧ろ良いと。
魈
こうして罵倒されても、目の前の男はくすりと笑うばかりで、笑顔を崩さない。
本当に気味が悪い。なんなんだ、この男は。
空
魈
空
そう言いながら、空は魈の手を取り、自分の方へ優しく引き寄せる。
魈
空
魈はまるで骨抜きにでもされたかのように、空に手を引かれるとふらふらとその腕の中に収まる。
魈
空に優しく抱き締められ、彼の匂いに包まれるとどうにも頭がふわふわする。 気味が悪い、気色が悪い。だと言うのに、何故か離れられない。引き寄せられる何かがある。
羞恥心すら、少しずつ静まっていくばかりで。自分が自分でないみたいだ。
空
魈
空
魈
空
揶揄われると、魈は怒ったように眉間に皺を寄せた。 空の腕から抜け出すと、ふん、と小さく声を吐き出し、そのまま逃げるように廊下の奥へと進んでいってしまった。
空
相変わらず、その背中をにこやかに見送るのは空だけだ。
背中に受けるむず痒い視線に、魈は困った様な複雑な表情を浮かべる。 だってこんな視線を向けられた事は、今までになかったのだから。
魈
……思った以上に早く来た為、予想外の出来事に魈は少し困惑した。
なんせ、魈はいつも用事がない時はほぼ一番と言っていいほどの速さで校門に辿り着くのだが、待ち人は1分もしない内に姿を現したのだ。
3分はかかると思っていたが、そんなことは無かった。というか、魈の少し後ろから着いてきていたと言われた方がまだ納得出来る。
空
魈
空
魈
空に催促されて、少しずつ歩き始める。 他人と一緒に帰る経験なんて無かった魈は、この状況に困惑している様だ。
因みに、魈は知らない事だが、当然ながら空は例のいじめっ子との約束をガン無視して魈に会いに来ている。
道中は会話もなく、ただ魈が少しだけゆっくり歩いて帰っているだけだ。それに空は、並んでついていくだけ。
空
魈
空
魈
空
魈としては、なるべく空を避けたい為にそう言い放つが、空は気分を悪くした様子もなくそう返す。
魈
魈が歩みを止め、すぐ隣の明らかに高級そうなマンションを見る。 この付近では有名なタワーマンションだ。
空
魈
鍾離。複数の会社を経営する社長で、テイワットでも有名な存在だが、魈との関係性を知る者は鍾離の関係者くらいしか居ない。 別に口止めされている訳では無いが、魈も自分から話す事は無いし、頑なに話そうとしないので、空が鍾離と魈の関係を知っているはずが無いのだ。
それなのに、今。空は魈と鍾離に何らかの関係があると確信したような物言いをしたのだ。
空
魈
空
魈
何故それを知っているんだ。
実際、魈は鍾離の養子だ。養父であることに間違いは無い。 しかし、それは学校関係者であっても校長くらいしか知らない事だ。 何処だ、何処から情報が漏れた?
空
そう指摘されて、漸く気付く。 自分は唖然と焦りを隠そうともしていなかったらしい。 怯えた様にも見える、呆然とした魈の頬を空が撫でる。
その瞬間、金縛りが解けた様に魈の体が動き出す。反射的に空の手を弾いて声を上げる。
魈
空
大きく舌打ちして、魈は走ってマンションへ逃げる様に入っていく。 空はそれを追い掛けない。また、慈愛に満ちたような瞳で魈の背中を見送るだけだ。