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翌日の朝。

トーストにイチゴジャムを 塗っていると、

スマホが震えて、焦凍くんから そんな連絡がきた。

白福萌甘

( 焦凍くんが風邪…珍しい )

白福萌甘

( 昨日の雨のせいだよね )

どうやら熱があって 学校に行けないみたい。

昨日はびしょ濡れ状態で 電車に乗るわけにもいかず、

少し服が乾くまで待ってから ようやく電車に乗った。

最寄り駅に着いた時には 雨は止んでいたけど、

だいぶ濡れたし初夏と言っても 体は冷えただろう。

白福萌甘

( 学校終わりにお見舞い行こう )

そう決めて、私は数年振りに 1人で登校した。

学校が終わって、スーパーで 果物ゼリーを買って、

焦凍くんのお家まで来たのは 良いものの。

白福萌甘

( な、なんか緊張する… )

久しぶりに見る轟邸の 佇まいに緊張してしまう。

一つ深呼吸をしてから やっとこさインターホンを鳴らした。

轟冬美

はーい

白福萌甘

あ、冬美ちゃんお久しぶりです

轟冬美

あら萌甘ちゃん!お久しぶりです

呼び鈴を鳴らしてすぐに 奥から冬美ちゃんが出てくる。

優しい笑顔とエプロン姿は 親しみやすさがある。

轟冬美

お見舞いに来てくれたの?

白福萌甘

はい、これ少しですけど…

轟冬美

わ、たくさんありがとう!

轟冬美

どうぞ上がって

白福萌甘

え!いやそこまでは…!

轟冬美

いいの、良ければ焦凍にも会ってあげて

「ね?」と言われてしまえば 帰る訳にも行かず、

白福萌甘

お、お邪魔します

私は何気に初めて轟邸に 上がることになった。

手を洗うと焦凍くんの部屋まで 案内してもらった。

轟冬美

焦凍、萌甘ちゃんがお見舞いに来てくれたよ

轟冬美

会うでしょ?

轟焦凍

会う

少しカサついた声が 襖越しに聞こえる。

会うか聞かれて 即答なのが面白い。

白福萌甘

お邪魔します…

轟冬美

じゃあ私は行くね

白福萌甘

ありがとうございます

冬美ちゃんにお礼を言って 恐る恐る部屋に入った。

敷布団に寝転んで 私を見上げる焦凍くん。

白福萌甘

大丈夫…じゃないよね

轟焦凍

大丈夫ではないかもだけど、

焦凍くんはケホッと 苦しそうに咳をすると、

眉を下げて微笑んだ。

轟焦凍

萌甘が来てくれて、少し
マシになった気がする

正 し い 距 離 の 求 め カ タ

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