気付けば俺はそこにいた。そこは俺がたまに利用していたデパートだったのだが. . . . . .
佐山 翔太
佐山 翔太
左腕の時計は23:58を指していた
佐山 翔太
当然と言えば当然だったのかもしれない。こんな時間だ大体なんで俺はこんな場所に......
ここに来るまでの記憶がまるでなかった。俺は一体、どうしちまったのだろうか?悪い夢で見てるのか?確かにここ最近の俺は筆が乗らず、スランプ気味のノイローゼだったが......
佐山 翔太
俺がその場から動き出し、店の出入り口へ向かおうとした時だった
“ピンポンパーンポーン”
突然、頭上からアナウンスが掛かった
謎のアナウンス(女声)
謎のアナウンス(女声)
まるで言っている意味が分からなかった。やはり俺は何か悪い夢で見ているのだろうか?
佐山 翔太
謎のアナウンス(女声)
声の主は一旦、間を開けると続けてこう言った。
謎のアナウンス(女声)
その声は少し、嘲笑っているようにも感じられた
佐山 翔太
佐山 翔太
佐山 翔太
佐山 翔太
佐山 翔太
佐山 翔太
訳が分からない事だらけだったが、俺はそこから動き出す事にした
あの謎のアナウンスの言っている事は本当だった
俺は今、気分を落ち着かせる為と水分補給の目的で店内のフードコートに来ているのだが...
佐山 翔太
ここに来るまでの間、残念ながら俺と同じ人間とは遭わなかった。 だが俺はその光景を目の当たりにしたのだ。
マネキン達が自らの意思で動くその様を
奴らはまるで人間の如く動きだした。 アナウンスの声の主の言っていたことが現実になりつつある。
動いている中にはマネキンと呼んでいいのか分からない木製の等身大人形も少々存在が確認出来た
佐山 翔太
奴(声の主)の言う事がもし、全て本当だとするならば俺の他にもこのデパート内に人間がいて、同じくパニクっている筈だ
それにあの感じだと俺ら(仮)にこのデパートから脱出して欲しいって事らしいが...
近くのウォーターサーバーで紙コップに水を入れて俺は一気にそれを飲み干した。その行為をあと3回繰り返して再び、頭の整理へと入る。
だとすれば、だ
これは恐らく脱出系のゲームかなんかだと予想が出来る。これはほぼ確定事項であろう。 なら話は簡単で俺ら(仮)はこの深夜のデパートから外へと脱出すればいいだけなんだが......
謎のアナウンス(女声)
この言葉だけがとても気掛かりだった
「まぁ、出られないと思うけど頑張って出てくれ」
俺にはそいつ(声の主)がそういう風に言ってるように思えたんだ。実際に彼女(仮)は少し笑いながら言っていた。それは声や喋り方から簡単に推測出来た。まるで嘲るように声は言っていたんだ。
この事からそう簡単にこのデパートから出られない事は確実である事が分かる。加えて言うなら、今まで静止状態であったマネキンやらが0:00のアナウンスと共に動き出したんだ。生物みたく意思を持つかのように。
と、なれば簡単だ。 あまり頭の良くない俺でも容易に予想が出来る。その動き出したマネキン達が俺ら人間を見つけたら何かしたらしてくるということだろう。どれぐらいの危害を加えるかは分からない。だが脱出されないように攻撃や妨害などをしてくるのは目に見える事だ。恐らく、これが彼女(仮)の言っていた「出れるものなら(笑)」だと思われる。
いずれにしても困った事だ。 こっちからしたら全てが訳が分からなくて混乱状態だ。気付けばこんな所にいて、いきなりこんな事になっているんだ。まるで意味不明だ。更に言えば、俺は孤独でこのフードコートに来る道中、一人も人間は見なかった。だが奴らは想像以上に多くいるみたいだ。エスカレーターを上り下りしている奴らの縦列を目撃した時はあまりのシュールさに吹きそうになった。より取り見取りの彩色で見飽きない光景だった。
って、こんな事を考えてる場合じゃないや。早くこれからの事を考えないと......
佐山 翔太
水を飲み終えた俺はフードコート内にある自販機で飲み物を買う事にした。 いつ何処で喉が乾くかも分からない。その為に買える分だけ補充しておこうって事だ。
佐山 翔太
あの場に立っていた時は気にもしなかったが俺はカバンを背負っていた。中は軽く、財布や携帯(スマホ)、チューイングキャンディーやタブレット(食べる奴)、それと何故か“うまか棒”の明太子味とコンポタ味、たこ焼き味の3本が入っていた。
佐山 翔太
自販機は俺の知っているメーカーので列には普通によく飲むドリンクが並んであった
佐山 翔太
佐山 翔太
それらを各2本ずつ購入した俺は最後に一杯、水を貰いフードコートを去った
佐山 翔太
俺は今、2階のフードコートエリア近くの男子トイレに居る。とても綺麗なトイレだ。
佐山 翔太
気持ちよく放尿を終えた俺がお手洗いに向かおうとした時、再びそのアナウンスが頭上より流れた。
“ピンポーンパーンポーン”
謎のアナウンス(女声)
佐山 翔太
謎のアナウンス(女声)
その声は、口調は。まるで人の死をなんとも思わないかのようだった。むしろそういうのを愉(たの)しみ、喜んでいるようにも感じられたのだ。
謎のアナウンス(女声)
声の主は付け加えるようにしてこう言った。
謎のアナウンス(女声)
アナウンスは止んだ。変なポーズで静止していた俺は手洗い場へと向かい、歩き出すと速やかに水で洗い流し、ハンカチで手を拭いた。トイレの外にある待機スペースのソファに腰を下ろし、スマホを取り出す。先程、アナウンスで言っていた、そのアプリを確認する為だ。
佐山 翔太
不思議な事にNEXUS以外のアプリは殆ど消えていた。普段入れているアプリが消えていたのだ。代わりにデパートの地図(マップ)が入っていたのだ。
佐山 翔太
それは思ったより早くやって来た。 ピコンという音と共に返信が来たのだ。来たのは2人。うち一人は今いる場所から近い位置で身を隠している人だだった。
彼女との連絡を終えた俺は、隠れているという場所へ向かった
佐山 翔太
屋代 美由
屋代 美由
屋代 美由
屋代 美由
佐山 翔太
佐山 翔太
屋代 美由
屋代 美由
佐山 翔太
道中でそれらしき人型の影を数回程、目撃したが奴らは俺の存在に気付く事なく素通りした。(俺が上手く隠れてやり過ごしたのもあるが)
そうこうして彼女の隠れている場所へとたどり着いた
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