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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

□□□□

うううううあああああ

□□□□

何も思い浮かばない!!!

□□□□

何も!!

夜23時、ある中年男性が一人暮らしのアパートで叫んでいた

叫ぶと言っても、声のかぎり叫んだのでは隣に通報されかねない

全く常識の範囲内自己を抑えた上での発狂だった

彼はボカロ曲を作ろうとしていた

明日の夕方までに、上がるという計画だった

□□□□

何も出来ていない…

まず歌詞を書こう、と思ってPCのテキストソフトを立ち上げたが それっきり彼の手はピタリと止まったままだった

□□□□

ダメだ、脳味噌を搾っても何も出てこない

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そういう時は今日一日であった事を思い出すんだ

□□□□

朝は5時ごろ目が覚めて、6時半くらいまで半覚醒状態でうとうとしていた

□□□□

日中はどこにも出かけず、誰とも離さずにPCに向かってバイト。虚無だった

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そういえば夏休みだから、昼から近所のガキの声がしていたっけな

□□□□

昼飯を買いに出たついでに、急に食べたくなって、貧乏なくせにシャレオツな店のケーキを買って帰って、夕方一人で食べたな

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後はひたすらtwitterをみてYouTubeで政治と宗教の教養系動画をみて……

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つ、つまらん!

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ゲームもアニメも漫画も本も
消費する気力が消え果てた

□□□□

俺の人生

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何も創作のネタになる様なものが転がってないだろうが

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もう何日も誰とも会話してないし

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あーーーーーーーーーーもう

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俺の想像力の泉は枯れ果ててしまったようだぜ

□□□□

いっそ

□□□□

頭の上にミサイルでも落ちてきて記憶喪失にでもなったらいいのにな

その後、何とか無理矢理に歌詞をでっち上げて作った彼の新曲は

やはりというか、そこまで視聴者数が伸びては行かなかった

そういう時代なのかもしれない。そう、もはや自分の時代じゃないのかも

と、男は落ち込んだが、

少し経ったまた別の日、何かに取り憑かれた様に曲を作る彼の姿があった。

戻らない!!!!!!

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